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【鮨さゝ喜(ささき)】日立の海の幸に舌も喜ぶラッキーセブンな縁起のいいお寿司屋さん@茨城県日立市

2021年もそろそろ終盤。

今年は1年の目標を「今まで行かなかったタイプのお店へ行く」と決め、そしてその目標にわりと忠実に食べ歩いてみた。

本来の自分の好みで言えば蕎麦とか、それに刺身や寿司なんかの魚を食べさせてくれるお店が好きだ。

だから今までは洋食や中華の店よりも、だんぜん和食の店を選びがちだった。

今年はそれらの店をあえて外すことで、これまではあまり縁がなかったようなお店にも行くことができて、今まで縁のなかったジャンルのお店にもお邪魔することができた。

鮨さゝ喜(ささき)

しかし、その代償として、もともと好きなジャンルのお店、つまり魚料理を食べに行く機会がだいぶ減った。

そのせいだろうか、このところたまらなく魚が食べたい。

魚料理に対する欲求が、日に日に大きくなる。

その抑えがたい欲求は、もはや禁断症状に近い。

あ”あ”あ”あ”、魚が食べたい!!

 

ビッチビチに跳ねまわる活きのいい生魚に、頭からかじりつきたい。

モシャモシャと。

この体が、この胃袋が、そしてこの魂が生魚を欲しているのだ!!

 

というわけで、今回ご紹介するお店は日立市のお寿司やさん「鮨 さゝ喜(ささき)」だ。

 

やぁ諸君、ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

お店の外観

さゝ喜(ささき)』はJR常磐線常陸多賀駅のすぐ近く。

駅前の通りからはひとつ入った場所にある。

お店に駐車場があるかどうか分からなかったため、近くのコインパーキングにクルマを停めて歩いてきた。

この日は7月の中旬で、夏の日差しと、その日差しを照り返すアスファルトの熱がキツイ。

汗だくになりながら、店をめざし歩いた。

店の入口にはランチメニューが掲示されている。

ランチはAランチ、Bランチ、海鮮太巻きランチの3種類。

いずれもサラダと茶碗蒸しと「ひっつみ汁」が付いてくる。

ボトムラインを担うAランチが1,100円とは驚きの値段。

真新しい建屋はなんだか近代美術館のよう。

超ショートな暖簾もコンテンポラリーアートっぽい。

店内の様子

 

店に入るとカウンター向こうの大将から「いらっしゃい」と出迎えられる。

50代前半くらいだろうか、なかなか男前な大将だ。

どちらでもどうぞ」と勧められ、とりあえずカウンターの隅っこに座ってみる。

テーブル席は4つ。

奥には座敷もあり店内はかなり広いようだ。

さっそく「Bランチ(1,600円)」を注文。

すると「こちらは握りでよろしいでしょうか?」と尋ねられる。

どうやらランチは「握り」、「ちらし」、「鉄火丼」の3つの中から1つを選ぶシステムのようだ。

とりあえず「握り」を選択し、ついでにデザートに「きなこ豆乳プリン」を追加。

炎天下の中を歩いてきたので喉がカラカラ。

冷えた麦茶が喉にしみるぜ。

Bランチ+きなこ豆乳プリン+スズキとコハダ

まずはサラダ。

ドレッシングは和風じゃなくってイタリアン。

バジルがガッツンと効いていて、後からほんのりガーリックな風味。

このドレッシングって手作りしているのか。

お寿司屋さんの手作りドレッシングだ。

茶碗蒸し。

残念なことに、中の写真は撮り忘れてしまった。

「美味しいお店と、美味しい料理をレポートする」ことをモットーにしているのに、なのに写真が無いなんて。

ああ、なんてこった、とんだ大失態。

毒電波だ。

きっとこれは毒電波のせいだ。

こちらが岩手県の郷土料理「ひっつみ汁」。

いわゆる水団(すいとん)てやつね。

大将のご出身は、NHKの朝ドラ『あまちゃん』で有名な岩手県の三陸地方なのだそうで。

ひっつみ汁をひと口すする。

郷土料理ならではの素朴さを残しつつも、それを洗練した椀に仕上げているあたり、さすがはお寿司屋さん。

丁寧に引いた出汁の美味さにとろける。

こちらが「Bランチ(握り)」。

いいじゃないか。

イクラ軍艦を含むにぎり7貫に巻物の構成。

久しぶりのお寿司、こりゃ無条件で気分アガるわぁ。

梅とキュウリの巻物。ウメQ。

キュウリは細い拍子切りになっていてシャクっとした歯ごたえ。

夏らしい瑞々しく清々しい青い香りがステキ。

何気に白ゴマもいっしょに巻かれていて、海苔の香りにこうばしさがプラスされている。

イワシの握りがすっげー美味い。

脂がたっぷり。

やっぱ旬の魚って美味いもんなんだな。

そしてこの白身魚の握り。

こいつがやたらと美味かった。

でも、白身魚ってのは切り身になってしまうと、いったい元が何の魚なのか、まったく分からなくなってしまう。さすがに「きっと白身の魚なんだろうなぁ」ってくらいは分かるけど。

そりゃ味で判断できればいいんだけれども、素人が判断するのは難しすぎる。

なので素直に大将に聞いてみた「この魚、なんですか?」と。すると大将がスズキだと教えてくれた。

へぇ、スズキか。

夏のスズキって、こんなにも美味いもんなのね。

シャリは人肌。

ワサビ控えめ、というかちょうど良い。

ふんわりと握られていて、口に運ぶとホロリとほどける。

握り具合はホントに優しくて、箸で食べるよりも手掴みでいった方が美味しく頂けるかも。

イクラってやつは、いつでも美味い。

どこで食べても、いつ食べても、間違いなく美味い。

ああ・・・25メートルプールをイクラで満たして泳ぎたい。

そんなプールがあったなら、毎日だって通うのに。

イクラを飲み飲み泳げるなんて、それってとてもステキなコトじゃない?

だからこのアイデアってのは、紛れもなくビッグなビジネスチャンスだ。

そのうちホリエモンとか、前澤社長あたりが作ってくれないだろうか? いや、作るべきだろう。

脱水して熟成させたマグロの赤身。

旨味がギュギュギュっと詰まったこの赤身の美味さよ。

かなり夢中になって食べていたようで、後で見返すとビックリするほどぜんぜん写真を撮っていなかった。

相当がっついていたんだな。

 

ひっつみ汁の底から現れたのは、まるで座布団のようなスイトン。

旨味たっぷりの出汁を吸い込んでパンパン。

見た目のインパクトに反して、素朴で優しい味わい。

胃の中からずっしりとした存在感を放つ。

夏が旬のスズキとコハダを追加で握ってもらった。

コハダって、なんというか特別なスター性があるって訳じゃないけれども、とてつもない存在感がある。

たぶん、俳優で言えば田中邦衛のポジション。

確たる存在感を持っている。

でもそれは言い換えれば、クセが強いってことでもある。

そんな食材をどう料理するかは板前のウデの見せどころ。

酢で絞めたコハダと酢飯。

酢と酢の組み合わせで、あらためて考えてみるとキャラが丸カブリなんだな。

んでも美味い。

それにしてもコハダって、やっぱり皮が美味いんだよな。

皮を剥いだコハダの握りなんて見たことないもん。

スズキのような白身魚ならではの淡白な美味さを上手く言葉で表現できたらイイんだけれど、あいにくこちとらそんな繊細な感性も舌も持ち合わせていない。

ただただ「うんめぇ・・・」と唸るのみ。

デザートの「きなこ豆乳プリン

控えめな甘さて、いかにも和のデザートってな落ち着いた味わい。

海鮮太巻きランチ+コーヒーゼリー

この店「ささき」の「き」は正式には「㐂」とか書く。

㐂は喜の異体字というやつ。

7の字が3つ並ぶラッキー★セブン。

だからお店の正式な名称は『さゝ㐂

しかし異体字のため「き」と入力しても変換できないし、Googleマップなどでも『さゝ㐂』ではなく『さゝ喜』と表記されている。

店に入ると「どうぞ、カウンターでもテーブルでもどちらでも」と言われ、2人掛けのテーブルへ座ろうとすると「どうぞ広い方へ」と4人掛けのテーブルをすすめられる。

前回はすっかり写真を取り忘れた茶碗蒸し。

エビ、ホタテ、ツブ貝などの具材が使われていて、シイタケの風味が濃い。

さて「海鮮太巻きランチ」のご登場。

まるで丸太のような、バームクーヘンのような。

とにかくすごいボリューム感。

なんだろう、こういう体型をガチムチって言うのだろうか?

きっとガチムチ好きの諸兄にはたまらないビジュアルなのだろうな。

この太巻きの圧倒的な存在感、そして威圧感。

純白のシャリにガッチリ巻き付いた黒い海苔。

その出で立ちは、まるで白い道着に黒帯を巻いた格闘家の姿を思わせる。

これは、おそらく熟練のブラジリアン柔術の使い手と見てまず間違いないだろう。

それも相当のスゴ腕。おそらくはヒクソン・グレイシー級の達人。

もし、うかつにうかつに相手の間合いに飛び込めば、たちまち電光石火の超低空タックルで転ばされ、そしてお約束のマウントポジション(馬乗り)。

あとは顔面へと無慈悲に打ち下ろされるパウンド(鉄拳)の嵐。

つまりはボッコボコにされるってことだ。

これはまぎれもなく強敵。

 

しかし、そういうガチンコの命(タマ)の弾き合いこそが、寿司の醍醐味・・・!

 

そう、これは・・・

海鮮太巻き百人組手・・・ッ!!

上に乗っている具材をちょっとずらして中身を拝見。

うおお・・・ずいぶんみっちりと詰まっているじゃないか。

さっそく端っこの1つを箸で挟み、ガブリと噛みつく。

キュウリがシャキシャキ。

カズノコがプチプチ。

タクアンがポリポリ。

タコとイカがコリコリ、で、クニクニ。

そんな複雑な食感と一緒に、マグロ、エビ、ウニ、イクラの旨味が洪水のように押し寄せてくる。

うっ、ぐぐぐ。

これは海鮮の洪水。

口の中に魚介の旨味のアレやコレやが一度に押し寄せてきて、とてもじゃないが言葉が出ない。

しっかりとマウントポジションを取られて、まるで身動き取れない。

完敗だ。

しかし、ひと口噛むと、具材をまとめ上げている海苔の帯が分断されてしまうので、箸で食べるのには少しばかり苦労する。

やっぱり手掴みで頂くのが正解だろう。

それにしても、あらためてよく見てみると、やっぱりデカイなこの太巻き。

女性はこれを食べるのはちょっとばかり苦労するかもしれないな。

コーヒーゼリー。

アイスの上にシナモンパウダーが振られていて、普通のコーヒーゼリーでは味わない独特な風味を醸す。

上にぎり1.5人前

この日注文したのはランチメニューではなく、レギュラーメニューの「上1.5人前」。

上鮨の1.5人前ってどんなだろう?

ランチタイムだからか、通常メニューでもサラダを出してくれた。

で、コレが「上にぎり1.5人前

にぎり11貫プラス、巻き物1。

マグロが多めの構成ってあたりがうれしい。

1.5人分も盛られた寿司桶は少々窮屈そうにしている。待っていろよ、今すぐに楽にしてやるからな。

ネギトロ巻きは粗めのマグロがたっぷり。

ツヤツヤのイカ。

にしても、イカってすげーよな。

だって頭が三角なんだぜ!?

そんでもって、食べても美味いってんだから、いったいどういうミラクルなんだ。

タマゴ、カンパチ、シメサバ。

ヒラメは大葉が仕込んである。

そのお隣はサーモン、かと思ったら「サケのルイベ」なんだそうで。

ルイベって北海道の「半解凍の刺身」だよな、たしか。

半冷凍の状態に保つことで、サケの身から余分な水気を飛ばしつつ、旨味を熟成させる。

さらに保存も効くってんだから完璧。

このヒラメがまた美味かった。

鮨って「酢飯の上にネタがのっている」っていうお馴染みのフォーマット。

フォーマットが決まっているのに、ネタごとに多彩な味が楽しめるのが寿司のいいところ。

マグロはどれも脂がのっている。

案の定、めちゃくちゃ美味い。

さすがはさすがの1.5人前。

さらにひっつみ汁の巨大なスイトンが胃に入るとかなりの満腹感。

食いしん坊さんも大満足。

これは一押し。

特上にぎり+バニラアイス

この日は思い切って「特上にぎり」を注文。

「思い切って」というのなら、最上級の「本日のおすすめ」を注文しろよって話だが、悲しいことにそんな予算なアリマセン。

この日のサラダ。

すっかり秋になったせいか、いつものサラダとは様子がちょっと変わっていた。

なにか黄色いモシャモシャしたものがのっている。

なんだ、このモシャモシャは?

これ、サツマイモのチップ、いわゆる「おさつチップ」だ。

パリッとした軽い食感と、サツマイモの自然な甘みが舌に心地よい。

バジルの効いたドレッシングがたまらなく良く合う。

意外な組み合わせだけれど、なるほど、コレはよくできている。

こちらが「特上にぎり

さすがに良いネタ使ってるな。

鉄火巻き。

マグロ3種

大トロ、中トロ、赤身。

エビは蒸しエビ。

イクラ、カズノコ、赤貝。

常磐物のヒラメ。

スダチが添えられている。

シャリをすっぽりと覆う赤貝。

ブリンとしてギュッとしていて、ほんのちょっとだけ苦みを含んだ旨味。

いや、やっぱうめぇな、赤貝。

イクラ。

言わずと知れた鮭の卵。

その鮮やかなオレンジ色は、まるで生命そのものをカタチにしたかのように輝く。

日立沖で採れたヒラメ。

スダチを絞って口に放り込む。

ヤバイわ、なにこれ。

なんでこんなに美味いのか?

ヒラメって平べったいくせに、侮れない。

カズノコの握り。

ニシンの卵を塩漬けにしたもの。

高級なネタであることは重々承知しているのだが、じつはそれほど「美味しい」とは思わない。

だって、カズノコってそんなにか?

そいえば、マンガ『美味しんぼ』の海原雄山のモデルにもなった食通の魯山人は「カズノコは、音を食うもの」とおっしゃられたそうで。

何とも粋な表現だが、でもそれはあくまで音に対する評価であって、けっして味が良いと評価しているワケではないんだよな。

マグロ赤身の握り。

鉄火巻きって、つまりはマグロとシャリと海苔。

マグロとシャリだけで構成される「握り」との大きな違いは、海苔の存在。

この海苔の存在をどうとらえるべきだろうか。

ある意味では握り寿司の完成形とも言えるマグロの握りに付けたされた海苔。

これをより美味くするためのプラス要素として肯定するのか、はたまた蛇足として否定するのか?

個人的には肯定派。

むしろ握りよりも鉄火巻きの方が好きかも。

中トロ。

大トロ。

たまらんね。

甘いタマゴ焼きはちょとしたデザート感覚。

寿司ネタではタマゴとイカが大好き。

いや、やっぱ寿司ってのはイイもんだ。

デザートのバニラアイス。

コーンフレークの上に乗ったバニラアイスに黒蜜ときな粉が振り掛けられていて、これがバニラアイスをグッと和風に寄せている。

文字通りのクールダウン。

いっしょに運ばれてきたのは熱いほうじ茶でフィニッシュ。

大満足。

鮨さゝ喜(ささき)の情報

鮨さゝ喜(ささき)の場所はこちら

駐車場はお店の前に7台分。

そのうち1つはお店のクルマ用の駐車スペースっぽいので、実質6台分。

 鮨さゝ喜(ささき)の基本データ 

 住  所 

 〒316-0013 茨城県日立市千石町1丁目4−8

 電 話 

 0294-35-9077

 営業時間 

 11時30分~15時00分
 17時00分~22時30分

 定 休 日 

 木曜日

鮨さゝ喜(ささき)のメニュー

※ 価格は2021年のもの。

 鮨さゝ喜(ささき)のメニュー 

 ランチメニュー 

 Aランチ
  1,100円
 Bランチ
  1,600円
 海鮮太巻きランチ
  2,200円
 特別ランチ(要予約)
  2,200円

 にぎり 

 並
  1,200円
 上
  1,700円
 上1.5人前
  2,500円
 特上
  2,850円
 本日のおすすめ
  3,500円

 ちらし 

 並
  1,200円
 上
  1,700円
 特上
  2,850円
 本日のおすすめ
  3,500円

 巻  物 

 海鮮太巻
  3,350円
 海鮮太巻ハーフ
  1,680円
 太巻
  1,450円
 太巻ハーフ
    750円
 鉄火巻き
  1,500円
 納豆巻き
  1,000円
 かんぴょう巻き
  1,000円
 カッパ巻き
  1,000円
 梅しそ巻き
  1,000円

 押し寿司 

 ばってら
  1,700円
 穴子の押し寿司
  2,000円

 そ の 他 

 お寿司屋さんの玉子焼き(要予約)
  1,700円
 自家製塩辛(100g)
    450円