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【トライベッカ】めちゃ美味でカジュアルに食べられるフレンチのお店!デートに良し、女子会に良し、ぼっちにも良し!なフレンチ@茨城県水戸市

今日のランチは、フレンチ。

フレンチってのはもちろんフランス料理のこと。

本日は、おフランスのお料理でおランチなんざます。

トライベッカ

やぁ諸君、ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

 

今日のランチは水戸のカジュアル・フレンチのお店、トライベッカだ。

ダイエットもかねて、自転車に乗って自宅のある佐和から水戸のトライベッカを目指す。

自宅からは、およそ10kmほどの距離。

外観

坂の途中でトライベッカの看板を発見。

葡萄の房と、その葉っぱにとまったトンボ。

紫色の版画のような、洒落た看板だ。

しかし看板はあるものの、ぱっと見ではお店らしき建物が見当たらない。

事前に調べてた情報では、アパートの1階部分を改装して営業しているとのことだった。

で、こちらがそのアパート。

階段の前に看板が出ているので、なんとなく「2階がお店なのかな?」と、勘違いしそうだが、お店は1階にある。

アパートの正面側が、お店の入り口。

ほどよく配されているグリーンがとてもいい感じ。

入り口の前には色々な鉢植えが置かれている。

入り口の扉のわきにかかる「YES, WE ARE OPEN」の札。

狙ったように光が差して札を明るく照らしている。なんだかカッチョイイ。

さっそく扉を開けて店に入と、とてもお美しい女性スタッフさんに出迎えられた。

笑顔がとても素敵だ。

店内の様子

開店直後のため、まだ客は誰もいない。

今のうちに店内の写真を思う存分に撮ることができる。

フレンチという言葉から連想するような、かしこまった雰囲気もいっさいなく、店内にはリラックスした空気が漂っている。

窓枠にはめられた窓ガラスを通して差し込む光は、まるで間接照明のように柔らかい。

要するに、なんというかイイ感じで大人っぽくておしゃれな空間。

2席だけのカウンター。

もちろん、ぼっちはこのカウンターへと通される。

カウンターの前には大量の白いお皿が並べられ、その上にはフランスのトリコロールカラーが入った白い布巾が掛けられている。

本日のお魚料理は「真鯛のポワレ 和風バルサミコソース

真鯛は大好きな魚。

でもって、本日のお肉料理は「豚肩ロースのコンフィ 粒マスタードソース

さっそくメニューを拝見。

ランチはシンプルに4つ。

本日のお魚ランチ、本日のお肉ランチ、パテドカンパーニュのプレート、ランチコース。

ランチコースは、お肉料理と魚料理のハーフ&ハーフ。

オーダーを取りに来てくれた、例の美しい女性スタッフさんに、ランチコースに注文をする。

デザートには「ゴルゴンゾーラのチーズケーキ」を注文。

 

ゴルゴンゾーラはイタリアのブルーチーズで、いわゆる青カビのチーズ。

まるでカツオの酒盗を固めたような味がして、けっこうクセが強く、個人的にはブルーチーズってのがどうも好きになれない。

はっきり言ってブルーチーズが美味しい食材とは思えない。

あれはヤバい。

 

そのため、逆にゴルゴンゾーラを使ったチーズケーキってものに、強烈に興味をそそられた。

あんな臭くて塩辛いブルーチーズを使ったケーキってどんな味がするのだろう?

そんな怖いもの見たさもあって、ゴルゴンゾーラチーズのケーキというものを食べてみたくなったのだ。

 

さて次はケーキに合わせるドリンクを選ぼうか。

しかしコレというのが決められない。

なので、おススメを聞いてみる。

そうですねぇ、デザートがゴルゴンゾーラのチーズケーキなので、コーヒーが合うと思います

へぇ、コーヒーが合うのか。

でも、なんだか普通だよな。食後にコーヒーって。

でもせっかく相談した手前もあることだし、他のドリンクを頼むのもなんだか悪い気がする。

なので、オススメされるままに、ドリンクはアイスコーヒーをお願いした。

グラスの感じがイイ物感だしている。

もしかしたら、バカラとか、そんな感じのグラスかもしれない。

小さなグラスを取ってみると、実にしっくりと手に馴染む。

しげしげとグラスを観察している間に、次々と客が来店してきて、あっという間にすべての席が埋まる。

早い。まだオープンしてから10分ほどなのに。

お客さんの年齢層は割と高め。

ほぼ9割は女性客のようだ。

カウンターは、職人の仕事を目の前で楽しめる最良の席。

相撲で言えば塩かぶり。いわばアリーナS席

料理人の仕事っぷりってヤツを、間近で存分に楽しめるのがカウンターの良いところ。

ご主人は1秒たりとも無駄にしないあざやかな動き。

その後ろ姿がカッチョイイ。

ランチコース

さっそく麗しいマドモアゼルがスープを届けてくれた。

ふーん、さすがはフレンチ。カウンター越しに「へい、お待ち!」とはやらないんだな。

カブとカリフラワーのポタージュです」と、そっとお皿をおいてくれた。

へぇ、カブとカリフラワー? そりゃまた洒落てる。

カウンターの端にはグラスに入った照明が置いてあり、雰囲気造りに一役買っている。

そうだ、これらいの照明がちょうどいい。

カトラリーはシンプル。

肉用、魚用、デザート用なんて面倒くさいことは言わない。

切る、刺す、掬う。ための3つの道具。これならばフレンチ初心者の私でも迷うことがない。

シンプルでありがたい。なにより潔し。

さっそくスプーンですくって口の中へ。

おお、このポタージュ、ほんとにカブの味がする。

カブの風味のポタージュなんて初めてたべた。

ああ、なんだか頬が緩む。

ちゃんとカブの味がして。そして美味しい。

このポタージュはとても丁寧に作られていて好印象。

これは他の料理も期待できる。

ありがたいことにお箸も完備。

ほんと、気取りがないって素晴らしい。

続けて5種類のオードブル。

お料理を運んでくれたマドモアゼルは、配膳の際に一品一品について、とても丁寧に説明をしてくれた。

しかし聞きなれない単語と言うモノは、なかなか覚えることが出来ない。

たまらず、一生懸命に説明してくれているスタッフさんを遮る「あ、すみません、ちょっと待ってください」と。

そしてボイスレコーダーのスイッチを入れる。

説明の途中に遮られたにもかかわらず、麗しのマドモアゼルは嫌な顔一つせずに、また、あらためて1から説明を繰り返してくれた。

「こちら豆乳とクリームチーズのムース、スナップエンドウのソースです」

「そのとなりがフランというお料理で、こちらは洋風の茶碗蒸しです。上の粒々はマスタードなんですけど、こちらタスマニア産のマスタードを使っております」

「こちらがヒラメのカルパッチョ

「こちらはケークサレというお料理で、甘くないパウンドケーキようなもので、スモークサーモンとディルという香草を練り込んでおりまして、ディルというのは、ちょうどこちらのヒラメにのっているものになります」

「こちらが、えっとカボチャのサラダになります」

その説明はとても丁寧。

かたじけない。

まずはこいつから行ってみよう。

豆乳とクリームチーズのムース、スナップエンドウのソース。

前菜の皿の上に乗っていた小さなスプーンで一口。

ふむむ・・・美味い。

スモークサーモンとディルのケークサレ。

お店の方の説明では甘くないパウンドケーキとのこと。

まずは一口。

ああ! これ美味しいやつだ!

そのお味は確かに食感はパウンドケーキそのもの。しっかりとスモークサーモンがその存在をアピールしている。

ちょっと変わった風味がするのはディルっていう香草のせいなのだろうか?

いや、美味いなーこれ。

なんならコッペパンくらいのサイズで2、3本いけちゃいそう。

彩りがとても綺麗。

こちらはフラン。

続いて洋風茶碗蒸しフラン。真ん中にはタスマニア産のマスタード。

市販の粒マスタードよりだいぶ大きい。はっきりと大きい。

マスタードについて調べてみたら、タスマニアはマスタードの名産地なのだそうで。

で、そのタスマニア産のマスタードはマイルドながらクセになるよな後引く独特な刺激。

ブチっとした食感で、和ガラシのような荒くてトゲの立った辛味は全くない。

あ、これいい。ウインナーのような油ギッシュな食材をピリッと絞めるのに使えるのはもちろん、そもそもマスタード自体が美味しい。

とりあえず、洋風茶碗蒸しってやつを一口いただく。

ふんわりとした食感。

そしてこれがビックリするほど濃厚な味わい。

あらら、これ、うまい!

ここでお箸に持ちかえる。

ヒラメのカルパッチョ。

魚、それも生、さらにヒラメとくれば、こりゃ私の大好きなお刺身と同じ。

これならば、料理の良し悪しも多少は分かるかもしれない。なんせヒラメのお刺身だもんね。

カルパッチョ発祥の地イタリアでは、カルパッチョには生牛肉を使う。お魚を使ったカルパッチョは日本生まれ。

日本には魚を生食する文化があったためか、けっこうすんなりと日本の食文化に馴染んだイメージがある。

で、さっそくお箸を使って食べてみる。

で、やっぱり驚く。なんだろこれ。美味しい。

オリーブオイルとディル、それと何かのスパイスをまとったヒラメ。

美味いぞ、これ良くできている。魚それ自体も、もちろん美味しい。それにちゃんと考えて食材が組み合わされている。

当たり前だがこの料理、刺身とは全くの別ものだ。だってそりゃそうだ、これカルパッチョだもの。

刺身とは別の道を辿って「美味しい魚料理」の山頂に辿り着いたって感じの逸品。

カボチャのサラダ。

カシューナッツがのっている。

これも美味しい。

女性スタッフさんがやってきて、小さなメモをカウンターの端に置いて行ってくれた。

おや、伝票かな? と思い見てみると前菜の5品をわざわざメモに書いてきてくれた。

なんて素晴らしい気づかい。これはうれしい!

パン。

手前のパンはなんだろうバゲットって言うのものなんだろうか、パリっとカリっとした食感。

その後ろのまーるいパンはふっくらとした食感。

2種類のパン。

どのように食べ分けるのが正解なのか分からないまま、とりあえずパンの美味しさに引っ張られる形でペロっと食べちゃう。

メインは2つ。本日のお肉料理と、それから本日のお魚料理。

そのメインの1つ、本日のお魚料理が登場。

こりゃなんとも洒落てやがる。

大きなお皿の中央に、ちょこんとのった真鯛のポワレ。

よし、ここはお箸の出番だ。

真鯛のポワレ。

お箸をつかって身をほぐしてお口の中へ。

あれ? なんだこれ?

鯛の香りがとてつもない!

鯛の皮は火を通すと、独特の香りがする。それにバーナーで皮目を炙った刺身なんてあちこちの店でよく目にする。

しかし困ったことに、この鯛独特の香りは長持ちしないのが普通だ。鯛の香りには持久力がない。それが普通だ。

私が知っている鯛は、バーナーで炙った瞬間が一番強烈に香りを放つ。

しかし時間の経過とともに、鯛の香りは弱くなっていく。

あっけなく消えていくのが真鯛の香り。

しかしこの真鯛のポワレ、あの儚い鯛の香りが濃厚に残っている。

火を通したばかりのような強い香り。こんなに香りがする真鯛の料理って初めてだ。

すげーな、フレンチ。

その技法はまるで未知のテクノロジー。

それにこのバルサミコソースのまろやかな酸味がとてもいい。

和風バルサミコソースってんだから、たぶん醤油かなにかが入ってんだろうな。

ここの鯛のポワレは、この皿の中の舞台にふさわしい主役。

スポットライトを独り占めする資格十分。

それにしても、ソースに混じる赤い粒々はなに? この赤い粒のスパイスが要石。

これが和と洋の瀬戸際に立っていて、この絶品の真鯛料理をぐぐっとフレンチに寄せている。

この赤い粒はたしかヒラメのカルパッチョでもお会いしたはずだ。

さながら名助演女優。自らは1歩下って、主役の真鯛を十分に引き立ててくれている。

オレンジ色のソースに真鯛を絡める、すると真鯛はまた違った美味しさを見せる。

こりゃ無条件で御飯がほしくなる。

真鯛の切り身に隠れていた付け合わせ。

鮮やかなグリーンは菜の花のつぼみか?

ヤングコーンをたすき掛けにしているその姿は、いい意味でなんだかミスコンのエントリーぽい。

ほろ苦いつぼみが、もうすぐそこまで来ている春を知らせてくれているようだ。

真鯛のポワレ、美味しい。

ポワレってのがいったい何者なのか、どんな調理法なのかも知らないフレンチ弱者も唸るほどの美味さ。

これこそプロの味だね。こんなの真似できないわ。できっこない。

続いてはもう一つのメイン。

本日のお肉料理、豚肩ロースのコンフィが舞台に登場する。

付け合わせの芽キャベツ。

芽キャベツだよねコレ?

10年ほど前に家庭菜園でこの芽キャベツってやつを育てたことがある。

普通のキャベツより小さいことは承知していたが、いったい何時収穫をすればいいのか分からないまま、いつの間にか土に還っていった私の芽キャベツ。

なるほど、こんなに小さいうちに収穫するのが正解だったのか。

フォークで刺して口に入れると、あらこれキャベツだ。まんまキャベツの味だ。まるごとキャベツの味だ。美味しい。これは何個でもいけちゃう。

なるほど。芽キャベツってこんなに美味しいのか。

勉強になる。もう自分で育てることはないだろうが、また食べたい。

ムラサキイモ。

こちらの豚さんもなかなか良い味だ。

浮ついたところがない。まっすぐな豚の美味さが味わえる。

一応はナイフとフォークで頂いたのだが、ナイフなんてまったく必要ないくらいにホロホロと肉がほぐれる

美味い。柔らかい。そして豚の味が濃い。

しかし人間ってやつらは豚肉を柔らかくしたがるのだろう?

そりゃ美味しいからに決まっているわな。

ゴルゴンゾーラのチーズケーキ。

不思議な感触のフォーク。

金属製なのに、軽くてやわらかい手触り。

このフォークは何でできているのか謎だ。

これは不思議フォーク。

ケーキの上にはカシューナッツが降られていで、さらにとシュガーパウダーとハチミツがまわし掛けられている。

あ、これ、チーズの香りがすごい。

これはチーズが苦手な人はこれは食べられないだろうな、いやチーズが苦手ならチーズケーキなんて初めから注文しないか。

さっそく不思議フォークをケーキに差し込む。

ぷすーっとフォークが入っていかない。ケーキはググっとフォークを押し返す。

おいおいおい!? 何だこのケーキ?

めちゃ身がしまっている。筋肉質なケーキだ。

細マッチョなケーキだ。

ものすごい密度で、ズッシリと重い。

不思議フォークの侵入を拒むマッチョなケーキ、それでも無理やりフォークを押し通して、一口分を切り分けて頬張る。

おおっと、このチーズと乳脂肪のコクがすごい。こりゃ特濃だ。

こんなにチーズが濃いチーズケーキなんてあるか!?

ブルーチーズの強いクセは柔らかく変化して独特の風味に昇華されている。

私はブルーチーズのことをずっとずっと「不味い」と思っていた。ブルーチーズは塩辛くて臭い。

しかし、その不味いはずのブルーチーズ、ゴルゴンゾーラで作られたチーズケーキが美味い。

強いクセが、なぜかなんでか「美味しい風味」となっている。いったいなんで?

目の前のチーズケーキからは、あのカビっぽいブルーチーズの匂いはしない。

それどころか、あのクセの強いニオイは、極上のデザートに欠かすことが出来ない「香り」へと昇華されている。

おー、やるじゃんゴルゴンゾーラ。なんだかドラクエのボスキャラっぽい名前のくせに。

そしてケーキに回しかけられているハチミツがこれまたいい。

ハチミツがシュガーパウダーとはまた違った甘さを演出してくれている。

それでいて甘さ一辺倒になっていないのはチーズの酸味によるものなのかな。

ケーキに添えられたフルーツは見た目も華やか。

濃厚なチーズケーキに対して、このベリー類の甘酸っぱさがいい。

甘さに対する酸味のカウンター・パンチが見事に炸裂している。

こりゃお見事。

カシューナッツのカリっとした歯ごたえが食感に変化にを与えてくれる。こういうのがアクセントってやつなのか。

これ、このケーキは良くできてんなー。

使われている食材の一つ一つにちゃんと意味と役割がある。

ノリや、雰囲気や、ただ何となくで食材を選んでないって感じ。

厳選した食材。厳選したアクターだけがこの小さな舞台に立っている。

いや、ホントよく考えられているな、このチーズケーキ。

これはすごい。

真っ赤で細~いストローがぶ刺さったアイスコーヒー。

洒落てるね、なんて思いつつ、チューっと真っ黒な液体をすする。

と、これがまたケーキに良く合う。

おもわず笑っちゃうくらいに良く合っている。

コーヒーが口の中をさっぱりと洗い流す。それは想定内。しかし、それだけじゃなくて、コーヒーの苦味がケーキの甘さとコクを引き立ててくれる。

このトライベッカの「ゴルゴンゾーラのチーズケーキ」には、コーヒーがベストマッチ。

どんぴしゃりだ。

この組み合わせを勧めてくれたマドモアゼルに大感謝。

見た目は普通のサイズのケーキだが、なにせ密度が桁違いだし、チーズの風味がメチャ濃い。

じっくりと少しずつ食べて、コーヒーを少しずつ飲む。

カツオの酒盗で日本酒を飲っているようだ。

この組み合わせの妙をじっくりたっぷり時間をかけて楽しむ。

ああ至福。福に至った。

フレンチ侮りがたし。恐れ入った。

最初はメニューに掲げられたランチコースのお値段に「お高い」という印象を受けたが、食べ終わってみれば納得のお値段。

いや、むしろ安いのではないかとさえ思う。

どの料理も美味しかった。

特にケークサレ、洋風茶碗蒸しフラン、真鯛のポワレ、ゴルゴンゾーラのチーズケーキ。この4つは別格に美味い。

しかしフレンチ弱者で、しかも洋食弱者でもある私にとっては、その美味しさの元となっている食材が分からないのが少し悔しい。

ぜひお店の方にアレコレとお話を聞いてみたいのだが、ランチタイムど真ん中のこの時間。

料理を作るシェフも、それにホールを担当する女性もとても忙しそうで、とても話なんかする余裕はなさそうだ。

気が付けばだいぶゆっくりしてしまった。

帰りの準備を終えて席を立つと、件の女性スタッフさんがさりげなくレジに入っていた。

忙しいランチタイムの中にあって、それぞれのテーブルと、ついでにぼっちが座るカウンターにまでも気遣いが行き届いている。

都会的な華やかさと凛とした雰囲気があって、それでいて人当たりがとても柔らかい。

2回目

あの真鯛のポワレを再び食べたくなり、翌週もトライベッカでランチを頂くことにする。

お店に到着したのは午前11時30分をちょっとまわった頃。

すこし出遅れた。

扉には「ただいま満席です」の張り紙が。

あらら。

前に飛び込みで入店できたのは、たまたまラッキーだったってことらしい。

すごい人気だ

3回目

翌日は再びトライベッカを訪れた。

入り口の扉には「ただいま満席です」の張り紙。

へぇ、すごい人気だな。

しかし、私はこんな張り紙など気にしない。

なぜなら満席なかの1席は私のための席。そう、私がリザーブした席だ。

じつは前日のうちに予約の電話をしておいたのだ。

前日の女性スタッフさんとはまた別の女性スタッフさんに出迎えられる。おお、お美しい。ボンジュール、マドモアゼル。

今日も1番客なので、窓の向こうの写真を撮る。

そうしている間にも次から次へとお客さんが来店する。

本日のお魚料理は「魚介ムースのパイ包み焼き」。そしてお肉料理は「豚肩ロースのコンフィ」。

前の週と同じように美味しくて、前の週と同じように、なんだか気恥ずかしい気持ちにさせてくれるカブのポタージュ。

うん、やっぱ美味しい。

とても優しいくて丸い味わい。

この日の前菜5品はクスクス、ラタトゥイユ、ローストビーフ。そしてフランとケークサレ。

フランとケークサレはレギュラーメンバーなのだろうか。

だって美味しいもんね、フランとケークサレ。

クスクス。

この色は柴漬けによるものだそうで。

クスクスって北アフリカ、おもにモロッコの料理だと思っていた。しかもタジン鍋の料理だとずっと思い込んでいた。

あらためて調べてみるとクスクスとは、小麦粉を粒状にして作る最小のパスタなんだとか。

へぇ、これって、この粒々ってパスタなのか。

てっきりプチプチとした食感を予想していたら、そんなコトはないクスクス。

フレンチ弱者にはちょっと難しい味。

フレンチ強者の方だったらきっと「ほう、クスクスに柴漬けを和えましたか!」と、きっと膝を大きく打つに違いないのだろう。

しかし、こととらクスクスを初めて食べる身だ。

だからそもそものスタンダードなクスクスの味ってのが分からない。

そんなクスクス初心者の私にとっては、この料理はとても難しい。

己の勉強不足によって、この「柴漬けクスクス」の素晴らしさをお伝え出来ない。

じつに申し訳ない。

今回はなぜかパンケーキと紹介されたケークサレ。

安定の美味さ。

こちらも変わらずに美味い。

前菜5品のなかでもフランは間違いなく4番バッター。

「洋風茶碗蒸しフラン」この美味さの源、美味さの源泉を探り出したいと思い、じっくりじっくりと味わって食べた。

この美味さ、コクの正体はなんだろう?

いったいこれは、何に由来した美味さなんだろう?

ああ、そうだこの味は。おそらくこの美味しさの正体は魚卵だろう。魚卵が持つコクと旨味だ!

パン。

今日はソースを拭う用に温存。

前回はパクパクいっちゃったからね。反省して学習した。

これに手を付けるのはまだ早い。パンは温存だ。

本日のお魚料理「魚介ムースのパイ包み焼き」

バターの香りが鼻の奥をくすぐる。

このお皿がすごかった。

めちゃくちゃ薄い。

試しに横にスマホを置いて背を比べたら、スマホよりも皿の方が薄い。

皿というよりもほぼプレートだ。

バターの良い香り。

照りがいい。パイって、卵黄をハケで塗ったりするんだっけ。

包み焼きって、何を包んでいるのだろうと思ったらホウレンソウ。

パリッとした生地には何かが練り込まれている。

しかし、その練り込まれた何かが分からない。

分からないけれども美味しいのは分かる。

魚介ムースってのがまたウマイ。

この赤味は何に由来するのだろう。エビとかカニだろうか? 意外とパプリカって可能性もあるな。

しかし例によってさっぱり分からない。

あああ、ハーフサイズなのが悔やまれる。

これはまるまる1コ食べたい。

ズッキーニの黄色とムラサキイモ。

豚肩ロースのコンフィ。

前回とはだいぶ見た目が変わった。皿も変わった。

白くて大きなお皿。

一週間ぶりに再会した芽キャベツ。

キャベツって美味いんだなぁ。

肩ロースのコンフィ。

相変わらずのほぐれ具合。

ナイフいらず。

なのでお箸で頂く。やっぱ美味い。

カウンターの向こうにいた女性スタッフさんに声をかけてみた。

「お料理とても美味しかったです。あの特に洋風茶碗蒸しってのが美味しかったんですが、あれって何が入ってるんですか?」

女性は少々お待ちください、と言いってシェフに何事かささやく。

するとシェフがやってきた。「美味しいです」と伝えると「ありがとうございます」とまずは丁寧にお礼を返される。

続けて「フランはコンソメをベースにチーズ、生クリームなどを使っています。ちょっと和食なんかをかじってまして、どうしても茶碗蒸しをお店で出したいと思ってまして・・・」

なんかけっこうソフトな人だ。それで丁寧だ。

なんだか安心した。

それにしても、あのフランの美味しさの土台となっているのはコンソメ、チーズ、生クリーム?

なんだか意外と普通じゃんか。

どこでも手に入るごく普通の洋風の調味料や食材。洋食でコクを出そうと思ったら誰もが真っ先に思い浮かぶような食材ばかりだ。

何も特別なものって使ってないのか。で、あの美味さを引き出しているのか。

プロの料理人ってすげーな。

そして私が美味さの源と考えた「魚卵」という予想は見事に外れる。というか見当違いも甚だしい。

ポタージュを準備する様子。

ポタージュの鍋は直火には掛けず、お湯を張った鍋のなかで湯煎で温めている。

ずいぶんと手間のかかる事をするもんだ。

しかし、この手間が美味しいポタージュを作るのか。

納得だ。

いちごのタルトはその名に恥じぬイチゴたっぷり。

不思議フォークと再会。

このフォーク、ホントに不思議な感触だ。

またまた女性スタッフさんに声をかける「このフォークってチタン製ですか?」

するとスタッフさんは気の抜けたような声で「はい? ちた・・・ん?」

ああ、またやっちまった。

そりゃ、いきなりフォークの素材を聞かれれば、困るのは当然ってもんだ。

ぼっちの代表的な特徴の一つ、コミュ障。

ここはせめて「変わったフォークですね?」とか「面白い感触のフォークですね」とか、もっと間口の広いところから会話を始めるべきなんだ。

まずはそこから。

そして段々とステップを踏んで話の枝葉を広げてから「ところで、このフォークの素材ってチタンですかね?」と聞くべきだ。

それなのに、それらのステップをすっ飛ばして「このフォークってチタン製ですか?」と、いきなり素材の話題に限定するのは、あまりにも話が飛躍しすぎている。

きっとこの女性はこう思ったに違いない。

「チタンってもしかして有名な食器メーカーなのかも? いや、もしかしたらチタン星っていう星があるのかも?」

そう思っていることは、女性スタッフさんの困惑ぶりからもよくわかる。

この迷惑なぼっち客の戯言に困り果てた女性は、ふたたびシェフに何事か耳打ちする。

と、すぐにシェフがやってきた。

「あ、あのこれチタンかどうかちょっと分からないんですが、これ、コッタっていうサイトで買ったんです。手に持つと、おもしろい感じしますよね」

そうか、チタンかどうかは分からないのか。それにこのフォークを手に持った時の「おもしろい感じ」をシェフと共有できたのだ。

だからこの話題はこれで充分な成果を挙げたのだ。少なくとも私にとっては。

「これ、いいですね?」

「ええ、これ、いいですよね?」

「・・・」

「・・・」

と、コミュ障フルスロットルの会話はこれで終わった。

さて気を取り直してイチゴのタルトに取り掛かろう。

あ、やっぱ美味い。

トライベッカってデザートに力を入れているのかな。

ドリンクはジンジャーエール。

自家製の方を頼んだつもりだったが、たぶんこれは自家製じゃないほう。

ドリンクを注文する際に自家製のほう、と伝えていなかった。

おそらく目はメニューの自家製ジンジャーエールを見つつ、口のほうはジンジャーエールとだけ動いたらしい。

次こそは自家製ジンジャーエールを頂きたい。

今日もカジュアル・フレンチをたっぷりと堪能。

しかしカジュアルってレベルじゃないよな。トライベッカの料理って。

がぜんフレンチに興味を持った。フレンチってのもいいじゃない。

お会計をしてお店を出る。

また通いたいお店を見つけてしまった。

トライベッカの基本情報

トライベッカの場所はこちら

水戸駅から徒歩2km、25分。

偕楽園駅からは2.5km、30分。

駐車場は8台分。

道路に面した側と、その反対側にある。

※ アパートの住民用の駐車場と共同っぽいので、かならずトライベッカ用の駐車場にお止めください。

 できれば少数台のクルマに乗り合わせて来店することをお勧めします。

トライベッカの基本データ

 トライベッカの基本情報 

 住  所 

 〒310-0851 茨城県水戸市千波町1281−2 1F

 電  話 

 029-350-6220

 営業時間 

 11時00分~14時30分(L.O 13時30分)

 18時00分~22時00分(L.O 21時00分)

 定 休 日 

 水曜日

 公式HP 

 トライベッカのブログ

トライベッカのランチメニュー

※ 価格は2020年02月のもの。

 トライベッカのランチメニュー 

 パテドカンパーニュのプレート 

 季節のポタージュ
 前菜5種
 パン
 ドリンク

  1,650円

 本日のお魚ランチ 

 季節のポタージュ
 前菜3種
 パン
 ドリンク

  1,800円

 本日のお肉ランチ 

 季節のポタージュ
 前菜3種
 パン
 ドリンク

  1,800円

 ランチコース 

 季節のポタージュ
 前菜5種
 パン
 本日のお肉料理(ハーフ)
 本日のお魚料理(ハーフ)
 ドリンク
 選べるデザート

  2,500円

 デザート 

 ティラミス風チーズケーキ
    500円

 ガトーショコラ
    500円

 アールグレイのクレームブリュレ
    500円

 ゴルゴンゾーラのチーズケーキ
    500円

 本日のタルト
    500円

 ピスタチオアイス
    450円

 イタリアンマロンアイス 
    450円

 カシスソルベ
    450円

 ドリンク 

 ジンジャーエール

 オレンジジュース

 クランベリージュース

 パイナップルジュース

 マンゴージュース

 コーヒー

 紅茶

 カフェオレ

 ウーロン茶

 自家製ジンジャーエール +250円

 ホットジンジャー +250円

 単品ドリンク 

 ノンアルコールビール
    600円

 ノンアルコールスパークリングワイン
    600円

 グラスワイン スパークリング 白 赤
    850円 ~

 貴腐ワイン
    950円

 上記はあくまでランチメニュー。夜のメニューも気になるところ。