みんな大好き回転寿司。
食べるネタや食べる量を、自分の好みやフトコロ具合に合わせてアジャストできる。
言うなれば、誰もが自分にぴったりと合ったカスタムなお寿司を楽しめるってことで、これはまさに寿司のオーダーメイド。
その満足度はいつでも120%。
今回ご紹介する『一平鮨』も、そんな回転寿司のお店。
日立南ドライブイン 一平鮨
いつでも気楽に付き合えるのが回転寿司のいいトコロ。
それに安価でB級ジャンクなマヨネーズ物が頂けるってのが、個人的にはけっこうステキなポイントだ。
やぁ諸君ごきげんよう。
ぼっちメシ研究所のジャムだ。
外観
『一平鮨』は日立南ドライブインの中にある。
この日立南ドライブインには、飲食店4店舗と鮮魚売り場が設けられていて、そのすべてのお店は水産加工会社『飛勘水産』によって経営されている
よく見ると「回転寿司」ではなく「回天寿司」と書かれている。
ほう、回るのは寿司ではなく天のほうってわけね。
ま、天が回ろうが、地が回ろうが、運命の歯車が回ろうが、美味しいお寿司を食べられるなら何が回っていようがこっちは構わない。
店内の様子
明るい店内。
お店に伺ったのがお昼時をだいぶ過ぎた午後3時だったためか客は少なく、カウンター席にはぼっち客の姿がチラホラ見えるだけで、ボックスシートに座る客の姿は無かった。
天ではなくレーンが回る。
しかし、レーンの上には寿司が流れていない。
新型コロナウイルス対策のため、注文は紙に書いていて板前さんに手渡しするシステムとなっていた。
板前さんは2人体制で、注文の受付けと調理をテキパキとこなす。
注文票1枚につき2品まで注文可能。
ネタと枚数、それにワサビの有無を記入したら、レーン向こうの板さんに手渡す。
こちらがメニュー。
この日はなんとなくマヨネーズ物やサーモンが食べたかった。
なのでさっそくサーモンのラインナップをチェック。
- 焼きサーモン 94円
- トロサーモン 127円
- オニオンサーモン 187円
- 生サーモン 385円
なんとサーモンだけで4種類もある。
生サーモンがトロサーモンよりも高額なのはなんでだろ?
裏面は本マグロの握り各種とサイドメニュー、それにドリンクなど。
お持ち帰り用のメニューも豊富。
1回目
まずは『焼きサーモン』94円を注文。
これで100円を切るのか、すごい。
シャリは多めで、そして温度がわりと高め。
こちらは『トロサーモン』 127円。
トロというわりには脂っぽい感じはなく、むしろあっさりさっぱり。
炙りサーモンとの違いがよく分からないが、これはこれで美味い。
ほんとはオレンジ色のサーモンが食べたかったんだけれど『トロサーモン』と『炙りサーモン』は、どちらもイメージしていたサーモンとちょっと違う。
しからば次は『生サーモン』を行ってみよう。
とうことで生サーモンを注文してみると「あぁー、生サーモンは終わっちゃったんですよー」と板さんがすまなそうに謝る。
あらら。
ま、無いものはしょうがない。サーモンは諦めてマヨネーズ物へとターゲットを変更する。
『ツナマヨ軍艦』94円。
それにしてもツナマヨと白飯の相性の良さと来たらどうだろう。
この最高で悪魔的な組み合わせ。いったい誰が考えたのか。
美味すぎて、いくつでも食べられそうで、なんだか恐ろしくなる。
白飯とツナマヨ、本来なら出会ってはイケない危険な組み合わせなんじゃないだろうか?
それはまるでベッキーとゲス乙女、東出昌大と唐田えりか、矢口真里とクローゼット男。
しかし2人は出会ってしまったのだ。
ああ、ツナマヨ美味し。
なんて罪深い味。
続いて『エビマヨ軍艦』127円。
これもやばい。美味すぎる。
もし許されるのであれば、こいつと一生を添い遂げたい。
そんな風に思わせてくれるのは『エビマヨ軍艦』、お前だけだ。
『アナゴ』187円。
このアナゴの握り、ふっくらとはしていないが、でもけっこうイケる。
『トロたく巻き』275円。
その昔、寿司が初めて海外へと進出したとき、現地の人々からとても評判が悪かったのが海苔巻きだった。
海苔を食べなれていない海外の人々には、真黒な海苔はまるでカーボン紙のように見えて、とても気味悪がられた。
初めて海苔巻きを目にした客たちは、外側に巻かれた海苔を剝がしてから食べていたそうだ。
うーん、なんというか「海苔巻き」のアイデンティティーを根底から覆しかねないむごい扱い。
しかしそれでも海を渡った寿司職人たちは諦めなかった。
なんとか海苔巻きを食べてもらおうと、職人たちは試行錯誤を繰り返し、そして生まれたのが海苔を米の内側に巻く「裏巻き」。
そんな裏巻きヒストリーを踏まえて、このトロたくですよ。
米はトッピングのようにまばら。
かつての先人たちの努力を考えると、思わず悲しくなるようなルックス。
ちなみに巻き物は板さんではなく、調理場のスタッフが担当しているようだ。
さて寿司と言えばマグロは外せない。
当店一押し『本マグロ三種盛り(大トロ、中トロ、赤身)』 704円を注文。
こちらが『本マグロ三種盛り』。
左から中トロ、赤身、大トロ。
ちょっと大トロはあまり大トロっぽくない見た目だ。
大トロってもっと淡い桜色をしているもんだと思っていた。
「江戸前寿司の仕事」という言葉がある。
ここでいう仕事とは、ネタに様々な調理や下ごしらえをすることで、たとえばネタを醤油ダレに付け込んだり、酢でしめたり、蒸したり、煮たりといったもの。
さて、ネタにわざわざ「仕事」を施すのはなぜだろう?
それはもちろん魚介類をより美味しくするため、でもあるのだがもう一つ重要な目的がある。
それは少しでも魚を日持ちさせるってことだ。
なんといっても寿司が生まれた江戸の世では、魚を冷蔵冷凍して保存する技術なんて無かった。
そこで寿司屋における商品の寿命、つまりネタの鮮度をより長く保つために編み出された様々な工夫が「寿司屋の仕事」だ。
現在は冷蔵・冷凍技術の発達により、江戸時代では考えられないほど長期間にわたり魚の鮮度を保つことができるようになった。
冷凍技術は、江戸時代の寿司職人が夢にまでみたテクノロジー。
魚を冷凍するといことは、日持ちさせるという観点で見ると、もしかしたら「寿司屋の仕事」の究極の進化形かもしれない。
しかし、冷凍技術だけでは不十分だ。
それだけではまさに片手落ち。
なぜなら冷凍した食材はそのままでは食べることができない。必ず解凍をしなくてはならない。
つまり冷凍するという仕事は、解凍という仕事が対で必要になる。
冷凍と解凍の、その2つの歯車がかみ合って初めてこの「仕事」は完成する。
なんでそんなツマラナイことを書いたのか?
それはこのマグロの解凍がまったく不十分だからだ。
大トロは、まるでシャーベットのようなシャクシャクとした食感で、噛むたびにいちいち舌に痛い。
これだけ冷えていると「トロの脂が舌の上とろける」なんてのは夢のまた夢。
このマグロの質が良いだけに、この仕事の仕上がりはとても残念だ。
もうちょっと解凍にも気を使って欲しい。
気を取り直して次の注文。
座った席の真後ろの壁には「本日のおすすめ」が書かれたホワイトボードが掲げられている。
距離が近すぎて全体を撮ることができなかった。
気になったのは『金目鯛』495円。
さっそく注文する。
「はいよ、キンメお待ち」と手渡された金目鯛の握り。
これもまたネタがデカイ。
デロデローンと皿の上に乗った金目鯛の切り身はなんだかだらしがない。
あまり期待せずに食べてみると、これがめちゃくちゃうんまい!!
脂の乗った白身の美味さ甘さが口の中でスプラッシュする。
このデロンと大きな握りはある種のパフォーマンスの一部なのだろうが、もしこの大きなネタを2貫に分けてくれたなら、いっそう食べやすくなってもっと良かった。
でも、いや実際、贅沢な握りだなよなぁコレ。
美味い。
ふいに隣の客がエビマヨを注文する。
それに釣られてなんだかもう一度エビマヨが食べたくなり、注文票にエビマヨと書いていると、奥の厨房から「エビマヨ、やま(売り切れ)でーす」との声。
へぇ、エビマヨ大人気なんだな。
売り切れなら仕方がない。ということで本日2皿目の『ツナマヨ軍艦』を召喚した。
あ、やっぱうめぇ!
最後に大好きな玉子を注文。
ん-、あぁ~・・・玉子が冷たい。
なんで玉子まで冷えてんだ?
この日のお会計は2,000円ちょっとだった。
2回目
長崎県産本マグロの魚拓がお出迎え。
その下には「本日のおすすめ!!」のホワイトボード。
注文は前回と同様のシステム。
つまり手元の注文票に食べたい寿司を書いたら目の前の板さんに手渡し、そして出来上がるのを待つ。
このシステムが少々まどろっこしく感じる。
レーンに握りの乗った皿が回っていて、それを気の向くままに取って食べるという一般的な開店寿司より、ちょっとばかり食べるテンポが悪いのだ。
それに板さんは透明なビニール手袋をして調理しているんだけれども、注文を書いた紙を受け取るときもビニール手袋を付けたままだった。
はたしてあの手袋や、この注文システムには感染予防に十分な効果はあるのだろうか?
まずはコーンマヨ、エビマヨ、鉄火巻き、生サーモンの4品を注文。
前回は売り切れのため食べ損ねた『生サーモン』385円。
まさにこんなオレンジ色のサーモンが食べたかったんだよ。
それにしても生サーモンてけっこうイイお値段するんだな。ヒラメやマダイと同じランクなのか。
ここ一平鮨は普通の寿司屋よりシャリが大きめなんだけれども、そのシャリをすっぽりと覆うほどサーモンの切り身は大きい。
いや、頑張ってんなぁ。
サーモン、めちゃくちゃ美味い!
淡水に住むサケには寄生虫がいる危険性があるため、生では食べることができない。
そのため古来日本では、サケに火を通して食べてきた(あとルイベ?)。
しかし近年、ノルウェーが海水を使ったサーモンの養殖に成功し、寄生虫のリスクが無く「生食できるサーモン」が流通するようになった、なんて話を聞いた。
当然のことながら北欧ノルウェーでは、サーモンを含めて魚を生で食べる文化はない。なのに、そんなノルウェー人がナゼにわざわざ生食用のサーモンを養殖するのか?
なんでもその理由は日本のマーケットのためなんだとか。
ようするに、サーモンは日本でものすごく消費されるってことなのかね。
とりあえず、ありがとうノルウェー。
生サーモン、マジで美味しいです。
奥の調理場から巻き物3つが同時に運ばれてきた。
『鉄火巻き』187円
この鉄火巻きが予想外に美味い。
いやホントこれ、すんげー美味いでやんの。
なんだこれ
これで187円なの?
これ、バリューあるな。
こちらは『コーンマヨ』94円。
これはこれで美味しいのだけれども、たぶんコーンって、米よりもパンのほうが相性が良い気がする。
少し物足りなく感じるのは動物性タンパク質が無いからなのか。
エビマヨ。
やっぱり美味い。
それにしてもマヨネーズってのは実に革命的だ。
江戸時代から続いている寿司という食文化に、新たな進化の方向性を与えたような気がしなくもない。
マグロの鉄火巻きが美味すぎたので、同じマグロつがりで『赤身の握り』も食べてみたくなった。
おススメと書かれた赤い字がじつに頼もしい。
『マグロ赤身の握り』187円
皿の直径とほぼ同じ大きさのマグロがどどーん。
しかし、こっちは鉄火巻きに比べると、そんなに・・・そんなだった。
いや、普通以上にちゃんと美味しいんだけれども。
なんだろう? ネタとシャリのバランス的な何かだろうか? この赤身の握りにはさっきの鉄火巻きのようなオドロキはなかった。
おすすめのホワイトボードに『ほっけ』を発見。
ホッケの握りってめずらしいな。いっちょ食べてみよう。
皿からはみ出るほどの大きさの『ホッケの握り』385円。
ホッケの干物を焼くと脂がジュージューと出るから、この握りも脂っぽい味を想像していたけれども意外とさっぱり淡白な味わいで美味い。
わちゃわちゃーっとした見た目のコレは『オニオンサーモン』。
どこからどう食べれば良いのか分からない。醤油の付けかたも分からない。
とりあえずそのまま口に放り込む。
うん、なるほど。味の方もわちゃわちゃーっとしているな。
炭水化物と資質と塩分の結合体。
サーモンの味はどこかに紛れてすっかり消息不明。
『ヤリイカの握り』
これといった華もなく、いつも地味なポジションにいるイカだけれど、自然な甘みと旨味がしっかりと感じられて、
それにしてもイカってなんでこんなに美味いんだろう?
そしてなんで骨が無いんだろう?
それになんで足が10本もあるんだろう?
あと頭が△なのはなんでだろう?
この『エンガワ』はヒラメではなくカレイ。
コリコリ感はあるものの、だいぶ水っぽくて旨味も少ない。
このチョイスはちょっと失敗だった。
こちらも本日のおススメの『イワシ』94円。
特有の魚臭さが出やすい青魚だが、ネギとショウガが頑張っている。
イワシの身は厚くてデカイ。
十分に脂がのっていて、イワシって魚の美味しさを再認識。
これが94円って素晴らしすぎる。
そろそろお腹もいっぱいになってきた。最後にもうひとつ頼んで終わりにしよう。
さて何を注文しようかと思案していると『ウニ』のポップを載せた皿が回ってきた。
本日のおススメの北海道産のウニか。
これはきっと天の啓示ってやつだ。無視することはできない。
本日のおススメ北海道産の『ウニ』704円。
こいつがたまげた逸品なのでした。
シャリはかなり少な目。
海苔でできた壁の内側には驚くほどたっぷりとウニが詰まっていて、まるで「ウニの海苔巻き」といった感じ。
小皿の醤油に付けて頬張ると、うひゃー、こりゃスゲー。
口の中は圧倒的なウニ感で満たされる。
なんともリッチ。
ここまで贅沢にウニを使った軍艦巻きはなかなかお目にかかれない。
大満足。
ウニの余韻に浸りながらお会計をして店を出た。
総じてレギュラーメニューよりも、ホワイトボードに書かれた「本日のおススメ」がイイ感じだった。
日立南ドライブイン 一平鮨の基本情報
日立南ドライブイン 一平鮨の場所はこちら
大型の駐車場は広びろとしていてトラックも停められる。
ただし連休などはかなり込み合うのでご注意を。
住 所
〒319-1234 茨城県日立市大和田町2173
電 話
0294-28-1015
営業時間
11時00分~15時00分
定 休 日
月曜日
日立南ドライブイン 一平鮨のメニュー
※ 価格は2021年のもの。
94円
焼きサーモン
たまご
いなり
納豆巻き
かんぴょう巻き
かっぱ巻き
ツナマヨ軍艦
コーンマヨ軍艦
127円
やりいか
トロサーモン
ねぎとろ軍艦
エビマヨ軍艦
海鮮サラダ軍艦
187円
まぐろ赤身
蒸しエビ
つぶ貝
穴子
たこ
オニオンサーモン
鉄火巻き
イクラ軍艦
275円
バチマグロ中トロ
旨!!生海老
トロたく巻き
385円
ホタテ
生サーモン
495円
逢い盛り(うに・いくら)
605円
親子サーモン
いくら豊漁盛
おすすめ三味シリーズ
本マグロ三昧(大トロ、中トロ、赤身)
704円
軍艦三昧(うに、いくら、ねぎトロ)
495円
マヨマヨ三昧(エビマヨ、コーン、海鮮サラダ)
187円
厳選本鮪
本鮪特選大とろ
605円
本鮪大とろ
704円
本鮪中とろ
495円
本鮪赤身
275円
本マグロ三種盛り(大トロ、中トロ、赤身)
704円
サイドメニュー
自家製厚焼き玉子
275円
ソフトクリーム
310円
天ぷら盛り合わせ
510円
茶碗蒸し
230円
飲み物
ドリンクバー
160円
ノンアルコールビール
310円
生ビール(中)
520円
エビスビール(中瓶)
590円
地酒十王蔵特別純米酒
320円
地酒十王蔵純米大吟醸
1,330円
生酒(松竹梅)
670円
ハイボール
380円
焼酎「ごぶごぶ」割り
510円
サワー各種
320円