【クンシャーン タイレストラン】辛さ控えめでマイルドなタイ料理から、果ては地獄の釜茹でのような極辛タイ料理まで@茨城県日立市

日立市の常陸多賀(ひたちたが)地区は、なぜかなんでかイタリアン・レストランの激戦区

あまたのイタリアン・シェフたちが、しのぎを削る。

イタリアン戦国時代のような常陸多賀。

その常陸多賀に、ただ一軒だけ、タイ料理の店がある。それがクンシャーン タイレストラン。

クンシャーン タイレストラン

やぁ諸君ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

 

前から気になっていたクンシャーン。

イタリア料理店ばかりの常陸多賀にあって、唯一のタイ料理店。

これは気になる。気にするなって方が無理だ。

クンシャーンを最初に訪れたのは、3月の上旬。

通りを行く人がまったくいないのは、新型コロナウイルスがその猛威を存分にふるいはじめたから、ではない。

常陸多賀に限らず、茨城県はいつでもどこでも、だいたいこんな感じだ。

とある用事で常陸多賀に行くことになった日。

近くのコインパーキングにクルマを停めて歩く。

JR常磐線の常陸多賀駅前を通って、下り方面(いわき方面)に歩くと、5分ほどでクンシャーンに到着。

かわいいゾウさんが目印。

そのゾウさんが誇らしげに鼻先で料理を掲げている。

独特な色彩の組み合わせがとてもステキ。

店内の様子

お店に入ると、マスク姿の女性に「コップンカー」と、にこやかに出迎えられる。

タイのかただろう、優しい笑顔のエキゾチックな美人。

ぼっちの習性で、ついカウンターのお一人様用の席を探してしまうが、しかし店内にはカウンター席はなく、すべて4人掛けのテーブル席。

身の置き所に困り、モジモジしていると「どちらでもどうぞー」と、テーブル席をすすめてくれた。

開店直後に入店したが、すでに男性客がいらっしゃる。

壁にもゾウさん。

クイと上を向いた鼻先がハンガー代わり。

スパンコールなゾウさん。

ママさんがお冷をテーブルに置く。

実にお美しい方だ。

こんな美人さんが運んでくれたお水は、きっと特別に美味しいに違いない。

さて、さっそくメニューを拝見。

カオマンガイ。

なんだかこいつが気になった。

このカオマンガイと、目が合ったような気がした。

今日の胃袋に声をかけて来たのは、きっとこのカオマンガイだ。

間違いない。こいつを注文してみよう。

ランチメニューは、+450円(税別)で麺皿ハーフサイズが追加できる。

選べる麺皿の種類はトムヤムクン。悪くない。タイ料理のといえばの王道中の王道。

しかし、クイティアオセンレックがやたらと気になる。

ここはちょっと冒険して、このクイティアオセンレックを注文してみよう。

注文を済ませた後は、お茶を物色する。

ありがたいことにお茶は無料。

しかもティーバッグは豊富に用意されていて、目移りしてしまう。

そのすべてが、清潔な瓶に詰められている。

しかし、あまりの選択肢の多さによって、最初の一杯のお茶を選ぶことが出来ず、思考の迷宮へと迷いこむ・・・

どくだみ茶。

いや、どくだみ茶はパスだ

幼少のころ、自転車ですっころんで、どくだみが群生する草っぱらにつっこんで派手にコケた。コケまくった。

その結果、全身がどくだみの匂いまみれになったことがある。

どくだみの青臭い独特の香り。

あの匂いはイヤな思い出としっかりと結びついている。イヤな思い出がよみがえる。

パスだ。どくだみ茶はパスパス。

思い出したくもない。

ジャスミンティーも悪くない。

バタフライピー。

国営ひたち海浜公園ではネモフィラブルー・ティーの名で売られているバタフライピーのお茶。

しかも、国営ひたち海浜公園でネモフィラブルー・ティーを飲むと、なんと500円もの大金をぶんどられる

ずいぶんと吹っ掛けやがる。

しかし、ここクンシャーンにでは、ランチを注文した客にはバタフライティー無料で提供されるってんだから、タイの懐の深さに驚かされる。

ちなみにバタフライピーはタイが原産国。

アントシアニンというポリフェノールの一種を豊富に含んでいるバタフライピーは、美白・美肌効果があるそうで、原産国のタイに限らず、世界中の女性たちの人気を集めている。

テーブルのすみに、ひときわ目を引く木製の箱。

お釈迦様だろうか?

胸元に差し出した右手のニュアンスが「なんとなくおネエっぽいなぁ」と思ってしまうのは、きっと私がバチ当たりなせいなのだろう。

ありがたい木箱のフタを開けると、中にはカトラリーが入っている。

スプーンにフォーク。

左端の棒はマドラーかと思いきや、その正体はお箸。

店内の装飾はアジアンテイスト満点。

クッションも、なんとなくアジアン・リゾートの感じがある。

壁には、やたらとイケメンなゾウさん。

涼し気な目元。ゾウ界の杉良太郎といったところか。

この流し目に、一発でハートを持っていかれた。

カオマンガイとクイティアオセンレック

 

ゾウさんの流し目にドキドキしている間に、料理が運ばれてきた。

カオマンガイが主役のなのだが、クイティアオセンレックが気になってしょうがない。

なので、だから写真もクイティアオセンレックが中央。

そんな感じの写真になった。

で、こちらが主役のカオマンガイ。

綺麗な盛り付けかた。

カメラのレンズを近づけると、美味そうな香りが鼻をくすぐる。

ワンプレートにサラダも盛り付けられている。

キャベツってのは、いつでも消化を助けてくれるありがたい存在。

お初にお目にかかるクイティアオセンレック

これっていったい何者なの? どんな料理なの?

気になったので、ちょいと調べてみた。

そして、分かったこと。

なんでも、タイ料理の麺の素材ってのは、大別すると小麦粉緑豆なんかで作られるそうで。

で、からできた麺がクイティアオ

さらにクイティアオは、その太さによって名称が変る。

2~3ミリの太さの麺がセンレック

だからクイティアオ・センレックって「2~3ミリの太さの米の麺」ってことか。

センレックよりも細い麺はセンミーとよばれる。

なるへそ。

鶏でとったスープにダイコン、鶏肉、白菜。

実に繊細な味付け。

なんだか胃にやさしい感じがする。

きっと朝食なんかにぴったりだ。

麺はプリプリという食感よりも、パツパツとした歯切れの良さを楽しむタイプ。

タイ米。

1993年の記録的な冷夏によって、日本は全国的なコメ不足に陥った。平成の米騒動。

当時の政府は、米を主食とするタイから緊急でコメを輸入した。

しかし残念なことに輸入した米は古古米だった。ようるすにあまり美味しいお米ではない。

そのため、タイ米はえらく評判を落とすことになる。

私を含めた多くの日本人に「タイ米はまずい」と、間違った印象を植え付けた。それも強烈に。

これによってタイ米は、ブランド米としての地位の構築に完全に失敗する。

しかし、現在のタイ米はどうだろう? あの時の、米騒動の時の古古米なんかじゃなく、ちゃんとしたお米の味はどうだろう?

その答え。

タイ米は、めちゃくちゃ美味い!

メニューの写真ではタレの小皿が添えられていたが、運ばれてきた皿の上にはタレは乗っていない。

「アレ?」っと思いつつも、ためしに一切れ食べてみる。

うん、下味もちゃんとついているし、これなら別にタレが無くてもいいかな。

鶏肉は、パっと見た感じではこんがりとローストしたチキンって風情。

しかし、ガパオライスってのは、鶏を茹でてとったスープでご飯を調理して、茹でた鶏肉を添えた料理

なので当然、この鶏肉は焼いたものではなく、茹でたもの。

柔らかくて美味しいのだけれども、個人的には皮がパリッとした鶏肉が好み。

ご飯には薄く味付けがしてあって、スプーンでご飯を崩すとショウガの香りが優しくほのかにフワっと広がる。

この味、この香りステキすぎる。

このお米、モチっと感と、そしてパラっと感のバランスが完璧だ。

なにより噛みしめるそばからコメの旨さが溢れだす

文句なしにタイ米は美味い。

カービングが施されたキュウリ。

いかにも東南アジアの料理って雰囲気が出ている。

スープも鶏ベース。

やたらと鶏の味が出て来るランチ。

追加した麺のクイティアオセンレックと、このスープは、テイストが似ている。いや、似過ぎている。

ちょっと鶏スープがカブりすぎた感がある。

ならば、調味料の出番だ。

タイ料理屋では必須の調味料類。

鶏肉のスープと塩のコンビネーションに、大きな風穴をブチ空ける。

唐辛子。

トウガラシってのは、ある意味もはや暴力。

繊細な味付けなんてものを、根底から全てひっくり返す暴れん坊。

その唐辛子をぶっかける。

タイ料理といえば、まっさきに連想するキーワードは激辛。

辛い料理を味わいたくて、タイ料理屋に行くってのが、たぶん普通だ。

しかし、ここクンシャーンの料理はまったく辛くない

辛味はほんのわずか。とてもマイルドなタイ料理。

だから、ひょっとしたら辛さを求めるタイ料理ファンには、ちょっと物足りないかもしれない。

ナムプラー。

いわゆる魚醤。

同じものでもベトナム料理ではニョクマムと呼ぶ。

秋田県ならしょっつるか。

その呼び名がなんと変わろうが、こいつがうまみ成分のカタマリであることに、いっさいの変わりはない。

辛くない。

辛くないから、クリーンにタイ料理の旨さのもとみたいなものの輪郭がちょと分かる。

もしくは分かった気になる。

せっかくだから酢も試してみる。

酢をかけた鶏肉。また一段と美味くなる。

この酢は、米から作った米酢とは違うものなのだろうか? 米酢とはちょっと趣の異なるまろやかな酸味。

けっこうジャバジャバかけても、米酢のようなトゲトゲしさはない。

このやわらかい酸味が、べらぼうに鶏肉にあう。

そんじゃ、砂糖はどうよ?

と思って砂糖を振りかけようとした。

しかし田舎のタイ料理屋のあるあるで、どんなに必死に砂糖を振っても、砂糖はブっ固まっていて、ぜんぜん出てこない。

デザートをいただく。

ゾウさんがあしらわれたナプキン。

ところでクンシャーン(khun chang)って何のこと?

調べてみてまず分かったのはシャーン(chang)ってのは、どうやらタイ語でいうゾウのことらしい。

なんでもタイの人々にとって、ゾウとは特別な存在なんだとか。

んじゃ、クン(khun)ってのは?

いろいろ調べてみたけれど、たぶんタイ語で「肥やす」って意味っぽい。

肥やす?

レジの前にも肥やすゾウ。

会計をすませる。

ママさんはまた「コップンカー」と笑顔で送り出してくれた。

トロピカルな色合い。

ガパオライスとドリアンアイス

数週間後、またクンシャーンのマイルドなタイ料理を食べたくなった。

途中で、なんだかイカした駐車場を見つける。

この駐車場、四方向はバッチリと壁に囲まれているんだけれど、なぜか屋根がない。

これじゃ青空駐車場となんら変わらない。

天からふりそそぐ雨にはたいへん無防備だ。

なんだかパンクな世界観。

ディストピアってやつだ?

屋根の骨組み越しに眺める青空。

店に入ると相変わらずイケメンなゾウさんがお出迎え。

この日はガパオライス。

そういえば、ご近所のヨークベニマルでも「ガパオライスの素」的な調味料が売っていた。

たしか、ひき肉とバジルの炒め物。

うん、なんだか美味そうだ。

この日は前回のエキゾチック美人さんではなく、若いタイの男性スタッフが注文を取りに来た。

麺も注文したかったのだが、その注文がうまく伝わらない。

私はタイ語がしゃべれないし、彼も日本語がしゃべれない。

つまり、私と彼の間にコミュニケーションが成立しない。

よって麺の追加はあきらめた。

ランチセットを注文すればお茶が飲み放題。

タイっぽいお茶をチョイスした。お茶の名前は失念。

少なくとも、これはどくだみ茶ではないということは確かだ。

ドリンクコーナーにはお砂糖とクリームも常備。

ガパオライスが到着。

いい色に焼けた目玉焼き。

半熟の目玉焼きを目の前にして、心が踊らないヤツなんていないはずだ。

相変わらず美味いタイ米。

もっとタイ米は評価されるべきだ。

甘じょっぱく味付けされたひき肉は、ごはんによく合う。

これこそバンコク共通ってやつだ。

そしてこのガパオライス。やはり前回のカオマンガイと同様にあまり辛くない

でも美味いんだから、このさい辛さなんてどうでもいいか。

けっこう夢中でガパオをいただく。

ふと気が付けば、半熟卵が手付かずのままだった。

半熟卵といえば、割ったとたんにトロトロっとあふれ出す黄身。

それがお約束のビジュアル。

前回と同じスープ。

今回は鶏のダブリもなく、このスープの美味しさを堪能した。

キャベツもね。

前回と同じデザート。

これ、定番ってやつか。

肥やすゾウが描かれたナプキン。

今回は麺皿を追加していなかったので、ちょっと物足りない。

ならば追加でデザートを食べたいところだ。

メニューをめくるとドリアンアイスクリームが目に飛び込んだ。

ドリアンはフルーツの王様との呼び名も高いことで有名だ。

しかし、なによりドリアンが有名なのは、その匂い。

ぶっちゃけクサイ。

クサイってのはひょとしたら言い過ぎかもしれない。がドリアンは、とにかく個性的な匂いを放つ。

その匂いのせいでドリアンは、ホテルや飛行機への持ち込みが制限されているほどだ。

1スクープ300円。これを基準として、

2スクープ500円(+200円)

3スクープ750円(+250円

4スクープ900円(+150円)

ん?

なぜか、3スクープ目だけが50円も高い。

これはいったい、どういうことだ?

ドリアン・アイスクリーム。

シャーベット的なアイスクリーム。

匂いはまったくしない。

ドリアンアイス。

アイスクリームというよりも、どちらかというとシャーベットに近い食感。

一般的な他のフルーツのシャーベットと違うのは、その圧倒的に濃厚な味わい

さすが果物の王様だ。美味い。

予想をはるかに超えた美味しさに、一瞬で虜になった。

なぜか、名作漫画『グラップラー刃牙』の有名なキャッチコピーを思い出した。

予想は裏切り、期待は裏切らない。

このドリアン・アイスクリームは、まさにそんなキャッチコピー通りの逸品。

そういえば、あの漫画にもドリアンってキャラクターが出てたっけ。

レッドカレーとソムタム

五月。

またまたクンシャーンへ。

海岸沿いの道をクルマで行く。

店の前の通りの街路樹が、とても春っぽい色の花をつけていた。

これは何て名の花だろう?

お店にはいると、テーブルのレイアウトが大胆に変わっていた。

前回とは大きく様変わりをしている。

さてどこに座ろうかと、店内を見回すと、厨房に近い奥の席には、1人の若い小柄な女性客が座っている。

隣のテーブルに座るってのも馴れ馴れしい感じでアレだし、だからといって、対面側のテーブルに座るのも、なんだか照れくさい。

というわけで、同じ並びで1つ空けて、入り口から一番近いテーブルに座った。

テーブルに座り、店の中を見渡してみて、驚いた。

券売機が導入されていたのだ。

それにより、お店のシステムは大幅にリニューアル。

ようするに注文の手続きが、前回からは大きく変わっている。

こちらが新しいメニュー。

メニューは、単品755円(税込830円)か、もしくはランチセット955円(税込1050円)の2種類からなっている。

実にシンプルだ。

メニューの数も絞られたように見える。

分かり易くてありがたい。

レッドカレーライスに魅かれる。

魅力的な料理のなかでもレッドカレーがひときわ魅力的に見える。輝いている。

さて、クンシャーンの新システムの説明をしよう。

(1)注文の料理が決まったら、券売機で注文する料理の食券を買う。

(2)レジの近くに食券を入れる箱があるので、自分のテーブルの番号と同じ箱へ、食券を入れる。

(3)そしてベルを鳴らす。

(4)料理が届いたら、存分に楽しむ。

新システムの導入にあたり、最大のトピックはこれだろう。

料理の辛さを選べるようになった。

これはありがたい。

この店のマイルドなタイ料理も魅力的だ。

魅力的には違いないのだが、やはりタイ料理に期待するのは暴力的な辛さだ。

口の中を蹂躙する辛さを楽しみたいから、世の人々はタイ料理屋に足を運ぶのだ。たぶん。

選べる辛さは、トウガラシ1つのMILDから、トウガラシ5つのHELLまでの5段階。

HELL。いわゆるひとつの地獄。

そういえば、タイはトウガラシの消費量が世界第1位だ。

生産量でいえば世界1位はインドなのだが、なんといってもトウガラシを世界で一番消費するのはタイ

食券を買うために1000円札を投入してレッド・カレーのボタンを押す。

しかし、反応がない。

売り切れってわけでもないのだが、ボタンを押しても食券が出てこない。

いったいどうしたことか? 価格を間違えたか?たしかランチセットは955円だったはず。

いったんテーブルに戻り、メニューを再確認する。

ああ、そうか。税込みで1050円だったか。

追加で50円玉を投入してボタンを押すと、無事にレッド・カレーの食券が出て来た。

レッドカレーの辛さは、トウガラシ3つのHOTを選択。

ソムタム。

パパイヤのサラダ。タイを代表する料理。

はじめてソムタムの存在を知ったのは、『気分はアジアめし(作:深谷陽)』というマンガだった。

テーブル番号の仕切りの中にソムタムとレッドカレーの食券を放り込み、ベルを鳴らす。

奥の厨房から「はーい」と返事が返ってきて、オーダーが通ったことがフィードバックされる。

3番のテーブルに戻り、料理の到着を待つ。

しばらくすると、厨房からタイ語で何事か大きな声が聞こえて来た。

すると、1つ空けたテーブルに座っていた先客の女性が立ち上がり、厨房のほうへと走り寄る。

女性は厨房から料理を受け取ると、その料理を持ってこちらのテーブルへとやってくる。

客だとばかり思っていたのだが、その女性は「お待たせしました」とソムタムをテーブルの上においてくれた。

あれれ、客だと思っていたこの女性は店員さんだったの?

急なことに「ありがとうございます」と簡単にお礼を返しつつ女性の顔を見てみると、これがまたずいぶんとお若い。おそらく高校生だろう。

彼女が座っていたテーブルを見てみると、そのテーブルの上には教科書やノート、それにストローの刺さった紙パックのジュースが並んでいる。

ああ、なるほど。

今は新型コロナウイルスの影響で、県内の学校が休校になっている真っ最中だ。

休校中の娘さんが、店内の一席で勉強しながら、お店のお手伝いをしているってわけだ。

娘さんは厨房の方へといったん戻って、レッドカレーのランチセットを持って戻って来た。

「娘さんですか?」と尋ねてみると、「・・・はい」と小さく返事を返す。

透き通るようなお肌が印象的だ。

「お手伝い? えらいですねぇ」と言葉をかけると、照れくさそうに「あ、いいえ」

あらためて彼女を見てみるると、なんとも言葉にしがたい透明感のある美少女。

ハーフなのか?

料理を置くと、自分が座っていた厨房の近くのテーブルに戻っていき、ふたたび教科書なのか参考書なのかをめくり、勉強を再開しはじめた。

その姿に心底から感心する。

もし、私が彼女の立場だったら、つまり「休校だから学校に行かなくてもイイ」なんてことになったら、絶対に自分からすすんで勉強なんてしないだろう。

それに、家業の手伝いも、絶対にしない。

なんともよくできた娘さんだ。

そんな美少女が運んで来てくれたソムタムをいただく。

kのソムタムは量が多い。

おそらく2人か3人でシェアするのが丁度よいくらいの量がある。

さっそく一口頂けば、パパイアのシャコシャコっとした心地のよい歯触り。

そのなかに、ピーナッツのカリッとしたアクセントが効いている。

面白い食感。

それに酸味と辛味が効いている。

あ、いや、でも、ちょいとばかし辛味が効きすぎている。

マイルドなタイ料理ってのが、ここクンシャーンの持ち味かと思っていた。

しかし、このパパイヤのサラダ、とてつもなく辛い

ソムタムの攻撃的な辛さに耐えかねて、ランチセットのサラダに逃げ込む。

こっちのサラダを食べて、激辛ソムタムの辛さを中和せねば。

なんせこの後には、トウガラシのスタンプを3つも押したHOTなレッド・カレーが控えている。

ああ、プレーンな生野菜がありがたい。

トウガラシ3つのHOTなレッド・カレーはどんな感じだろう。

しかし、こちらは意外なことにマイルド。

ココナツの甘い香りが漂うレッド・カレーだ。

シンプルでいて、それでいて複雑な旨味が溶け込んだカレー。

こりゃ美味い。

スープは、前回までの白菜を使ったスープとはちょっと変わってた。

小松菜とネギのスープ。

鶏ベースであることは前回と変わらないが、なにかちょっと変わった。良い方に。

今回のスープのほうが断然に好み。

激辛ソムタムにさんざん痛めつけられたお口にやさしいお味。

米はタイ米。

つまり美味い。

レッドカレーは具がたっぷり。カボチャ、タケノコ、パプリカ、鶏肉。

鶏肉はちょっと驚くほどゴロゴロと入っている。

こんな美味い料理を発明したタイ人は、偉大だと思う。

この優しい味わいは、激辛なソムタムとは対照的だ。

辛さを抑えたレッド・カレー。

たくさんの具材が煮込まれたこのカレーに、なんだか、おふくろの味のような安らぎを感じる。

デザートも一新。

南国のフルーツっぽいゼリーになっていた。

個人的には前のデザートの方が好み。

食事はすっかり終わったが、食券制となったので食後に会計が必要ない。

しかし無言で店を出るってのもなんだから、一応、厨房に聞こえるように大きな声で「ごちそうさまでしたー」と声をかけると「コップンカー、ありがとうございましたー」と、大きな声で返事を返してくれた。

勉強を続けている娘さんにも「ごちそうさま」を伝えて、店を出た。

クンシャーンは、テイクアウトメニューも充実している。

この日も1人の女性客が来店して、職場用だろうか、10人前のカレーを受け取って帰っていった。

帰り道、なんとなく思ったことは、料理の辛さの調整。

辛さ3で注文したはずのレッド・カレーは、なぜかマイルドな辛さだった。

その一方で、辛さノーマルで注文したはずのソムタムは、なぜか激辛だった。

とうことは、ひょっとして、もしかして、辛さの調整が逆になっていたのかもしれない。

うん、でも、まあいいか。

胃の中に入っちまえば、どのみち一緒だ。

クンシャーンの基本情報

クンシャーンの場所はこちら

JR常磐線常陸多賀駅から300m。徒歩で3分。

お店の駐車場はちょっと離れた場所に2台分。

駐車場はお店の反対側の小路を入ったところにある。

ちょいと分かり難いかも。

コインパーキングは、60分200円が相場のようだ。

クンシャーンの基本データ

 クンシャーンの基本データ 

 住  所 

 〒316-0003 茨城県日立市多賀町1丁目3−6

 電 話 

 0807002-7788

 営業時間 

 11時00分~15時00分
 17時00分~22時00分

 定 休 日 

 月曜日

 facebook 

 https://www.facebook.com/KhunchangThai

 instagram 

 https://www.instagram.com/khunchangtha

クンシャーンのメニュー

※ 価格は2020年のもの。

 クンシャーンのメニュー 

 お料理 

お料理は単品なら755円(830円)
ランチセット(ライス、スープ、ミニデザート、コーヒー、ティー付き)なら955円(1050円)

 ガイヤーン
   タイ風グリルチキンとスパイシーつけたれ

 ガパオ
   ひき肉、バジルのタイシーズニング炒め

 ヤムタクライ
   レモングラス、ひき肉、ピーナツのスパイシー和え

 ラープガイ
   ひき肉のスパイシー和え

 クアグリン
   ひき肉のハーブ&スパイス味

 ナンプリックオン
   ひき肉とトマトのスパイシー味

 ムーパットプリックタイ
   豚肉の胡椒炒め

 ムーパットプリック
   豚肉とインゲンのレッドカレー炒め

 グリーンカレーライス
   グリーンスパイス、鶏肉、なす、竹の子、ココナッツミルクのカレー

 レッドカレーライス
   レッドスパイス、鶏肉、かぼちゃ、竹の子、ココナッツミルクのカレー

 麺料理 

 クティアオムーサップ
  セット 800円(880円)
  単品  700円(770円)

 クティアオトムヤムクン
  セット 955円(1050円)
  単品  855円(940円)

 カオトム
  セット 800円(880円)
  単品  700円(770円)

 サラダ 

 ソムタム
  800円(880円)

 ヤムウンセン
  800円(880円)

 デザート 

 ココナッツミルクアイスクリーム
  350円(390円)

 フルーツジュース 

 ライチ
  350円(390円)

 マンボー
  350円(390円)

 グァバ
  350円(390円)

 パッションフルーツ
  350円(390円)

 ドリンク 

 コーラ
   250円(280円)

 カルピス
  250円(280円)

 ジンジャーエール
  250円(280円)

 タイビール 

 リオビール
  500円(550円)

 チャーンビール
  600円(660円)

 シンハービール
  600円(660円)