【鮨健】絶品の蕎麦と昔ながらのドすっぱい梅干し!蕎麦と定食と梅干しとついでにお寿司のお店@茨城県水戸市

千波湖や偕楽園からも近いお寿司屋さん。

鮨健。

お寿司屋さんなんだけど、なんとお蕎麦も食べられるという「蕎麦好き」そして「寿司好き」にとってはまるで夢のようなお店。

 

やぁ諸君、ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

鮨健

ダイエットもかねて、自転車で水戸市の鮨健を目指し、ひた走る。

外観

お店は大きな通りから少し住宅街に入ったところ。

お店の前にはメニューが掲示されている。

メニューの札が掛けられているのは、1本の木の幹から作った1枚板。

えらくデカイくてご立派。

きっとお高いものなのだろう。

いっぽうで、メニューは意外と庶民的なお値段。

店内の様子

開店直後で客はまだいない。

ついでにお店の人もいない。

「ごめんください」と声をかけてみるが、応答なし。

やがて奥から女将らしき品のあるご年配の女性が現れた。

恐るおそる「あの、もう、やってますか?」と尋ねてみると「あらぁ? いらっしゃいませ! どうぞどうぞ」と座敷に上がるようにすすめられる。

「どこでもお好きなところに座ってくださいねぇ」

まず目を引くのが巨大なウミガメの剥製

亀仙人ごっこが捗りそうなデカイ甲羅。

写真撮影の許可をいただいて、さっそく写真を撮りまくる。

広い座敷に4卓があるだけで、広々としている。

とりあえず窓際に座らせてもらう。

店内の写真を何枚か撮り、ふと窓際を見ると立派な花瓶に菊の花が生けられていた。

何気なくぼんやりと花瓶を眺めていると、女将が突然「あらー、いやだー!」とすっ頓狂な声を上げる。

「それ、てきとうに生けた菊だから、そんな、写真なんて・・・やだぁっ! 恥ずかしいっ!!

いやいや。

べつに菊の写真を撮るつもりはなかったし、花瓶を眺めていただけなのだが、しかし女将は照れに照れまくって、ひとりいつまでも照れ転げている。

「いやいや、お花、すごくステキですよ」とフォローをしつつ、せっかくなので一枚だけでも写真を撮って良いかとお願いしてみるが、やはり写真はどうしてもイヤだという。

女将さんは、ほんわかとして優しそうな雰囲気。

小柄でとても可愛らしい。

天然のユルふわ系女子のオーラがダダ漏れだ。

すぐに布のおしぼりが届けられた。

この後、さらに紙のおしぼりも届いた。

ナゼにおしぼりが2つも?

きっとこれも、天然系ならではのおもてなしなのだろう。

さっそくメニューを見ると、およそ1000円前後のラインナップ。

下はもりそばの500円から、上は特上鮨の2,500円まで。

悩んだ末に女将に「おすすめってありますか?」と尋ねてみた。

女将さんによると、お得なセットメニューや、天重、それにこの季節だと、やはり何と言ってもけんちんそばが人気なのだとか。

セットメニューは、各種ご飯ものに蕎麦(かけ or もり)が付いて900円というお値打ち価格。

なるほど、こりゃ魅力的。

グラグラと心が揺さぶられるが、せっかく寿司屋に来たのだから、やはりまずはお寿司を食べたい。

上鮨(1,500円)あたりが気になる。

「お寿司のほうはどうですか?」と尋ねてみると「あら? お寿司を食べに来たの?」と、ちょっと不思議な反応が返ってきた。

え? お寿司屋さんでお寿司を注文するのって、そんなにヘンなことじゃないよな・・・あれ、ひょっとしてヘンなのか?

なんとなくモヤっとしながらも、とりあえず上鮨を注文することにした。

注文をしてしばらくすると、カウンター向こうの調理場に大将が現れた。

いぶし銀って言葉がぴったりの、いかにもこの道何十年の職人ってな感じ。

ふと目が合ったので、かるく会釈をすると「あい、どうも! いらっしゃいっ!」と威勢のいい挨拶が返ってきた。

上鮨+もり蕎麦

注文してから5分ほどで上鮨が運ばれてきた。

ぱっと見て「お、中トロが2貫か!?」と、思わず小躍りしかけるが、よく見ると中トロではなかった。

よって小躍りは中止。

とはいえこのマグロ、身は柔らかく、けっこうイケる。

ゴマドレのベーシックなサラダ。

淡い桃色の器がとても美しく、しばし見とれる。

お吸い物はフタ付き。

出汁が効いていて、塩ベースの品のある味付け。

しかし、ネギとカブには火が通り過ぎていて、すっかり香りが飛んでいる。

それに温めなおしたせいなのか、すこしアラの匂いが気になった。

玉子焼きは一番端っこの部分。

この部分が使われている握りって、初めて見た。

しかもこの玉子焼き、しっとりフワフワというにはほど遠く、口当たりも風味もよくない。

なによりも見た目がよくない。

ちょっと残念な感じ。

せめて切り口側を上にして握ってくれていたら、印象も変わったかもしれない。

蒸しエビ。

これってエビの向きが逆じゃないだろうか?

この向きのまま口に運ぶと、エビの尻尾のほうが口に入ることになる。

エビの向きを変えてから頬張ると、これが味はなかなか。

そのお隣は、メダイの昆布締め。

ほんのりと柚子のフレーバーで、これがものすごく美味い。

このイクラのルックスはどうしたことか。

これはちょっとドイヒー

そして肝心の味のほうは、まぁ、見た目通り。

すこし悲しくなる。

鉄火巻き。

こちらも見た目はあまり良くない。

なんか、ちょっと雑な感じだ。

でも、味は悪くない

近年の不漁のため価格が高騰しているイカ。

いつの日かイカも高級品となって、庶民が口にできなくなってしまうのだろうか。

なんてことを思いながら食べると、ねっとりとしたイカの旨味に溢れている。

やっぱイカって、美味いな。

どうか、いつまでも庶民の食べ物であって欲しい。

すっかり握り寿司を平らげてしまったが、食べ盛りの私にとって、握り寿司の一人前なんかではちょっと物足りない

やはりセットメニューにするべきだったか。

そういえば、今年の健康診断で体重を計ったら、去年よりも3Kgほど増えていた。

これはつまり、今現在がまさに成長期まっさかりってことを意味しているのだと思う。

ということで、さらなる成長を目指し、追加でもりそばを注文することにした。

醤油差し。

そしてそのとなりは、フタ付きの四角い器。

この美しい四角い器が、ずっと気になっていた。

この中にはいったい何が入っているんだろう?

中には梅干しが4つ。

なんとウェルカム・ドリンクならぬ、ウェルカム・梅干し。

こりゃ珍しい。

さっそく梅干しを1つ頬張ると、これがまた強烈に酸っぱい!

口の中が梅一色に染められる。

血中の塩分濃度がいっきに上昇して、全身の毛穴が開くのを感じる。

強烈な塩気と酸味。

しかし、今から思い返してみれば、梅干しって元々はこんな感じのド酸っぱい食べ物だった。

つまりこの梅干しは、いわゆる昔ながらのなつかしい梅干しの味だ。

この梅干しに比べたら、現在スーパーなどで売られている梅干しは、まるでストロベリーキャンディーのように甘ったるい。

そんな昨今の健康志向や減塩志向に対して、この梅干しはピシッと中指をおっ立てて、きっぱりと背を向けている。

ハードコア系の梅干し。超武闘派だ。

こりゃイカしてる。

惚れた。

梅干しに悶絶していると、もりそばがやってきた。

つけ汁は塩っけが強く、カツオの香り、甘み、酸味、すべて濃い目の仕上げ。

つまりは江戸前な蕎麦汁。

このつけ汁は、おそらく万人向けするものではかもしれないが、個人的にはものすごく好きなタイプ。

カツオの香りがとても独特なもの。

蕎麦はしっとりとして、みずみずしい。

ツルツルとすすり、口の中で噛みしめる。

口当たりはとても上品、なのにその香りは野性的で荒々しい。

鼻孔をくすぐる、なんてそんな生易しいものじゃなくて、まるで挑発してくるような、攻撃的な香りの強さ。

すごく良い。

この蕎麦、めちゃくちゃ美味い。

胃の中に落ちてからも、蕎麦の香りが立ち昇るようだ。

お世辞とか誇張抜きで、これほど美味い蕎麦は食べたことがない。

この店は寿司屋だよな? なぜ蕎麦がこんなにも美味いんだ。

粗挽きした粒感のあるザラザラした蕎麦。

気が付けば、何度も「美味いなぁ」「うん、美味いなぁ」と、独り言が漏れる。

ぼっちは独り言が多い傾向にあるものだが、それにしても賞賛の声を出さずにはいられない。

理想的な蕎麦。

女将さんがお茶のお代わりを持ってきてくれた。

手付かずの薬味を見て「あら? ワサビは使わないの?

いや、こんな美味い蕎麦に、練りワサビを付けるなんて、そんなもったいないことはできない。

「あ、ワサビは使わないんですよぉ」と答える。

この際、噓も方便だ。

もりそばを追加して良かった。

最初の鮨だけ食べて店を出ていたら、この蕎麦に出会えなかった。危うくこの店の真価を見誤うところだった。

それにしても、この絶品の蕎麦が、たったの500円だなんて。

駅の立ち食い蕎麦とたいして値段が変わらないじゃないか? いったい、世の中の物価ってやつはどうなってるんだろう。

そういえば、江戸時代の蕎麦の価格はおおよそ16文。

1文は約30円らしいので、今の価格にするとだいたい480円

いわゆるワンコインランチってやつだ。

ってことは、この蕎麦は、江戸の昔からの値段そのままに提供されているのか。

蕎麦汁は徳利ではなく、蕎麦猪口で出て来る。

そのため蕎麦湯を飲むときの濃度調整が難しい。

まずは濃い目で。

大将は無口な職人。

かと思いきや、じつは話好きな人で、これがまたよく喋る喋る喋る。

「写真好きなの?」

「どこから来たの?」

「自転車なの? 自転車で写真を撮って回ってるの?」

「紅葉の写真を撮りにきたの?」

もみじ谷、行った?」

「えぇ!? もみじ谷、行ってないの? ダメダメ、ダメだよぉ! もみじ谷、ゼッタイ行かなくちゃあ!」

大将は、じつに良く喋る。

喋り倒す。

大将の長いおしゃべりから解放されて、お会計。

女将さんに「どこの蕎麦粉を使っているのか」と尋ねてみたところ、水府村(現・常陸太田市)の常陸秋そばだという。

しかもその新蕎麦だ。

ああ、なるほど。 そりゃ道理で香りが良いわけだ。

「ごちそうさまでした、お蕎麦、とても美味しかったです」とお礼を伝えて店を出ようとすると、大将がもみじ谷への行き方を説明するから、こっちに来いと手招きする。

もちろん、スマホで Google map を使えば、大将が強烈にプッシュするもみじ谷へとナビゲートしてくれる。

だから、わざわざその道順を教えてもらう必要などない。

しかし、せっかくのご厚意を無下にはできない。

一応はカタチだけでも、大将からもみじ谷への行き方をご教示いただく事にする。

大将はカウンターに座り、手元にあった伝票の裏側に地図をしたため始めた。

途中、があることと線路(常磐線)があることを何度も何度も繰り返し強調する。

それにしても大将、とにかく話が長い。

線路のくだりを何回かループした後、大将はようやく気が済んだのか「はいよッ!」と、手書きの地図を手渡してくれた。

じゃあ、気を付けて行って来てよねッ!

大将手書きの地図を頼りにもみじ谷を目指す。

しかし、現代アートのような前衛的で難解な地図を見ていると、かえって道に迷いそうで心細くなってくる。

結局、大将が何度も度も繰り返し強調した「」と「線路」には一度も遭遇することなく、無事にもみじ谷へと到着。

大将があれほど強調していたのは、いったいなんだったんだろう?

そしてもみじ谷へ。

へぇ、こんなところがあったんだ。

時は11月の下旬。

なるほど、たしかにキレイだった。

海老天重+ざるそば

絶品の蕎麦と、それに強烈な梅干しが食べたくなり、また鮨健へ。

しかし開店時間よりもだいぶ早い時間に到着してしまった。

店がひらくまでの時間をつぶすため、近くの水戸歴史館へとイチョウを見に立ち寄った。

しかし残念なことに、すでにイチョウは終わりかけ。

地面に落ちたギンナンが、やたらにウンk・・・芳醇な秋の香りを、あたりに漂わせている。

さて、鮨健へ。

今日も女将さんはニコニコとして、優しそうなオーラを全身から垂れ流している。

優しさの元栓が壊れているんじゃないかと、少し心配になるくらいだ。

座敷へとあがり、さっそく海老天重を注文した。

待つこと10分少々で海老天重が到着。

ほんのりとただようゴマ油と甘辛いタレの香りは、問答無用で食欲のスイッチをONにする。

エビ天は、細身の海老が3本。

衣はあくまで「花が咲く」といった程度に抑えられていて、過剰な演出は無い。

可憐な仕上がり。

厚塗りの衣でむやみに海老をデカく見せようとしてないのが、じつにいい。

なんとも正直なエビ天だ。

正直なヤツに悪いヤツはいない。

天ぷらの衣はパリっとしていて、タレが掛かっている部分が甘くて香ばしい。

これ、完璧なエビ天だ。

クオリティめちゃくちゃ高けぇ。

味噌汁は、なめこ、ネギ、絹ごし豆腐。

どちらかと言えば、味噌汁というよりも、キノコ汁って感じの素朴な味わい。

相変わらずネギは火を通し過ぎていてクタっとしているが、豆腐の舌触りはとてもなめらかで、味噌も風味を失っていない。

トロみが付いたなめこの汁は、味噌が丁寧に溶かれていて、香りもコクもリッチ。

さっぱりとしたサラダがありがたい。

天ぷらはエビの他に、インゲン、カボチャ、レンコン、ナス。

ゴージャス。

ゴボウとニンジンのきんぴら。

火の通し方とか、味付けの具合がとても丁寧で大事に作られている。

これを作ったのって、もしかしたら大将じゃなくて、女将さんなのかも。

柚子の皮が散らされていて、香りが華やか。

やがて年配の男性客が店にやってきて、カウンターの端に座り、けんちん蕎麦を注文した。

どうやら常連客のようで、大将は世間話をはじめる。

「今年の冬はねぇ、魚がうんと安くなってんの!」

「でもね、ホラ! 今年はコロナのせいで誰も食べに来ないんだよなー!」

「今年は忘年会の予約なんて、ほとんど無いからね! 42年やってきたけど、こんなの初めてだよ!」

大将は不景気な話を、なぜかとても嬉しそうにしゃべっている。

さて、お楽しみの梅干し。

女将さんによると、この梅干しは手作り。

あいかわらずの強烈な酸味。

これがたまらない。

現在市販されている梅干しは、すっかり塩気と牙を失っちまって、まるで仔猫のように無害でおとなしい。

しかしこの梅干しは虎だ。それも野生の。

だから、なんなら野生の梅干しと言っても決して過言ではない。

喰うか、喰われるか、だ。

レンコン。

シャキシャキで歯ごたえバツグン。

このレンコンに限らず、天ぷらがすべてが美味い。

甘辛いタレを吸ったお米の破壊力たるや。

さて、天重を平らげて、すっかりお腹がいっぱい。

なんだけれど、どうしてもまたあのお蕎麦が食べたい。

前回はもりそばだったから、今度はざるそばにしてみよう。

さらに欲が出て、コハダの握りと、蒸しエビの握りもいっしょに注文。

5分ほどで運ばれてきたざるそば

蕎麦の上には、かなり思いきりよく海苔がのっている。

さすがは寿司屋、海苔には事欠かない。

蕎麦汁は濃く、それでいてすっきりとした仕上がり。

なんかこの蕎麦汁ってキリリとして男前。

やっぱり蕎麦が美味い。

しかし、たっぷりの海苔が、蕎麦の香りを邪魔する。

前回は使わなかった薬味を投入。

ネギをのせてみる。

そういえば、前ほど強く蕎麦の香りが感じられない。

もしかして香りが飛んじゃったのか?

ひょっとしたら海苔が強すぎるのかもしれない。

蕎麦はやや硬めの茹で上がりだった。

悪くはないが、前回のもりそばよりもちょっと落ちる。

どうやら、ここの大将は、きっちりと茹で時間を計るとか、材料を正確に計量するとか、そういう几帳面なタイプの料理人ではないっぽいな。

レシピに忠実というよりも、料理人としての勘や経験を優先して感性で作るタイプ

よく料理は科学なんて言われるけれど、大将の料理は科学(サイエンス)とは真逆。

だからサイエンティストというよりも、アーティストってところか。

それもかなり気まぐれな

やっぱり蕎麦は美味い。

満足したところにエビとコハダの握りが登場。

この日は蕎麦よりも、海老天重の美味しさが印象に残った。

焼き魚定食+天ぷら蕎麦

12月の後半、みたび鮨健へ。

テイクアウトのメニューが出ていた。

子持ちワカサギ天丼ってのが美味そうだ。

この日はあらかじめ、焼き魚定食(800円)を食べようと心に決めていた。

女将さんに、焼き魚定食はなんの魚を使っているのかと聞いてみると、銀ダラとのお返事。

大将いわく「焼くのに少し時間かかるけれど、とっても美味しいよ!」と、えらく自信まんまんだ。

この日のお茶は薄かった。

なんだか出て来るものに毎度ムラがある。

まぁアレだ。アーティストの仕事に対して、均質性なんて求めちゃいけないってコトだ。

注文から15分ほど待って焼き魚定食が配膳される。

銀ダラの西京漬け。

麹のとてもいい香りがたまらない。

焼き魚には大根おろしが添えられている。

銀ダラの切り身が1つなのは、ちょっぴり寂しい気もするが、しかしお値段800円ってことを考えると十分すぎるくらいだ。

銀ダラの美しい照り。

味噌漬けの切り身を、焦がさないように焼くために時間がかかるのかも。

で、この焼き魚が絶品。

大将が自信をもって勧めたのもうなずける。

上品なのに、しっかり塩気が効いていて、ホカホカのご飯との相性の良さときたら。

大根おろしも添えてみる。

たしか銀ダラって、タラと名のってはいるものの、鱈の仲間じゃなかったよな。

いわゆる代用魚。

でも美味いわ。

料理に使われている皿がいちいちカッコイイ。

きっとすごく高価な器なんだろうな。

カツオ? いや違うか? これなんの魚だろう。

甘く煮てある。

これもめちゃくちゃ美味かった。

お吸い物は、やはり火が通り過ぎている感もあるが、味のほうはバッチリ。

アラではなく、魚の切り身が入っている。

それもたっぷりと。

魚尽くしの焼き魚定食。

楽しみにしていた梅干しとのご対面。

この梅の実は、おそらく地元で採れたものなのだろう。

紀州南高梅やなんかのブランド梅に比べると、皮が厚くて硬い。そして果肉も少ない。

なんら特筆すべきところはない、ごく普通の梅。

なのに、女将さんの手にかかると、この瘦せっぽちの梅の実が絶品の梅干しに変身する。

すっかりこの梅干しの虜になってしまった。

さらに2つ目をいただく。

おそらく人類が梅干しというものを初めて発明した時の、その原初の姿のそのままの梅干し。

ジ・オリジン。

ああ梅干し、美味し。

さて、いよいよ蕎麦を注文しよう。

シンプルなかけ蕎麦を食べるつもりでいたのだが、あらためてメニューを見てみると、なんとかけ蕎麦が無い。

ないものはどうしようもない。

なのでかわりに天ぷら蕎麦を注文することにした。

厨房の方からは、天ぷらを揚げるシャーという音が聞こえてきた。

それからしばらく待つと、天ぷら蕎麦が届けられた。

蕎麦の上には、予想をはるかに上回る大量の天ぷら

てっきりエビ天が1本か2本が浮いた蕎麦が出てくるモンだと思っていたのだが、思いっきりの具だくさん。

まるで天ぷらの山脈だ。

律儀なことに、蕎麦にもお漬物が付いてくる。

柚子が浮かび、香りのアクセント。

ナス、カボチャ、レンコン、インゲン、ガボチャ、サツマイモ、ニンジンかき揚げ。

それにゲソ天2つと、エビ天1本。

ゲソ天はかなり大ぶりで、これがまたいい味だしている。

こうしてあらためて書き出してみると、やっぱりものすごい量の天ぷらだ。

蕎麦はやや柔らかめだが、あいかわらず素晴らしい香り。

温かい蕎麦だというのに信じられない。

そのいっぽう蕎麦汁の存在感はちょいと弱め。

蕎麦の香りに対してはっきりと物足りない。

薬味はネギのみじん切りと、柚子をペースト状にして塩を混ぜたもので、その正式な名前は分からず。

白身魚の刺身なんかにもよく合いそうな感じ。

やっぱりここの蕎麦はめちゃ美味い。

しかし、ボリュームのある天ぷらを食べているあいだ、蕎麦は温かい汁に浸かって、だんだんとユルくなってきた。

もしかしたら、もりそばのほうが、もっとこの蕎麦の風味を楽しめたかもしれない。

いや、これはこれでちゃんと美味いんだけれども。

美味いけど、ここで最初に食べたシンプルなもりそばがやっぱり最高だった。

天ぷらの衣がややグダったところで、薬味と七味唐辛子を投入し、ふたたび味を引き締める。

ラストスパート。

蕎麦って美味いなぁ。

天ぷら蕎麦の余韻にひたりながら、壁にかかったウミガメの剥製を眺める。

それにしてもカメって、防御力にステータスを全振りしたような生き物だな。

スタンドで言えば、攻撃力D、スピードE、防御力SSS ってところか。

壁には大相撲九重部屋の力士の手形が入った額が飾られている。

一番右の手形は、かの大横綱千代の富士のもの。

さぞや大きな手のひらなのだろうとワクワクしながら自分の手をかざしてみると、意外とそんなでもなかった。

大将と女将さんに食事の礼を伝え、店を出た。

店頭には年越し蕎麦のお知らせ。

帰りに偕楽園のそばを通ると、アライグマ出没注意の立札が。

え、水戸でアライグマなんて出るの?

鮨健の基本情報

鮨健の場所はこちら

駐車場はお店の前に3台分。すぐ隣のコインパーキングに2台分。

千波湖、偕楽園からとても近いので、歩いて行ける。

お店のすぐ隣はコインパーキング。

2台分の駐車スペースが確保されている。

鮨健の基本データ

 鮨健の基本データ 

 住  所 

 〒310-0911 茨城県水戸市見和1丁目334

 電 話 

 029-224-2881

 営業時間 

 11:00~14:00
 17:00 ~ 2:00

 定 休 日 

 日曜日

鮨健のメニュー

※ 価格は2020年のもの。

税込み価格です。

 鮨健のメニュー 

 セットメニュー 

 巻物セット(鉄火巻き、カッパ巻き、そば)
    900円
 刺身セット(お刺身、ご飯、そば)
    900円
 鉄火丼セット(鉄火丼、そば)
    900円
 かき揚げ丼セット(かき揚丼、そば)
    900円

 ※ 小鉢サラダお漬物が付きます

 二八そば・うどん 

 もりそば
    500円
 ざるそば
    600円
 わかめざるそば
    700円
 梅だれそば
    700円
 ぶっかけそば
    800円
 つけとろおくらそば
    800円
 けんちんそば
    800円
 つけ鴨南そば
    900円
 天ぷらそば
    900円
 穴子そば
  1,100円
 天ざるそば
  1,200円

 定 食 

 焼魚定食
    800円
 かき揚丼
    800円
 刺身定食
  1,000円
 天ぷら定食
  1,200円
 海老天重
  1,200円

 寿 司 

 まぐろ・イカにぎり
    800円
 まぐろにぎり
  1,000円
 鉄火巻き
  1,000円
 鉄火丼
  1,200円
 上ちらし
  1,500円
 上寿司
  1,500円
 特上寿司
  2,500円
 自家製だし巻き卵
    200円
 
 蕎麦大盛り
  +150円
 ご飯大盛り
  +100円
 

 お飲み物 

 生中ジョッキ
    600円
 ビール大瓶
    600円
 ビール中瓶
    500円
 日本酒一合
    500円
 天狗党(冷酒)
    800円
 一品(冷酒)
    800円
 高清水(冷酒)
    800円
 コーラ
    250円
 オレンジジュース
    250円
 ウーロン茶
    250円
 焼酎(麦・芋)
    400円~