【よし美】昭和レトロな割烹料理のお店@茨城県笠松運動公園

笠松運動公園。

ひたちなか市、東海村、そして那珂市にまたがる大きな公園。その大きさは東京ディズニーランドとほぼ同じ56ヘクタール。

2019年に開催された「いきいき茨城夢国体」の陸上競技の会場となり、また開会式と閉会式は、ここ笠松運動公園でとり行われた

いつでもこの公園は、ジョギングやウォーキングをする人たち、それに散歩を楽しむファミリーや、そして恋人たちで賑わっている。

このあたりに住む茨城県民にとって、かけがえのない憩いの場。

その笠松運動公園の中に、なんと割烹料理の店があるという。

そのお店が今回ご紹介する「割烹 よし美」だ。

よし美

やぁ諸君、ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

 

この日は水戸市のとあるお蕎麦屋さんでランチをいただくつもりだったのだが、なぜか開店時刻を過ぎても店が開かない。

さんざん待ったが、その店でのランチはあきらめることにして、前々から気になっていたお店「割烹 よし美」に伺うことにした。

笠松運動公園にはいくつかの駐車場があり、そのどれもがとても広い。

それぞれの駐車場の駐車スペースを合計すると、なんと2700台分ものクルマを停めることができる。

そんなダダっぴろくて、スッカスカの駐車場のはしっこに、行儀よくクルマを停める。

広い駐車場のすみには、「割烹 よし美」のメニューがドーンと立っている。

それも写真付きで。それもカラーで。

その看板には堂々と「割烹」の2文字が光り輝く。

公園の中の割烹料理店、よし美。なんとも興味がそそられる。

てんぷらうどん・そば(630円)のキャッチ・コピーには「申し訳ない普通味」とある。

おや、割烹料理のお店なのに、ずいぶんと腰が低い。

実のところ、私は割烹の何たるかもまるで分からない割烹素人。

いわゆる割烹弱者である私は、「割烹」というものにちょっとビビっていた。

しかし、このよし美の腰の低い看板を見て、すこし気持ちに余裕ができた。

割烹料理って、いがいと庶民的なお値段とメニューだ。なるほど割烹ってこんな感じなのか。

天玉重(700円)。

まかない料理裏メニューというキャッチに引かれる。

公園の入り口に設置されている看板に堂々と大書された「裏目メニュー」のただならぬ存在感。

裏社会の住民であるはずの「裏メニュー」が、陽の当たる場所でこんなにもその存在を、これでもかとアピールしちゃっている。

表のメニューに載っている「裏メニュー」とはいったいなんだ。

言葉の矛盾。言葉のパラドックス。

今の今まで「常識」だと疑わなかった心の中の何か芯のようなものが、グラグラと音を立てて崩れていく。

なるほど、これが割烹の世界なのか。

奥が深い。

陸上競技のスタジアム。

誰もいない冬の陸上競技場にそって、割烹よし美にむかって歩く。

外観

本日のお目当てのお店「割烹 よし美」に到着。

歴史を感じるクラシカルな外観。

歴史のある割烹料理店ならではの風格。

おそらく、数多の著名な文豪たちや、日本の歴史を動かした政治家のセンセイなんかも、きっとこの店に足しげく通ったに違いない。

お店の入り口。

「なんだか、しょぼいな」と思いがちだが、営業中とかかれている木の板がけっこう立派だ。

券売機

店の中に一歩踏み込むと、つい、むせかえってしまうほどの濃い「昭和」の香りに包まれる。

実に濃厚で、芳醇な昭和の香り。

素晴らしい。

これほど手つかずのまま、文明の進歩からすっかり取り残されたような「ザ・昭和」な空間が、未だにあるなんて。驚きだ。

券売機は、駐車場のカンバンよりも、だいぶ少ないラインナップ。

それに、外の看板とは微妙にお値段が違うという軽いトラップ付き。

残念なことに、券売機には「ソムリエ」も「ワインリスト」もない。

まぁここは割烹料理の店だから、それらを期待するってのも野暮な話ってものだ。

 

それはさておき、私が楽しみにしていた「裏メニュー 天玉重」が、券売機のボタンには存在しない。これには心底落胆させられる。

せっかく「裏メニュー」を注文するつもりだったのだが、食券が販売されていない以上は、どうしようもない。

よし、ならば今日は、カツ丼をいただくことにしようか。

 

ちなみに、大盛りにする場合は、「大盛りの食券」を購入するのではなく、現金で100円をカウンターで支払うシステムになっている。

店内の様子

店内の中央付近に設置されている石油ストーブ。そのすぐそばのテーブルに、事務員と思しき高齢の男性が座り、なにやら伝票の整理らしきことをしている。

食券を購入するために、財布からシワくちゃの千円札を取り出し、券売機に入れる。

しかし、どうしたことか、券売機はご機嫌ナナメのご様子。

食券を購入しようと千円札を入れると、「ジー」っと唸りながら、いったんはお札を飲み込むのだが、すぐに「ん? べぇぇぇぇぇ」っと吐き出してしまう。

あきらめずにリトライ。

「ジジー・・・」

「ん? べぇぇぇぇぇ・・・!」

「ジジジー・・・」

「んんん? べぇぇぇぇぇ・・・!!」

私の千円札の、いったい何がそんなに気に食わないというのだろう?

券売機は、なかなか千円札を受け入れようとはしてくれない。

そんなやり取りを何度か繰り返した後、ようやく券売機は、シワだらけの千円札を飲み込んでくれた。

ふと気が付くと、伝票整理をしていたあのおじいちゃんが、私の隣に立っていた。

おじいちゃんは、券売機がようやく吐き出したカツ丼の食券をササッと掴むと「はーい、カツ丼ねー!」と言い残し、調理場に入っていった。

店内の壁際には本棚が設置されている。

この小さなライブラリーが実に充実している。

なるほど、ここが運動公園とは言え、体を鍛えていてばかりでは立派な人間には成れない。

運動によって肉体を鍛え、そして読書によって頭脳を鍛える。

頭と体。

その両方をバランスよく磨き上げてこそ、成熟した一人前の人間というものだ。

だからなのだろう、この店の本棚には、頭脳を鍛えるために必要な本が大量に並んでる。

本棚には、ゴルゴ13、サラリーマン金太郎、剣客商売、代紋TAKE2、などなど・・・世界中に大きな影響を与えた歴史的な名著が並ぶ。

これぞまさに、文武両道。

こうして、ここ笠松運動公園から、明日の茨城県を背負って立つ、有望な人財が生み出されていくのだ。

茨城県の未来、いや、日本の未来は明るい。

会議室にあるような長机には、ビニールのテーブルクロスが掛けられていて、そこに並ぶ椅子はもちろん、パイプ椅子。

石油ストーブの上にのっているアルマイト製のやかんは、にぶい金の輝きを放ち、シュンシュンと勢いよく湯気を吹き上げている。

そして、調理場と石油ストーブの間には、灯油が入った赤いポリタンクが置かれている。

なんともまた、実にスリリングなレイアウトだ。

店内のすみに設置されているテレビが液晶の薄型であることが、今が昭和ではなく、令和であることを、かろうじて思い出させてくれる。

カウンターわきに設置されているウォーターサーバーから、セルフサービスのお冷をいただく。

実に美味い水だ。

水道局のたゆまぬ努力の結晶。

絶妙にブレンドされたカルキの風味に、感心せずにはいられない。

 

良く冷えた、極上の水道水を堪能していると、調理場からお呼びが掛かる。

「カツ丼のお客様ぁー!」

女将さんの元気な声が、静かなホールに響き渡る。

早い。注文して3分も経っていない。

「あ、はーい」と大きく返事を返し、厨房前のカウンターへと取りに行く。

カツ丼と味噌汁はそれぞれが立派な塗りの器に入り、どちらにもキチンと蓋が掛けられていた。

なんとも上品だ。

この辺は、さすがは割烹料理の店といったところか。

しかし、気を引き締めなくてはならない。

なぜなら、味噌汁の蓋ってやつは、ときどき椀に強烈に吸い付いていて、なかなか蓋が離れないなんてことがあるのだ。

そのせいで、蓋を開ける時に力み過ぎてしまい、思わず椀をひっくり返すってリスクが常に付きまとう。

ポテチの袋をぶちまけるような、例のアレと一緒だ。

そんなデンジャラスなジャパニーズ・ソイ・スープ。つまりは蓋つきの味噌汁。

カツ丼

緊張とドキドキの瞬間だ。まずはみそ汁の蓋を開ける。

パカッ。

おや、思いのほか、すんなりと蓋が開いた。

まずは、ひとつ。大きな山場は超えた。次はいよいよカツ丼とのご対面だ。

カツ丼の上に散らされた海苔が、磯のよい香りを漂わせている。

そのことを除けば、実に普通のカツ丼。

ああ、このカツ丼はじつに普通だ。

これほど普通のカツ丼なんて、世界中のどこを探しても出て来やしないんじゃないか?

それはつまり、これほど普通のカツ丼って、ここ、笠松運動公園のよし美でしか食べることができない、世界でたった一つのオンリー・ワンなカツ丼ってことだ。

あれほど緊張して蓋を開けた味噌汁も、普通だ。

この味を説明するのは実に簡単。

どうかカツ丼という料理の「味」を想像してみて欲しい。

それもできれば、上等なやつじゃなくって、ご近所の食堂や高速道路のSAかなんかで食べた、普通のカツ丼。

あなたが想像したカツ丼の味。

このカツ丼は、まさにその味。ごく普通のカツ丼の味そのものだ。

ここ、よし美のカツ丼は、その想像の範疇を決して上回ることはない。

でも、決して下回ることもない。

我々の想像するカツ丼や、思い出の中のカツ丼。それがコレ、カツ丼そのままの味がするカツ丼。

なんだか懐かしい味がする。

懐かしい思い出の味が蘇る。

でも、すこしだけ普通じゃなかった。

なぜならこれ、普通のカツ丼よりも、だいぶデカい。

豚のカツが、かなり多い。

このカツ丼は、トンカツを1枚ではなく、1.3枚くらい使っている。

トンカツが1.3枚? それってどういうコト?

 

それって、こういうことだ。

豚ロースのトンカツといえば、普通は楕円形をしている。

たいていのブタロースは、脂身の付いている側が長くて、オーバルコースのような楕円の形。

だから、そんな楕円形のトンカツを、まん丸いどんぶりに乗せると、すき間ができる。

ここ「よし美」の勝負丼は、トンカツが覆いきれないどんぶりの「すき間」にも、ちゃんとトンカツがのっている。

トンカツ1枚分の肉では埋めきれない「すき間」を、一枚目のトンカツとは別の「2枚目のトンカツ」の切り身がのせられている。

よし美の勝負丼とは、つまりはボリュームがあるとはいえ、普通のカツ丼。

しかし、普通を侮るなかれ。

普通ってのは、意外と手に入らないものだ。

例えば。

普通に恋人を作り、普通に就職して、普通(か、できればそれ以上)に給料をもらい、普通に結婚して、普通に子供を作り、普通に幸せな家庭を築く。

そんなのが、普通の幸せのシンボルだとするならば、そんな「普通」であるはずのモノを、私はの何一つ持っていない。

そうだ。普通ってのは、思ったより簡単には手に入らないものなのだ。

そんな私に比べて、このカツ丼は、ちゃんと「普通」に美味しい。私が持っていない「普通」ってやつを、ちゃんと手に入れている。

恐るべし、カツ丼。私の完敗だ。

さすがは割烹。あなどれない。

それにしても、こうして自分の境遇を客観的に振り返ってみると、なんだか凹む。

 

それはさておき、このカツ丼のお肉は、ちょっと瑞々しさが足りていない。

料理を注文してから、提供するまでの速さを考えるに、カツ丼に使われているトンカツは、おそらくあらかじめ揚げておいたものなのだろう。

そのせいなのか、揚げたて直後の熱によって水分が失われてしまっていて、ちょっとパサついている。

茨城県が誇るブランド豚は多い。ローズポーク、キングポーク、美明豚、常陸の輝き、弓豚などなどなど。

このカツ丼の肉は、それらブランド豚にきっぱりと背を向ける。

「ブランド豚? け、気取ってんじゃねぇや、豚なんてやつは、しょせんは豚だろ!?」と言わんばかり。

なんとも潔い。

漢のカツ丼。

 

さて、調理が終わったご主人は、ふたたびストーブに近い客席に座り、伝票の整理を再開した。

なんだか昭和な風景で、なんとも昭和な空間だ。

店内の空気は、昭和のリズムでゆっくりと時を刻む。

 

私のほかに客といえば、ファミリーが1組と、ぼっちなおじさんが一人。

私を含め、誰もアスリートって雰囲気ではではない。

ケミカルな色合いのお漬物をいただく。

普通のカツ丼をいただいて、大いに満ち足りた気持ちになる。

食後のシメに、熱くて濃いお茶を飲みたいところだが、あいにくとそんな物は運ばれてこない。

ならせめてもと、セルフサービスのお冷を飲んでいると、なんの前触れもなしに、店主はカチッとライターをひと鳴らしさせ、タバコを吸い始めた。

 

おいおいおい。

客のいるホールで、しかも食事中の客の前で喫煙か。

しかも、ここは笠松運動公園。スポーツ施設だ。子供たちも大勢来るところで喫煙とは。

いくらなんでも、そりゃないぜ。

マナーやモラルまで、昭和まで戻さなくてもいいのに。と、ちょっとトホホな気分になる。

食事が終わった後は、厨房前のカウンターに食器を戻す。

ごちそうさまを伝え、店をでた。

普通のカツ丼は、普通以上にボリュームがあり、すっかり満腹だ。

店を出ると、目の前には巨大な競技場。

体育館の方を見学に行く。

この日はミニバスケットボールの試合が行われていた。

チャーシューメン

翌日。

この日は勝田全国マラソン大会の日。

ひたちなか市(旧勝田市)で毎年1月の最終日曜日に行われている、全国規模のマラソン大会。

毎年決まってこの日には、ひたちなか市をグルリと囲むように交通規制がしかれる。

それを忘れて、ついうっかりとクルマで出掛けると、行く先々で交通規制に阻まれて、市内から出ることができない。

その結果、貴重な休みの日を、1mmも動かない大渋滞の中で過ごすことになる。

もし、首尾よく市外に出れたとしても、その帰り道で、やっぱり交通規制による渋滞に捕まる。

おかげで家がある市内に入ることができず、結局は貴重な休みの日を0.1mmも動かない大渋滞の中で過ごすことになる。

だから、勝田マラソンの日のランチはご近所で済ませるに限る。

こんな日に、うかつにクルマで出掛ければ、進むも地獄、戻るも地獄の真っ只中に身を投じるようなものだ。

そんなわけで、二日続けて笠松運動公園の割烹料理店を訪ねてみることにした。

ただし、今日はクルマではない。

なにしろご近所だ。だから今日は、自転車に乗ってよし美へと向かう。

開店直後の時間に到着。

前日の店の雰囲気から、昼時でもたいして客は入らないだろうと考えていた。

しかし、その予想は完全に裏切られる。

黒いジャージ姿の男たちが、次々と店内へと入っていく。

「割烹よし美」は、3人から5人組のジャージ男を次々と飲み込む。

ざっと50人ほどのジャージが店の中へと消えて行く。

もし今すぐに店に入ったとして、私が料理を注文してから食事にあり着くまでに、いったいどれほど待つことになるのだろう?

今、店に入るのは得策ではない。

勝田マラソンによる交通規制の網を自転車でかいくぐり、やっとたどり着いた「割烹 よし美」。

もし今すぐに店に入ったとしても、ジャージ軍団の中では、日曜日のランチをゆっくりと楽しむことはできないだろう。

ならば、ジャージ集団がはけてから、ゆっくりと食事をとるのが正解だ。

少し時間をつぶしてから店に入ることにしよう。

ジャージ軍団が食事をしている間に、遠くに停めた自転車を、近くの駐輪場へと移動することにした。

デカい陸上競技のスタジアムを半周して、駐輪場へと向かう。

ここから駐輪場までは歩いて10分ほどだ。

自転車を取りに往復すれば、ちょうといい時間つぶしになる。

梅の花が咲き始めていた。

まだ開かない蕾もふっくらとして、春が、すぐそこまで近づいて来ていることを知らせてくれる。

駐輪場ちかくのスイミング・アリーナ。

ようするに水泳場。つまりはプール。

このプールは、冬の間、アイススケート場になる。

看板を見るに、ジョイフル山新がスポンサードしているようだ。

近くの駐輪場まで自転車を運び、ふたたび「よし美」に戻ってきた。

店の窓ガラスが曇っていて、中の様子を伺うことはできないが、黒ジャージの軍団が店に入ってからすでに30分ほどの時間が経っている。

腹もグーグーと鳴っていることだし、店に入ってみることにした。

黒ジャージの集団はすでに居ない。

昼のピーク時だが、客もまばらな店内。

チャーシューメンの食券を購入。

今日は千円札ではなく、小銭を使って購入した。

至高の水道水で、喉を潤す。

注文から提供するまでの時間がメチャ早い。

厨房から大声で「チャーシューメンのお客様ぁー!」の呼びかけに応じ、出来立てのチャーシューメンを持って席に戻る。

やや沈没気味の具材。

チャーシューは水面下に沈んでいる。

ラーメンに絶対外せないのがワカメ。

この香りがたまらない。

海外では食材と見なされていないワカメは、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれているそう。

繁殖力旺盛なワカメが、カキ、ホタテなどの養殖魚介類の成長を阻害するのだとか。

ナルトには特に思い入れがない。

沈没気味で、かろうじて水面から顔を出すゆで卵。

ネギ。

ラーメンと言えばこれ。

これがなくちゃ始まらない。

スープ。

申し分なく美味しい。

ラーメン業界とラーメン好きは、化学調味料に寛容だ。

おかげで今時はどこで食べても大きく外すことは無いのがありがたい。

でも、このスープはちょっとだけ甘め。

ホワイトペッパーの出番。

こいつを使って、客の好みにアジャストするってのが、昭和の正義。

ワサワサとホワイトペッパーを振りかけることで、このチャーシューメンは完成する。

伸びてはいないけれど、コシがぬけた麺。

つまりは消化に良い麺。

アスリートの胃袋に対して、最大限の気遣い。に違いない。たぶん。

やはり沈没気味のチャーシュー。

あ、これ、美味しい。

チャーシューは厚切りで4枚。

時間をかけて煮込まれているのか、とても柔らかくほぐれる。

肉の味がしっかりする。脂分が少ないアスリート仕様。

馬鹿にならない美味さ。

メンマ。

歯ごたえ要員。

麺の量は、ジャスト1玉ってところ。正直物足りない。

ならば追加で焼きそばを行ってみよう。

焼きそば

石油ストーブは意外とパワフルで、ストーブの上にのったヤカンからは力強く湯気がふき出して、窓ガラスを盛大に曇らせている。

さっそく焼きそばの食券を購入し、厨房の女将に手渡す。

「1泊3食付き。2705円~3680円内で宿泊できます」

安すぎる。

どうやらスポーツのための合宿プランがあるようだ。

「焼きそばのお客様ぁー!」「はいはいはい」

ニンジンと玉子。

焼きそばの具材に玉子ってのが珍しい。

さっそくこの玉子から頂いてみる。

ほうほう、なるほど!

玉子ってやつが、焼きそばの具材のレギュラーメンバーになれない理由が、ちょっとわかった気がした。

だが案外とソース味の玉子焼きってのも悪くはない。

別に良くもないのだけれども、悪くはない。

もやしがたっぷり。

たっぷりのモヤシが嬉しいかどうかは個人の好みによるのだろう。

モヤシの水分が、麺をグダグダに甘やかすから、私は好きではない。

キャベツ。

焼きそばのキャベツだなぁ、という感想以外は特に何もないキャベツ。

焼きそばの麺は、ラーメンと同じような中華麺だった。

しっかりと麺の味がする。しかしちょっとコシ抜け。

できれば、もっと硬い麺のほうがいい。

期待していたのは、縁日の夜店の焼きそばの麺。

あの安っぽくて、安い、チープな麺で作った焼きそばが食べたかった。

唯一の動物性たんぱく質の大役を担うのは、ご存じ魚肉ソーセージ。

いわゆるギョニソー。

ここは、できれば豚バラを刻んだやつが欲しいところ。

うそのように赤い紅ショウガ。

このわざとらしい赤さも、焼きそばには大事な要素。

この焼きそばは、先に頂いたチャーシューメンよりも麺が多いように感じた。1.5玉くらいだろうか。

たっぷりと振りかけられた青のりは、香りが飛んでいて見た目の美しさ以外には役にたっていない。

ところで、焼きそばって、鉄板で焼いた方が美味しくなるのだろうか?

あの夜店の鉄板焼きの焼きそばの美味しさって、何によって作られるものなのだろう?

 

ごちそうさまでした。

昭和ノスタルジーに、肩までドップリとつかることができる貴重なお店、それがここ割烹よし美。

実際のトコロ、ネガティブな印象はあまりない。むしろこんなお店が大好物。

ぜひまた伺いたい。でも、焼きそばは、もう注文しないと思う。

割烹よし美の基本情報

割烹 よし美の場所はこちら

佐和駅からは3.6Km。歩きで45分。

東海駅からは3.5km。歩きで44分。

歩きではキツい距離。

割烹 よし美の基本データ

 割烹 よし美の基本データ 

 住  所 

 〒312-0001 茨城県ひたちなか市大字佐和2197−28

 電  話 

 080-5374-0443

 営業時間 

 11時00分~14時00分
 17時00分~20時40分(※1)

 定 休 日 

 水曜日

(※1) 冬季は夜の営業をしていないかも。夜に行くならお電話してみてください。

割烹 よし美のメニュー

※ 価格は2020年01月のもの。

 よし美のメニュー 

 ラーメン
  680円

 チャーシューメン
  800円

 トンカツ定食
  850円

 煮魚定食
  800円

 かつ丼
  750円

 親子丼
  660円

 カレーライス
  700円

 カレーうどん
  650円

 ざるうどん・そば(夏限定6月~9月)
  600円

 冷やし中華(夏限定6月~9月)
  700円

 天ぷらうどん・そば
  650円

 鍋焼きうどん
  700円

 うどんスパゲティ
  650円

 焼きそば
  650円

笠松運動公園の様子

 

60名が宿泊可能。

陸上競技場。

夜用の照明。

プールは冬季の間、スケート場になる。

プール(とスケート場)の建屋。

そういえば昔、スケートで利用したことがあるのを思い出した。

スケートリンクは11:00 ~ 17:45の営業。

定休は水曜日。

帰りは勝田マラソンによる交通規制に出くわした。

この日、ひたちなか市には全国のアスリートが集まり、42.195km先のゴールを目指し、ひた走る。

我が故郷の、早春の風物詩。