【123 Dzô(モッハイバーヨー)】ベトナムの庶民的な味からロイヤルを超える特別な味まで堪能できるベトナム料理のお店 @茨城県水戸市

これまでの人生で、ベトナム料理を食べる機会はあまりなかった。

その大きな理由は、茨城県の県央地域にベトナム料理の店が少ないということ。

インドカレーの店やタイ料理の店の数に比べると、ベトナム料理店の数は圧倒的に少ない。ほぼ皆無。

だから生春巻きやフォーくらいは知っているけれど、正直に言えば他にどんな料理があるのかよく知らない。

123 Dzô(モッハイバーヨー)

ということで、今回はご紹介するのはそんなベトナム料理のお店『123 Dzô(モッハイバーヨー)

ベトナム出身のオーナーが、茨城大学の卒業後にはじめらてたお店だ。

ちなみに店名のモッハイバーヨーとは、ベトナムでの乾杯の際の掛け声なのだそう。

 

やぁ諸君ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

お店の外観

お店の場所は、JR常磐線水戸駅の南口から歩いて10分ほどの距離にある。

お店を正面から見ると小さく見えるが、建物には奥行きがあり、店内は見た目よりもだいぶ広い。

また2階にも席が用意されているようでけっこう収容力がある。

店内の様子

店内に入ると「いらっしゃいませー」とベトナム人の女性スタッフさんに出迎えらた。

1人であることを伝えると「足元に段差があるのでお気を付けください」と注意を促されつつ、カウンター席へと案内される。

厨房の中には数名の若いベトナム人のスタッフさんたちが働いていて、カウンター席に座るなり「いらっしゃいませー!」といっせいに元気よく挨拶してくれた。

なんとなく居酒屋っぽい雰囲気の店内。

カンター席の他には4人掛けのテーブル席が設置されている。

蒸し春巻き+焼きモミジ+アボカドスムージー

カウンター席にメニューはなく、代わりにQRコードの書かれた紙が置かれている。

このQRコードをスキャンすると、スマートフォンの画面にメニューが表示されるって仕組み。

メニューには料理ごとに写真と簡単た説明、それに税込み価格が表示される。

食べたい料理とその個数を入力してカートに入れて、最後に注文を確定すれば、厨房のチャイムが ピンポーン! っと鳴って注文完了だ。

このシステムによりオーダーを取るための人員は不要となり、なおかつ日本語とベトナム語の壁がなくなる。

すばらしい。

メニューにはフォー、バインミー、生春巻きなどの定番から、ベトナムのお好み焼きなんてのもある。

しかしまず最初に食べるべきは、この店の一番人気だという『蒸し春巻き』だろう。

じゃなくて蒸し。蒸した春巻き。

なんでもベトナムでは毎朝たべるほどポピュラーな料理らしい。

平日であればお得なランチセットをいただけるが、この日は土曜日のためランチは無し。よって単品でのオーダー。

これと『焼きモミジ』に『アボカドスムージー』を注文した。

お客さんはベトナム人が多く、店内はベトナム語が飛び交う。

注文が入るたびに若いスタッフたちは「ありがとうございまーす!」と日本語で応える。

それにしてもえらく活気がある。

ほどなくして運ばれてきた『蒸し春巻き』。

スクエアなお皿には春巻きが3本。

注文時に春巻きの本数を3本、4本、5本から選べる。もちろん本数ごとに料金は異なる。

初めての蒸し春巻きなので、基本の3本でオーダーした。

蒸し春巻きはあらかじめひと口分に切り分けられている。

付け合わせはベトナムのハム。

モヤシ、キュウリ、なます、キャベツ。

東南アジア料理でお馴染みの甘酸っぱいタレ。たぶん日本でいうところの醤油みたいなポジションの調味料なのかな。

細かくクラッシュしたニンニクが入っている。

こちらは『焼きモミジ』

ベトナム料理なのにモミジという日本風のネーミングってのにひかれて注文してみた。

なかなかアグレッシブ戦闘的なルックス。

鶏の足が8本と、思っていたよりも量が多い。

まずは蒸し春巻きから食べてみよう。

小皿にとった春巻きにタレをぶっかけパクっと食べてみると、おお、なるほどこりゃ美味い。

決して「天地がひっくり返るほど美味い!!」ってわけではないけれど、でも間違いなく美味い。

なんというか庶民的な味だ。

これがベトナムの朝食の定番っていうのも納得。

蒸した春巻きの皮はもっちりモチモチでぷるんぷるん。

中につつまれているのは挽肉と刻んだキクラゲ、それにタマネギ。

トッピングされているのはフライドしたなにか。

たぶんタマネギか?

たとえばこれをベースにして、ここに好きな具材や調味料を足すことで、いくらでも自分好みの味へと変えることができそうだ。

カスタマイズに対する懐の深さがある。

タレはかけても浸けてもいいそうなので、つけてみる。

付け合わせの野菜たちは、どのタイミングで食べるのか分からない。

とりあえず春巻きにのせて食べてみる。

漬物的な箸休めのポジションなのか。

キュウリはシャキっとした歯ごたえが良く合う。

ちなみに春巻きは、皿からタレに移す際にけっこう具材がこぼれる。

揚げ春巻きのような皮で包み込む形ではなく、両端が切り落とされたチューブ状になっていて、さらに具材が細かく刻まれているのでこれは如何ともしがたい。

なので、こぼれた具材のみをスプーンですくってタレにつける。

残してしまってはもったいない。

具の最後の最後までいただいてフィニッシュ。

大変おいしゅうございました。

たしかに蒸し春巻きは美味かった。ライトな感じは朝食にぴったりだし、平日のランチにも申し分ない。

しかし、せっかくの休日のランチ。もうすこし腹にガツンと来るパンチのあるものが欲しい。

ということで『焼きモミジ』の出番ってわけだ。

もう見るからにパンチのかたまり。

付け合わせにパクチーが添えられている。

チリソースの入ったタレ。

食用になる「動物の足」の代表と言えば、まず思いつくのは豚足だろう。

豚足はゼラチン質でコラーゲンがたっぷり。酢味噌で食べるのが一般的だろうか。

さて、鶏の足モミジはいったいどんな味がするのだろう?

タレをつけたモミジはその指先から赤いソースがしたたり落ち、なんだか黒魔術の道具っぽい。

もしくは猟奇的な殺人事件の現場に残されたガイシャの体の一部のようだ。

いずれにしてもなかなか禍々しさ。

スプーンに乗せ、おそるおそる口へと運ぶ。

か・・・硬い・・・ッ!

 

まずは前歯で噛んでみたが、鶏の足は硬すぎて、文字通りまったく歯が立たない。

硬すぎる。

口の奥にむりくり押し込んで、ググッと奥歯に力をいれてようやく噛み砕く。

その食感はバッキバキボッキボキ

じつに骨っぽい。

いや、骨というよりもこれは鳥の足そのものだ。

食べる直前までは「きっと食べやすく調理されているんだろうな」とか「見た目は多少アレでも食べれば美味しいんだろうな」だなんて思っていたが、考えが甘かった。とてつもない思い違いだった。

これは豚足とはまるで違う。まさに鶏の足としかいいようがない。

正直、食べるのがツライ

もしかしたら食べ方が間違っているのだろうかとも思い、ネットでモミジ焼きの食べ方を調べてみる。

しかし、”モミジ”、”鶏足”、”食べ方”、などのキーワードで検索しても、特にこれといった有益な情報が見つからない。

見つからないどころか、なかには「ぷるんぷるん」だなんて紹介されている。

またまた御冗談を。

いったいどこにプルプルな要素があると言うのだろうか? 丸ごと食べたってのにそんな部分はいっさい無かったぞ。

もしかしたら表面の薄い皮を食べる料理なのか? だとすると可食部分はあまりにも少ない。

結局モミジの食べ方が分からない。

悪戦苦闘しつつ、どうにかこうにか2本ほど食べたタイミングで『アボカドのスムージー』が運ばれてきた。

陽気でカラフルなパラソルを差したアボカドのスムージー。

なんとなくリゾート的なドリンクを思わせる陽気な見た目にささくれ立ったココロが癒される。

なんというか地獄で仏。

これを飲んで『モミジ焼き』との戦いからはいったん離れよう。

で、このアボカドスムージーがヤバい。

 

びっくりするほど美味い!

粘度高めなためストローでは飲みにくいのでスプーンで食べる。

甘さ控えめでさっぱりとしているのに、でもコッテリと濃厚。そして青く爽やかな風味。

 

この世にこんなにも美味しいものがあったのか!

 

今まで知らなかったアボガドの新たな可能性を見た。

アボガドって使い方次第ではデザートにもなるのか。

モミジとは真逆の意味で驚いた。

アボガドスムージーを味わう至福の時間。

しかし飲み終えてしまえば、ふたたび厳しい現実と向かい合わなければならない。

その現実とは言うまでもなくモミジ

まるで地獄の底から這い上がってきたように見える。

「こッ・・・こいつッ!?  さっきよりもこっちに近づいて来ているんじゃあないか!?」と、そんな錯覚さえ覚える。

新手のスタンド使いに攻撃されているような気分だ。

改めて1本食べたところで戦意喪失

これはどうにも手にあまる。

ということで、モミジ8本中3本をどうにかこうにかやっつけたところでギブアップ

完全敗北だ。

ベトナムを甘く見ていた。

料理を持ち帰りたい旨を伝えると、すかさずお持ち帰り用のパックとビニール袋を用意してくれた。

このモミジたちは、家に持ち帰ってペットとして大切に育てようと思う。

きっと良い友達になってくれるはずだ。

思わぬところでファミリーが増えた。

そのうち卵でも産んで数が増えるかもしれない。

ベトナム人のお客さんたちはスマホではなく直接口頭で注文している。

スマホに表示されるメニューは日本語表記だから、アレはあくまで日本人向け。

牛肉フォー+牛肉バインミー+燕の巣のジュース

ベトナムを代表する料理といえば『フォー

米粉で作ったラーメン。というかウドンと表現したほうが近いだろうか?

ということで、この日はフォーを食べようと決めて来た。

そして注文したの『牛肉フォー』。

真上から見るとこんな感じ。

少し褐色を帯びた半透明のスープ。その上には牛肉とタマネギ、それに小口切りの青ネギが振られている。

ショウガの千切りが添えられていてこれがまた良い香り。

中央の赤いものはチリソース。

フォーにはレモンがいっしょに提供される。

絞って入れるってことだよね。

こちらは調味料の酢ニンニクとチリソース。

酢ニンニクってなんだろう?

まずはスープをひと口すする。

透き通ったスープは、その透明な見た目とは裏腹に意外なほど旨味濃厚。

ベースに鶏ガラと、たぶん牛骨を使っているっぽい。

コショウとの相性が良く、かつピリリとした辛味がアクセントになっていてメチャ美味い

米粉で作るフォーはツルツル。

うどんのようなモッチリ感はまったくなく、プッツリとした歯切れのいい食感。

とストレートなフォーの麺はスープがまったく絡まないように思えてしまうが、でもやっぱり絡まない。

しかし、麺がスープを吸っていて、スープを含んだ麺はちゃんとスープの旨味を口の中へと運んでくれる。

使われている牛肉は、いわゆる正肉ではなく内臓肉。

この肉がどの部位なのかは分からないけれど、柔らかい中にも少しコリコリとした食感があってイイ感じ。

ここらで気になる酢ニンニクを使ってみよう。

さっそくマシマシに盛ってみると、ニンニクの香りが一気に広がって食欲を掻き立てる。

スライスされたニンニクは食べるとシャクシャクの食感。

なによりもニンニクのフレーバーが強烈だ。

このニンニクと酢の酸味が優しい味わいだったスープを一気に刺激的なものへと変化させる。

これ、すごく良い。

ついでにチリソースも投入。

で、これがまた良い。

辛味とニンニクが加わることで味わいはちょっとジャンクフード寄りになるけれど、でも美味い。

調子に乗ってニンニクとチリソースを入れ過ぎる。

むやみに入れ過ぎたせいでフォーはものすごくジャンクな味になった。

透明だったスープがいつの間にか赤味をおびてしまった。

酢ニンニクとチリソースの刺激を もっともっと と求め過ぎた結果、スープ本来の持ち味を曇らせてしまった感が否めない。

いまさら後悔しても遅い。いくら嘆いたところで、あの透明な味わいはもう決して戻っては来てくれない。

牛丼屋の紅ショウガと同じだ。こういうものは節度を持って使わなければ。

この日の客のなかで、日本人は自分だけだと分かった。

なぜなら麺をズルズズズ~っとすするのは自分だけだったからだ。

なんだかその音がとても気になってしまう。

いわゆるヌードル・ハラスメント。略してヌーハラだ。

この音で周囲のお客さんたちに不快感を与えてやしないだろうか? と不安になったが、結局最後までズルズルと美味しく頂いた。

お次は『牛肉バインミー

具材はメインの牛肉に、キュウリ、ニンジン、ダイコン、レタスなどがサンドされている。

バインミーとはいわゆるバゲットサンド。

使われているバゲットがふっくらしていて、これだけでも十分に美味しい。

甘辛い味付けを施した牛肉とバリっとフレッシュな野菜。

チリソースが入っていてピリっとしている。

これ何本でもイケそうなくらい美味い。

こちらはデザート代わりに注文した『ツバメの巣のジュース

スープじゃなくてジュース

缶の色はゴージャスでリッチなゴールド。

原材料の欄にもちゃんと「ツバメの巣」と記載されている。

あとは砂糖と白キクラゲと寒天。

ベトナムで製造されたものを横浜の会社が輸入しているようだ。

缶の表面にはツバメが舞う。

ラベルに書かれているnuocという文字はヌオックと読み、その意味は水とかジュースとか液体を指す言葉。

たとえば、ベトナム料理に欠かすことができない調味料ヌクマム(ニョクマム)はnuoc-mamと書き、その意味は魚などを塩漬けにした食物の液体となる。

なるほど。

グラスに注いでみると、何かがわちゃわちゃーと入っている。たぶんこれがツバメの巣なのだろう。

なんといってもツバメの巣といえば高級食材の代名詞。だからお目にかかるのはこれが初めてだ。

さっそく飲んでみると、ジュースには少しトロミが付いていて、砂糖の甘さ、そしてほんのりわずかにココナッツっぽい風味。

原材料にココナッツは含まれていないから、これがツバメの巣の味・風味なのかも。

グラスに浮くわちゃわちゃは、やわらかいゼリーのような食感。

おそらく、このわちゃわちゃの大部分はツバメの巣に似せたシロキクラゲと寒天を加工したなにかで、本物のツバメの巣はごく一部なのだろう。

この数日後、久しぶりに妹と会う機会があった。

そのときに「最近、ツバメの巣のジュースを飲んだんだよ」という話をした。

すると妹はツバメの巣のジュースにたいへん興味を引かれたらしく「へぇー!? ツバメの巣ってどんな味なの???」と、じつに素朴な疑問を投げかけてきた。

ま、想像がつかないの無理はない。

なにせ貧しい生まれだ。

きっと高級食材である「ツバメの巣」なんて縁のない人生を送ってきたのだろう。

だからそんな妹を気の毒に思い、できるだけ分かりやすく説明をしようと思った。

 

そりゃもちろん! ツバメの巣の味だよ!

 

そう率直に答えたところ、なぜか妹はものすご~~~くイヤな顔をした。

的確にツバメの巣の味を表現したつもりだったのだが、どうやらその答えがお気に召さなかったらしい。

やれやれ。

まったくバカな女だ。

特別お好み焼き+練乳バインミー+ベトナムドリップコーヒー

さてモッハイバーヨーも3回目。

いつものようにカウンターへと案内され、これまたいつものようにQRコードをスキャンしてメニューを物色する。

前々から気になっていた「お好み焼き」のメニュー。

そのなかでも『ロイヤルお好み焼き』ってやつがものすごく気になる。

なんつってもロイヤルだもんな!

ロイヤル・・・! でもって、お好み焼き・・・!!!

なんというパワーワード。

期待せずにはいられない。

これは是非にでも食べてみたい。

しかし注文するのは『特別お好み焼き』だ。

ロイヤルお好み焼きが1,280円なのに対し、特別お好み焼きは1,480円と、その差額は200円

つまり、『特別』は『ロイヤル』よりも200円分スゴイってこと。そしてだからこそ『特別』ってワケだ。

ロイヤルのひとつ上を行くスゴイやつ。

さて、ベトナムのコーヒーといえば練乳を使うことでよく知られている。

ということで『ベトナム・ドリップ・コーヒー』をアイスで注文。

グラスの下にたまる練乳こそがベトナムコーヒーの証し。

練乳入りのコーヒーと言えば、われわれ茨城県民はまずまっさきに『マックス・コーヒー』を思い出す。

今までは「たんに甘いコーヒー」だと思っていたけれど、これってもしかしてベトナム・コーヒーからインスパイアされたものなのだろうか。

ペーパードリップではなく、小さな穴が開けられた金属製の容器を使うため抽出には時間がかかる。

食事をしながらコーヒーができるのを待つとしよう。

こちらは『練乳バインミー

練乳にバインミーを付けて食べるというシンプルなもの。

デザート代わりに注文してみた。

こちらが『特別お好み焼き

大皿いっぱいに具材がのっている。

皮は薄焼きの玉子かと思いきや、これは米粉にウコンを混ぜたものなのだそうな。

2つ折りにした皮の中に具材が包み込まれていて、お好み焼きっていうよりも、どちらかと言えば「薄皮オムレツ」って印象だ。

皮を広げるとこんな感じ。

モヤシ、タマネギ、チャーシュー、青ネギ、エビなど具材がどっさり。

さらに大量のサニーレタスを土台として付け合わせのキュウリ。

ニンジンとダイコンのなます。

大葉。

野菜マシマシの超ヘルシーな構成だ。

タレが付いて来たけれど、使い方がわからない。

これをお好み焼きにぶっかけて食べるのだろうか?

さらに使い方がよく分からなかったのがコレ。

なんなんだコレ?

どことなく「お風呂道具」を思わせるような半透明のプラスチック製の何か。

食事といっしょに提供されたのだから、きっとこれは『特別お好み焼き』を食べための道具なのだろうけれど、しかしどう使うものなのか見当がつかない。

コレっていったい???

スタッフさんに声をかけて食べ方を尋ねる。

すると「お好み焼きの食べ方」が書かれているプレートを持って来てくれた。

さて、お好み焼きを食べるための4つのステップは以下の通り。

 ライスペーパーを水でぬらします。
 その上に具材をのせます。
 で、グルグルっと巻きます。
 最後にタレをつけて食べます。

なーんだ、簡単じゃないか。

あらためて謎道具を見てみると、なるほどコレはライスペーパーなのか。

へぇー。

この容器を真上から見ると、容器の断面はちょうど川の字のように3つのスーペースに区切られている。

その3つのスペースのうち外側2つには水が入っていて、残る真ん中のスペースにライスペーパーとハサミが入っている。

ライスペーパーを1枚手に取り証明の明かりにかざしてみる。

薄い。とても薄いのにカッチコチに硬い。

注意書き。

清潔な手で作ること。

ライスペーパーを水に浸けると半透明になった。

数十秒ほど待つとカッチカチだったライスペーパーが水を吸収してテ~ロテロに柔らかくなる。

ふむふむ。

で、ラップ状のライスペーパーに具材をのせてグルグル~っと巻くわけね・・・

 

って・・・ええっ!?

 

こっこれは・・・ッッ!!

 

生春巻きだッ!

 

こ、こいつ生春巻きになったぞッ!!

 

ななな、なんと面妖な・・・

すでにお好み焼きっぽさなんて微塵も残っていない『特別お好み焼き

お好み焼き感はまるでゼロだが、はたしてこれをお好み焼きと呼んでいいものなのか・・・?

そんな疑問を持ちつつも、とりあえずタレにつけて食べてみる。

甘酸っぱくてちょっとピリ辛のいつものタレ。

ああ、でもこれ美味いな。

具材のモヤシとタマネギと豚肉。

シンプルな具材たちだけれども、コイツら各々がちゃんと自分の役割をまっとうしている。じつに働き者だ。

とくに豚肉は叉焼っぽいロースト仕立て。ほんのり八角っぽいフレーバーをまとい、味の方向性を導くリーダー的な存在になっている。

お好み焼きと一緒に提供されたライスペーパーは9枚。

1枚あたりどれくらいの分量の具材をのせるのがベストなバランスなのだろうか。

なにしろ初めてなので、具材を分配するペースがわからない。

とりあえず2つ目を作ってみる。

今度は大葉とキュウリを追加。

水を含んだライスペーパーは粘着力があって、しかも少し伸びる。まるでサランラップのようだ。

その性質のおかげで具材をピッチリとホールドしてくれるから、ぎゅぎゅっと具材を締めて春巻きに仕上げるその作業自体がとても楽しく気持ちがいい。

ちょっと困ったのがタレ。

春巻をタレにつけて持ち上げると、タレは春巻きの中を通って反対側からしたたり落ち、手にかかる。

そのタレが手をベトベトにする。

料理の写真を撮るためにカメラを持たなければならないので、手がタレまみれになるのはちょっと具合が悪い。

ということでお箸の出番だ。

箸を使うことで手は汚れなくなった。しかし、これはこれでメンドクサイ。

なにせ、素手で春巻く → それを箸でつまむ → カメラを持って写真を撮る。と、この手順がどうにもまどろっこしい。

だから結局は箸を使わず、素手で食べることにした。

サニーレタスも巻いてみる。

それとエビ。

エビはまるっと1尾に見えるが、じつは縦半分にスライスされている。

シビアなコスト管理。

ま、ビジネスってやつはいつでもシビアなものだ。

3つ目にしてだいぶ上手に巻けるようになってきた。

なにげにキュウリがよく合う。

目の前には紙ナプキンが用意されているから、手に付いたタレをふき取るのに重宝する。

具材に魚をつかってもよさげ。

たとえばシメサバとかイワシとか、青魚の相性よさそう。

ところでこのお好み焼きの皮がじつに優秀だ。

具材の上側の皮はパリパリの歯ごたえ。下側の皮は、挟み込んだ具材の野菜から出る水分を吸ってモッチリとした食感に変化している。

一枚の皮が2つの異なる食感を生み出していて面白い。

こちらは上側のパリパリの部分。

気が付けばライスペーパーは残り4枚。

具材はまだけっこう残っている。

ライスペーパー9枚って、ご飯にすれば何膳分だろう?

米をつぶして作るのだからお餅みたいなものか。どうりでけっこうお腹にたまる。

実際のところ、この日は夜中までお腹が空かず、その腹もちの良さに驚かされた。

さてライスペーパーもいよいよ最後の1枚。

完全に具材の配分のバランスを誤って、具材は残り過ぎている。

最後のライスペーパーの上に残りすべての具材を無理くりのせ、ギュゥギュゥに締め上げる。

無理をしたせいでライスペーパーが破けてしまった。

ああ、無残。

気にせず食べてフィニッシュ。

ベトナム式『特別お好み焼き』とても美味しゅうございました。

お好み焼きを食べ終わるころ、コーヒーもすっかり準備が整った。

氷を入れてグルグルっとステアすると底にたまっていた練乳とコーヒーが混ざり合ってこんな色合いに。

プレーンなバインミー。

そして練乳。

バインミーはきめ細かく、小麦感がほど良くつまっていて「外側はカリッと中はふっくら」のお手本のような仕上がり。

これって外注しているのだろうか。

デザートのつもりで注文したが、これはデザートというよりベトナム式の午後3時のおやつって感じ。

ベトナムコーヒーの甘みは意外とあっさり。

マックスコーヒーのようなどぎつい甘みを想像していたがそんなことなかった。

時間をかけて抽出したのでしっかりとコーヒー感が強く、それがまた甘いバインミーによく合う。

バインミーと甘いコーヒー。

ベトナムのカフェで休日の午後を過ごしているかのような、そんなゆったりとした気分になる。

お客さんはベトナム人が多い。

茨城ってこんなにベトナム人が住んでるの? と思ったらどうやら近県からこの店にやって来ているらしい。

つまりは本場のベトナムの方たちにも評判のお店ってことだろう。

遠く離れた日本で生活する人々が求める故郷の味ってわけね。

ツバメの巣のジュースが売っていた。240mlで350円。

お隣の赤い缶は『スティング』というエナジードリンク。

この並びで陳列されているってことは、もしかしてツバメ巣のジュースってエナジードリンク的な飲み物なのか?

 

123 Dzô(モッハイバーヨー)の基本情報

123 Dzô(モッハイバーヨー)の場所はこちら

駐車場はお店の前に2台分と、お店から少し離れた場所にある。

123 Dzô(モッハイバーヨー)の基本データ

 123 Dzô(モッハイバーヨー)の基本データ 

 住  所 

 〒310-0804 茨城県水戸市白梅1丁目9−6

 電 話 

 029-291-8291

 営業時間 

 日~木:11時00分~15時00分、17時00分~22時00分

 金土日:11時00分~22時00分

 定 休 日 

123 Dzô(モッハイバーヨー)メニュー

 123 Dzô(モッハイバーヨー)のメニュー 

 メニュー 

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