【うなぎの店 東條】うなぎの蒲焼きと白焼きを同時に楽しめちゃう夢のワンダランが水戸にあった@茨城県水戸市

2021年もすでに桜の季節を過ぎた。

間もなく新緑の時期となり、やがて季節は夏を迎える。

夏か・・・暑いのはイヤだ。

しかしイヤでも夏はやって来る。

ならば夏に備え、ここらでいっちょスタミナでも付けてやろうかと思い立った。

まぁ、別にスタミナを付けて何をどうこうしようって訳でもないのだけれども、きっと無いよりは有ったほうが良いはずだ。スタミナ。

それに有っても邪魔にならんし。

うなぎの店 東條

さて、スタミナといえば何と言ってもウナギだ。

我ながらそのあまりにも短絡的でポンコツな思考回路に辟易とするが、スタミナを付けるためにはウナギ。

だからとりあえず水戸の『うなぎの店 東條』へと向かうことにした。

 

やぁ諸君ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

お店の外観

うなぎの店 東條 外観

うなぎの店 東條』は大通りの交差点から脇の小道へ入ってすぐの場所。

店の隣には2台分の駐車場スペースがあるのだが、通りの多い交差点の近くということもあって若干クルマの出し入れがしにくそうだ。

しかしご安心あれ。

ここから少し離れた場所にこの店の専用駐車場があり、そちらは10台ほどの駐車スペースが広く確保されている。

なので少しばかり歩くことにはなるが、専用駐車場のほうにクルマを停めることにした。

うなぎの店 東條 外観

専用駐車場からは歩いて1分ほど。

うなぎの店 東條 店内

店に入るとダンディーなご主人と、感じのいい奥様が出迎えてくれた。

入口に設置された消毒液で手をゴシゴシしながら1人客であることを伝えるとカウンター席をすすめてくれた。

端っこに腰を落ち着けて、ご主人に写真を撮ってもいいですか? と尋ねると「ええ、どうぞ! どうぞ!」と、まるでダンディーなダチョウ倶楽部のようなお返事をいただく。

うなぎの店 東條 店内

外から見た印象では小さなお店なのかと思っていたのだが、しかし店内は意外と広い。

手前側はカウンターが6席。さらに奥は座敷となっている。

まだ開店直後だというのにすでに数名の客が入っていて、カウンターにも男性客1人が座り、熱心にスポーツ新聞を読んでいる。

うなぎの店 東條 店内

お店に入ってすぐ左側にもお座敷。

こちらにも1組の客が入っていてビールとおつまみを注文していた。

この日は日曜日。

休日とはいえ午前中からビールとはたいそうなご身分だ。

ああ・・・いつかは自分もあんな風になりたい。

まさに人生のロールモデル。

うなぎの店 東條 メニュー

さてまずはメニューを拝見しよう。

メニュー右側には『特上』3,950円『特選御膳』5,000円

左側には『うな重(上)』3,150円『うな重(並)』2,800円が並ぶ。

 

仕入価格が高騰を続ける一方のウナギ。

その煽りを受けて、ここ10年ほどはどのお店も1,000円ほどの値を上げを余儀なくされている。

たいていの店で並のうな重でも3,000円を軽く超えてくるのが普通になりつつある。

しかし、東條は『うな重(並)』を2,800円で提供している。しかも税込みでだ。

これはまさに企業努力、経営努力のたまもの。

じつに恐れ入る。頭が下がる。

うなぎの店 東條 メニュー

で、注文するのはこちら『うな重(上)』3,150円。

うな重の「上」と「並」には肝吸いは付かない。

うなぎの店 東條 メニュー

『うな重(上)』に付いてくる椀についてご主人に聞いてみたところ、肝の入らない普通のお吸い物だとか。

しかしせっかくウナギを食べるなら、やっぱり肝吸いが欲しい。

なので椀を肝吸いに変更してもらうことにした。

うなぎの店 東條 メニュー

ここのご主人は、ひと品注文するたびに「はい、ありがとうございます」と丁寧にお礼を返してくれる。

その落ち着いた口調がとても心地よく、ついつい注文を重ねてしまう。

あ、あとは『肝焼き』をお願いします。

はい、ありがとうございます

あ、じゃそれと『南蛮漬け』も。

はい、ありがとうございます

んー、ちょっと注文しすぎたか?

うなぎの店 東條 店内

カウンターの上には「うなぎ掻き」が飾られていた。

昔はこれで泥の中にいるウナギと獲ってたんだって。

うなぎの店 東條 緑茶

この日は特に予約もせずに飛び込みで入ったので焼き上がりまではまぁ早くても40分。もしかしたら1時間くらいは待つことになるだろう。

しかし「鰻屋でせかすのは野暮」ってもんだ。

緑茶を飲みながら気長にウナギの焼き上がりを待つ。

うなぎの店 東條 うな重(上)

しかし15分ほどで料理が運ばれてきた。

早っ! 提供がめちゃくちゃ早いな!

うなぎの店 東條 うな重(上)

菊をあしらったお重の美しさにしばし見とれる。

これって菊でいいんだよね?

まさかガーベラじゃないよな。

うなぎの店 東條 うな重(上)

ピカっと磨かれた椀。

うなぎの店 東條 うな重(上)

写真を撮るためにお重のフタを取ると、中からタレの甘くこうばしい香りがふわん広がる。

 

おおぉぉ・・・!

 

イイにおーーーい!!

うなぎの店 東條 うな重(上)

美しい照り。眩しい。

お重両サイドの隙間から白飯がのぞいていて、さすがに「白飯が隠れるほどのウナギ」ってわけにはいかない。

それがちょっと寂しい気がしないでもないが、値段を考えれば十分すぎるくらいに立派なウナギだ。

もし大きなウナギをご所望なら『特上』を頼むといいだろう。

うなぎの店 東條 うな重(上)

肝吸いは当たり前だけれどバッチリ肝が入っている。

けっこう大きな肝が沈んでいて、その上には三つ葉とお麩。

三つ葉はその散らし方がいまいちカッチョよくはないが爽やかな香りが十分に立っている

うなぎの店 東條 うな重(上)

お漬物はキュウリ、ダイコン、ニンジンのぬか漬け。

手作り感のあるお漬物がじつに好印象。

うなぎの店 東條 南蛮漬け

イワシの南蛮漬け。

うなぎの店 東條 肝焼き

肝焼き。

この写真からは大きさが伝わらないかもしれないが、お重の長辺と同じ長さの堂々たるお姿。

うなぎの店 東條 うな重(上)

さっそく端っこをひと口。

 

ぐぬぬ・・・美味い!

 

関東風の蒸したウナギはふわふわでトロトロ。

タレは甘さも塩気も抑えめのサッパリとした仕上げ。

出しゃばり過ぎず、一歩さがった場所からウナギの味を引き立てる。

うなぎの店 東條 うな重(上)

ご飯は柔らかめ。

ふわふわに焼き上げられたウナギとの相性がいい。

うなぎの店 東條 肝焼き

肝焼きは内臓らしい複雑で込み合った美味さ

塩気をやや強く感じるのは、もしかしたら蒲焼本体とは違うタレを使っているのか、それとも肝焼のこの複雑な形状がタレを多めに絡めているせいなのか。

うなぎの店 東條 山椒

さてここらで山椒の出番。

うなぎの店 東條 うな重(上)

山椒の粉で薄く化粧をしたウナギは、よりいっそう妖艶な香りを放つ。

その甘い香りが食欲を煽る、煽る、煽る。

うなぎの店 東條 うな重(上)

使われているウナギは愛知県一色産。

ウナギは身も皮も柔らかく、ふっくらふかかふか。

焼き感は少なく、蒸し時間多めって感じなのかな。

うなぎの店 東條 南蛮漬け

イワシの南蛮漬けを食べてみると、これがけっこう酢が強い。

まだ作ったばかりなのかもしれない。

もう少し寝かせて味が染みて、酢のトゲが飛んだ頃合いってのが好み。

あとイワシよりアジの方が好きなんだな。骨ごと食べられるくらいまでよく漬かったやつ。

うなぎの店 東條 うな重(上)

スタミナって言葉とセットで使われることが多いウナギ。

そのせいかオイリーでギラギラとした印象が付きまとう。

でも『東條』のウナギは、そのふんわりとした食感もあって、けっこう癒し系。

脂がのっていても、必要以上にギラギラした感じはなくて優しい味わい。

うなぎの店 東條 肝焼き

最初は塩辛い味付けに感じた肝焼きも、ご飯と合わせると絶妙な塩加減であることに気付いた。

いや美味いなこれ。

うなぎの店 東條 うな重(上)

お漬物のキュウリを食べてみると、これがじっくりと漬かり過ぎたせいか、かなり酸っぱい。

けっこう発酵が進んでいる。

ちょっと苦手なタイプ。

うなぎの店 東條 うな重(上)

さっぱりとしたタレは甘さが尾を引かず、スッと切れがいい。

甘辛さに執着せずに、きっぱりと割り切った印象。

そのため「オレは甘めのタレが好きなんだー!」って方にとっては評価が分かれるところかもしれない。

個人的にはこのキレ感のあるタレは好きだ。

うなぎの店 東條 うな重(上)

料理と一緒に新しいお茶が届けられる。

よくみると今度は緑茶ではなくほうじ茶だ。

苦み渋みが少ないほうじ茶は、料理の味を邪魔しないため食事中に飲むお茶に向いているんだそうで。

うれしい心配り。

うなぎの店 東條 うな重(上)

いや、それにしてもウナギってのは無くなるのが早い。

どんどん胃袋の中へと消えていく。

マッハで。

うなぎの店 東條 うな重(上)

残りもわずか。

お腹もスタミナも満タンよ。

うなぎの店 東條 店内

お会計のとき、ふと隣の客が食べているお重が目に入った。

なんだかメチャクチャ美味そうだ。

こんどはアレを食べてみよう。

白蒲重とホタルイカの塩辛

うなぎの店 東條 外観

ふたたび東条へ。

うなぎの店 東條 メニュー

狙いはコレ『白蒲重』3,400円

前回カウンター席の隣客が食べていたお重。

ウナギ白焼きと蒲焼のハーフ&ハーフ。

うなぎの店 東條 店内

短冊に書かれた『ホタルイカ塩辛』を注文。

うなぎの店 東條 おしぼり

ウナギの白焼きを初めて食べたのは、島根県松江市だった。

といっても白焼きを単体で食べたわけではなく、島根県名物の『宍道湖七珍(しんじこしっちん)』という強度料理のなかにウナギの白焼きが含まれていた。

この宍道湖七珍という料理は、宍道湖で獲れるウナギ、スズキ、モロゲエビ、ワカサギ、シラウオ、コイ、シジミの7種の魚介を使った料理。

生まれて初めて食べたウナギの白焼きは驚くほど美味く、宍道湖七珍のうちウナギ以外の他6種に関する記憶はすっかりどこかに飛んでしまった。

うなぎの店 東條 マッチ

この時、世の中にウナギの白焼きという料理があること、そしてそれが美味いってことをしっかりと学んだ。

れども、ウナギ屋に行くとやっぱり蒲焼きを注文しちゃうんだよね。白焼きではなくね。

うなぎの店 東條 箸

ウナギの白焼き、美味いと認識しつつもなかなか注文できない。

だってウナギと言えばやっぱり蒲焼だもん。

安定の蒲焼を捨ててまで白焼きを注文するってのは心理的なハードルが高すぎる。

しかし、そんな白焼きと蒲焼をいっしょに楽しめるのが『白蒲重』。

意外と有りそうで無かったコンセプト。

これってば、ノーベル賞級の発明じゃなかろうか。

うなぎの店 東條 ホタルイカの塩辛

まず登場したのは『ホタルイカの塩辛』

沖漬けじゃなくって塩辛なのね。

うなぎの店 東條 ホタルイカの塩辛

トロンとしたホタルイカ。

口の中でプチっとはじけると中からは発酵食品ならではの濃ゆーい旨味。

あ、たしかに塩辛だ。

これは沖漬けじゃない。だんぜん塩辛の味。

旨味も、それに塩分もそうとう濃いぞ。

うなぎの店 東條 白蒲重

こちらが『白蒲重』。

今回も15分ほどで配膳された。

めっちゃ早つ!

うなぎの店 東條 白蒲重

蒲焼と白焼きのコントラストが美しすぎる。

うなぎの店 東條 白蒲重

タレの化粧をしていないスッピンのウナギは色白のべっぴんさん。

うなぎの店 東條 白蒲重

白焼き用のわさび。

質の良いものがたっぷり。

うなぎの店 東條 白蒲重

お吸い物は肝のかわりに素麺。

お出汁が美味しいのだけれど何の出汁なのかが分からない。

もしかしてウナギ由来の何かなのかも。骨?

肝吸いじゃなくてもぜんぜんイケてるじゃん。

うなぎの店 東條 白蒲重

ワサビだけを付けてパクっと。

 

うおっと、こりゃメチャうんまい!

 

白焼きってのはホントのホントに正真正銘ウナギそのものの美味さを味わえる。

ウナギが持つその何とも言えない豊かな風味。

ワサビの刺激はウナギの脂に抑え込まれて、ただその香りだけが強く引き立っている。

やっぱりウナギって美味いな、チクショウめ!!

うなぎの店 東條 白蒲重

白焼きの下のご飯はタレが掛かっていない白飯。

うなぎの店 東條 白蒲重

ウナギの身をお重に立てかけてみるとこんな感じ。

尾の方(左側)から頭の方に向かって厚みを増す身。

ほんとに柔らかい。

うなぎの店 東條 白蒲重

よく「ウナギはタレが美味いだけ」的なことを言われたりするけれど、いやいやそんなコトはないね。

ぜんぜん。

ウナギはタレが無くても美味い!

この白焼きが、そのことを立派に証明してくれているじゃないか。

もっとも質の良いウナギをつかわなければ、この白焼きって料理は成立しないのよね。

うなぎの店 東條 白蒲重

ホタルイカの塩辛。

こいつがなかなか難儀なヤツでして。

味は文句の付けようもなく真っ当にウマイんだけれども、なんせクセが強すぎるせいでウナギの後味や余韻をすべて吹き飛ばしてベッタリと塩辛味で上書きしてしまう。

うーん、しまったな。

このホタルイカの塩辛、これは酒飲みのためのアイテムだったか。

ミスキャスト。

うなぎの店 東條 白蒲重

ぬか漬けはやっぱり酸っぱい。

きっとぬか床の発酵が進んでいるのだろう。

そういや以前はぬか漬け作りにハマっていたのだが、もう何年もぬか漬けを作っていない。

今年はおウチ時間も増えたことだし、久々にぬか漬け作りに挑戦してみようかな。

ちなみに、ぬか床が酸っぱくなったときには卵の殻を混ぜてアルカリ性に中和すると酸味がやわらげることができる(その効果を実感したことはないが)。

うなぎの店 東條 白蒲重

蒲焼はやわらかく舌の上でほどけ、ウナギの旨味をたっぷりと含んだ脂が口の中いっぱいに広がっていく。

ぐふー・・・幸せだー!

うなぎの店 東條 白蒲重

気が付けば一心不乱にかっ込んでたね。

やっぱウナギは無くなるのが早い。

うなぎの店 東條 お弁当

テイクアウトが好評のようで、お弁当を取りにやって来る客が後を絶たない。

うなぎの店 東條の基本情報

うなぎの店 東條の場所はこちら

駐車場はお店のすぐ隣に2台と、すこし離れた場所に10台。

水戸駅からは2Km、徒歩でおよそ25分。

専用駐車場の場所はこちら。

うなぎの店 東條 駐車場

店舗脇の駐車場。

うなぎの店 東條 駐車場

大通り沿いに広い専用駐車場があります。

こちらがオススメ。

うなぎの店 東條の基本データ

 うなぎの店 東條の基本データ 

 住  所 

 〒310-0815 茨城県水戸市本町3丁目1−33

 電 話 

 029-227-2046

 営業時間 

 11時00分~14時00分
 16時00分~20時00分

 定 休 日 

 水曜日
 第1,第3火曜日

 

うなぎの店 東條 店内

 

うなぎの店 東條 休日

うなぎの店 東條のメニュー

※ 価格は2021年のもの。

税込み価格です。

 うなぎの店 東條のメニュー 

 定  食 

 特選御膳(肝吸い付き)
  5,000円
 うな重 特上(肝吸い付き)
  3,950円
 うな重 上
  3,150円
 うな重 並
  2,800円
 白蒲重
  3,400円
 蒲焼定食
  2,400円
 うな丼
  2,150円
 刺身定食
  2,200円
 柳川定食
  2,000円
 とり重
  1,250円

 単  品 

 柳川
  1,500円
 季節刺身盛り合わせ
  2,000円
 蒲焼 特上
  3,550円
 蒲焼 上
  2,850円
 蒲焼 並
  2,450円
 白焼 特上
  3,550円
 白焼 上
  2,850円
 白焼 並
  2,450円
 肝焼
    400円
 南蛮漬
    600円
 肝佃煮
    600円
 上新香
    350円
 野菜サラダ 大
    650円
 野菜サラダ 小
    350円
 うなぎ骨せんべい
    350円
 ライス
    250円
 味噌汁
    250円
 肝吸い
    250円

 ドリンク 

 生ビール中
    650円
 生ビール小
    400円
 中瓶
    650円
 紅乙女(ゴマ)ボトル
  4,100円
 紅乙女(ゴマ)グラス
    520円
 海(芋)ボトル
  3,700円
 海(芋)グラス
    470円
 じょうご(黒糖)ボトル
  3,500円
 じょうご(黒糖)グラス
    450円
 いいちこ(麦)ボトル
  3,100円
 いいちこ(麦)グラス
    420円
 米鶴(1合)
    570円
 稲里辛口(1合)
    570円
 稲里純米(1合)
    680円

 ほか各種