【お好み焼き道】大洗名物たらし焼きはこんがりトロっと美味しいであります＠茨城県大洗町

ふいに焼きそばが食べたくなった。

とは言っても「五目あんかけ焼きそば」や「かた焼きそば」とか、そういった本格中華的な焼きそばではない。

食べたいのは縁日の屋台で売っているような昔ながらのチープなソース焼きそば。

お好み焼き 道

そんなわけでやって来たのが大洗。

やぁ諸君ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

お店の外観

『お好み焼き 道』。

読み方は「おこのみやきどう」ではなく「みち」ね。

お店に伺ったのは開店時刻の午前１１時を少し過ぎたころ。

しかし、店がまだ開いていない。

駐車場の片隅で店が開くのを待つことにする。

しばらくぼんやりと待っていると駐車場に１台のクルマが滑り込み、中から店主と思われる女性が降りてきて「ごめんなさいねー、いま開けますからねー！」と店の中へと消えていった。

さらに謎の老婆が歩み寄ってきて「まだちょっと早い時間だったねぇ・・・いつもはたいてい１１時半くらいに開くからねぇ・・・へへへ・・・」と言い残し、どこぞへと去っていった。

ふーん、なるほど。そうか来るのが早すぎたか。

え、いまの誰？

店内の様子

「すみません、おまたせしました」と店内へ案内される。

座敷２席と、そしてテーブル席が２つ。

カウンター席もあるにはあるのだが、現在は使われていないようだ。

写真を撮っていると、先ほど声をかけてきた謎の老婆が来店し、テーブル席へと着いた。

どうやらご近所に住む常連さんのようで、椅子に座るなり女将さんと猛烈な勢いで世間話を始めた。

注文は『イカ焼きそば』これ一択。

エースコックが『大盛りイカ焼きそば』の製造販売を終了してからというもの、こっちは常にイカ焼きそばの味に飢えている。

うなぎコーラなる珍品を発見。

こいつも試してみよう。

常連のおばあちゃんはじつに良くしゃべる。しゃべくり倒す。

世間話で女将さんを占有しちゃっているため、なんだか注文しにくい。

おばあちゃんの話が止まった一瞬の隙をついて女将さんに声をかけ、注文をする。

イカ焼きそば と うなぎコーラ？

まずはうなぎコーラが運ばれてきた。

え、これがうなぎコーラ？

普通のコーラのように見えるぞ。

なにしろ瓶には「Coca Cola」って書いてあるし。

ああ、この味は完全にコカ・コーラだわ。

うーん。どうやら注文が上手く伝わらなかったようだ。

続いて『イカ焼きそば』が運ばれてきた。

この店は客自身がそばを焼くスタイル。

ということはつまり、料理の美味い不味いは調理する客のウデ次第というわけだ。

おっしゃ、望むところだ。いっちょ美味い焼きそばを作ってやんぜ★

今から２０数年前のこと、当時つき合いのあった友人がお好み焼き屋でバイトをしていた。

その友人が言うには、焼きそばを作るときは「コテの角を使って焼くのがコツ」なんだとか。

まずはイカと野菜を投入。

麺はやや太め。

この麺を見たとき「あぁそういえば那珂湊焼きそばって選択肢もあったよなぁ」と、今更ながらに地元ひたちなか市のご当地グルメを思い出した。

イイ感じで火が通ってきました。

麺は野菜の上にのせて、野菜から出る蒸気を使って蒸す。

麺が鉄板に焦げ付くのを防ぎつつ、ほぐれやすくするってワケね。

あー、でもやっぱり「焼きそば」って言うくらいなんだから、麺を焼いてばっちり焦げ目を付けたい。

とういことで、麺を鉄板の上へと移動。

いったい蒸すのか、それとも焼くのか。

迷って迷って、結局はどっちつかずの中途半端な焼き具合。

備え付けの調味料からソースをピックアップ。

ソースを回しかけると　ジュワァァァッツ！　っと景気のいい音が響く。

試しに麺を１本つかんで味見をしてみるとかなり薄味。

音にビビリ過ぎてソースを入れる手が止まってしまったせいだろう。

もうちょっとソースをぶっ込んでみるか。

さらにソースを投入すると、酸味の混ざった湯気が盛大に立ち上って思わずむせ返る。

こ、こんなもんか・・・？

んん～、このソースの香り！

エクセレント！

上出来じゃないですか。

それにしてもイカって反則級に美味いよなぁ。

たぶんイカの皮がいい味出しているのかもしれない。

まさに最高にＢ級な味！

取り皿が小さいので、何回かに分けて食べる。

彩り的にもアクセントとしても、ぜひ紅ショウガが欲しいところ。

太くてモッチリとした麺。

麺の量はおそらく１６０グラム前後か。

けっこう食べ応えがあって、すっかいりお腹は満足。

お土産にカンバッチをいただきました。

たらし焼き と あまざけコーラ

大洗といえば『ガールズアンドパンツァー』いわゆるガルパンだ。

ガルパンは２０１２年にＴＶシリーズ全１２話が放送され、その後２０１５年には『劇場版』が映画作品として公開された。

さらに現在も『最終章』として全６話の映画配給が企画されていて、その各話がおよそ１年半のペースで順次公開され続けている。

ガルパンの存在自体を知ってはいても、つい最近まで実際にアニメを見たことは無かった。

しかしガルパンは、魅力度ランキングの最下位が指定席となっている茨城県に多くの観光客を呼び込んでくれるメガヒットコンテンツ。

これをスルーするのはもったいない。

なので「まぁ機会があればそのうち見てみようかなぁ」という程度に考えていた。

そんなあるとき、動画配信サービスNETFLIXでガルパンが配信されていることを知り、なんとなくＴＶシリーズを見てみた。

なるほど、ガルパンおもしろい。

わりと王道のスポ根＋コメディといった内容だ。

全１２話の視聴を終えたとき、わたしはどこに出しても恥ずかしくない立派なガルパンおじさんになっていた。

ガルパンはいいぞ！

ところがNETFLIXで視聴できたのはＴＶシリーズのみ。

映画として公開された『劇場版』と『最終章』は見ることができなかった。

そのため映画でのみ登場するキャラクターたちについてはその素性がまったく分からない。

大洗のあちらこちらに設置されているガルパンのキャラクターパネルの中には名前も知らないキャラがちらほら。

これはイカン。ガルパンおじさんとしての沽券に関わるといもの。

じつに由々しき事態である。

ところが状況は２０２１年の３月に大きく変わった。

NETFLIXで『 劇場版』と『最終章』 の第１話と第２話の配信が始まったのだ。

おそらく３月下旬に『最終章』の最新話が劇場公開となることを踏まえて、新たなファンを獲得するためなのだろう。

まぁ、そんな制作側の事情はさておき。

さっそく、うっひょ～秋山どの～！　と映画を見てみると、なんとこの店『お好み焼き 道』が劇中に登場しているではないかっ！

『お好み焼き 道』が登場するのはガルパン『最終章』の第２話。

大洗女子学園のアヒルさんチームと、知波単（ちはたん）学園の福ちゃんがお食事会をするという場面。

そこで彼女たちが食べていたのが「大洗名物たらし焼き」。

たらし焼き？　そんな名物があったのか。

というワケで、わたしも「大洗名物たらし焼き」を食べてみたくなった。

たらし焼きとは「もんじゃに似た土手を作らないコナモン」らしい。

追加のトッピングとして、魚肉ソーセージ、シーチキン、紅ショウガ、チーズ、豚挽き肉、キムチ、カレー粉、餅、焼きそばの麺、などが用意されている。

さてと、トッピングはどれにしようか？

紅ショウガ、キムチ、カレー粉。これらはパスだ。なんせ主張が強すぎる。

初めてたらし焼きを食べるのだから、できるだけプレーンな状態のものを食べたい。

チーズやシーチキンはなんでも美味くする魔法の食材だが、逆になんでも美味くなりすぎる。

餅や焼きそばの麺ではなんだか無難だ。

というロジックで、トッピングは魚肉ソーセージ。いわゆるギョニソーに決定だ。

ドリンクはあまざけコーラ。

この手の粉ものＢ級グルメには欠かせないのが、ベビースターラーメン。

あまざけコーラ。

レトロなラベルがかわいい。

飲んでみると想像していた味とは全くの別物で、甘酒や麹の風味はほとんど感じない。

なぜか白ブドウのようなフルーティーな味わいがあり、それが弱炭酸の泡に乗ってはじける。

けっこうイイなコレ。

原材料は甘酒（米、米こうじ）など。

当然フツールの類は入っていない。

こちらが「大洗名物たらし焼き」のタネ。

キャベツと揚げ玉の上に、ワッシャワシャーっと景気よく乗っかているのは鰹節と切りイカ。

きっとこいつらが旨味の元っすね。

たらし焼きを運んできてくれたのは、若い女性スタッフさん。

まだ高校生くらい。とてもかわいらしい。

やっぱ戦車とか乗るのかな？　戦車は乙女のたしなみだって言うもんな。

「たらし焼きはお召し上がりになったことはございますか？」と尋ねられたので「ない」と答えると、たらし焼きの作り方を教えてくれた。

「あらかじめ調味料を混ぜて、焼いてください」

え、それだけ？　それだけなの？

なんだよ、そんなのチョー簡単じゃん！

とりあえずソースを少しだけ掛けてみる。

もし焼き上がりの味が薄かったら、そん時は微調整だ。

ベビースターを投入。

まずはほんの少しだけ焼いてみることにした。

たらし焼きは土手を作らないので、タネは鉄板の上を無軌道に広がっていく。

いやー、それにしてもやっぱ鉄板っていいよなぁ。

なんとかコーティングとか、そんな気の利いたのはいっさい無しな無垢の鉄板。

だからこそ遠慮なくコテでガッシガッシと突っつけるってもんだ。

んー、こんなもんか？

なにせ初めてのたらし焼きだから、食べるタイミングってのがイマイチつかめない。

とりあえずこれくらい焼いておけば、だいたい何でも食べられるだろう。

コテですくい上げて口の中へ放り込む。

ううーん、なるほど。だいたい想像していた通りの味かな。

ガルパンの劇中では、千葉県からやってきた福ちゃんに対して、アヒルさんチームの面々が「大洗名物たらし焼き」の食べ方をレクチャーしていた。

「昔ながらの食べ方はちょっとずつ焼いて、少しカリカリにして、小皿なんか使わないで・・・トス！　そのまま食べる！」らしい。

トスとは、コテでたらし焼き（の欠片）を空中に放り投げてパクっと食べるアヒルさんチーム（＝バレーボール部）ならではの独自の食べ方。

ちょっとお行儀が悪い。

座敷の壁には「トスしないでね」の張り紙。

ちなみに福ちゃんのキャラクターパネルは、こちらのお店に設置されている。

【せんな里】ガルパンの聖地大洗でガッツリと食べまくる＠茨城県大洗町

ちなみに、初めてたらし焼きを食べた福ちゃんのご感想は「こんがりトロっと美味しいであります！」だった。

もんじゃ焼きのようなトロトロした感じはなく、けっこうしっかりと焼き固まる。

たしかにこんがりトロっとして美味しい。

でもトッピングはもうちょっとパンチのある食材を選ぶべきだったか。

タネはまだけっこう残っている。

たらし焼きを作るなら、本ブログのタイトル『ぼっちメシ研究所』を書いてみようと心に決めて来た。

おそらく「研究所」を書くのはそうとう手こずるだろうな。

そう覚悟はしていたのだが、なんと最初の「ぼ」を書いた時点ではやくもメンドクサくなった。

ヤメだヤメだ！

うま味調味料もあるよ。

結局、お好み焼きのようにカリッと焼いて食べてみる。

酸味の効いたソースがけっこう合う。

向かいのテーブルに座っているおばあちゃんが黙々とたらし焼きを食べていた。

その手際の良さにシビレる。

へぇなるほど、ほんとに大洗に根付いている食べ物なんだな。

お好み焼きスペシャル と うなぎコーラ

さて三度目の『お好み焼き 道』へ。

お好み焼き屋に行ったというのに、まだ肝心のお好み焼きを食べていないことを思い出したのだ。

店に入るとすでに３組の客がいて、空いているテーブルは１つのみ。

なかなかの盛況ぶり。

テーブルに座ってメニューを拝見すると、これまでの税別表記から税込み表記へと変わっていた。

お好み焼きのメニュー。

まず目を引いたのは「フレッシュトマトとアボガドのチーズマヨ焼き」。

ずいぶんと挑戦的でかつ野心的なメニューだ。

でもトマト、アボガド、チーズの組み合わせってわりと安パイな気もする。

極端に不味くなる要素はない。それどころかどこかイタリアンっぽい組み合わせだ。

さっそく注文しようとすると「あの、こちらは、厨房で焼いてからお出ししますので、ただいまですと、だいぶお時間がかかります」とのこと。

あ、べつに時間がかかっても大丈夫ですよ。こっちはどうせヒマなんで。

「あ・・・いやでも、ただ今だいぶ込み合っていますので、お出しするのには・・・ものすごく時間がかかってしまいます」

と、女将さんはどうしても注文を受け付けたくないご様子。

おやおや？　ははーん・・・どうやらこれは食材を仕入れていないと見える。

なんとなくそんな空気を読んで『スペシャル天』へと注文を変更した。

あと、うなぎコーラ。

この日はホントに込み合っていた。

２０ほど待つと、うなぎコーラが運ばれてきた。

グラスに注いでグビビっと飲んでみると、微炭酸に混じって甘辛いうなぎのタレの味とスモーキーな炭火の香り。

は、まったくしない。

あれ？　なんだか思った以上に普通にコーラだぞ。

うなぎはどこに行った？

原材料を見てみると、ウナギエキス以外はごく一般的なコーラと同じ。

むむー。

そうかウナギエキスか。

ウナギ味ではなくってあくまでエキスなのね。

さらに１０分ほど待って『ミックス天』が到着。

紅ショウガ、カツオ節、ひき肉。

豚がバラ肉じゃなくて、ひき肉ってのは珍しいな。

イカ、天かす。

コーン、エビ、卵。

見えないけれど、ネギとキャベツが入っている。

器からあふれないように、慎重に慎重に混ぜる。

一気に投入！

すると、どろーんと、鉄板の上にだらしなく広がるお好み焼き。

あれ、一気に投入しても良かったのか・・・？

ひっくり返すのをミスり、端っこの方が切れた。

まぁ分かるまい。

そろそろ頃合いですかね。

お好み焼き用の調味料。

「ソース」と「マヨネーズ」と「どろソース」。

ソースはけっこう粘度が高い。

焼き立てのお好み焼きにソースを塗り付けてパク。

あらら、こりゃ美味しいじゃないか！

地味ながらコーンが大活躍している。

どろソースも試してみますか。

水戸市のとんかつ屋『クックファン』でも、このどろソースを出していたっけ。

そういえばガルパンの劇中において『クックファン』と、そしてここ『お好み焼き 道』だけが実店舗名のまま登場するんだよな。

他の店、たとえば『サザコーヒー』は「ZAZA COFFEE」だった。

そしてコチラがどろソース。

ずいぶんと色が濃い。しかし濃いのは色だけじゃなく、コクもなかなかの濃さ。

スパイシーでけっこう辛め。

もしかしたら、こんな風にべったり塗り付けるよりも、アクセント的にひとたらしするくらいがちょうどよい使い方がいいかも。

マヨネーズをぶっかける。

このマヨがすごくいい。

普通のマヨよりコクと酸味は控えめ。しつこさが無くサワークリームのようにさっぱりとしている。

いつも見慣れたマヨネーズのキャップの色は赤だけど、このマヨはオレンジ色。

「お、このオレンジ色のキャップは、ひょっとしてお好み焼き専用のマヨネーズの証なのか？」と思って調べてみたら、違っていた。

キューピーのカロリー８０％OFFのマヨネーズは、このオレンジ色キャップが使われているようだ。

つまりこのマヨは決してお好み焼き専用マヨではないってことなんだけど、とってもお好み焼きにあう。

今度買ってみよう。

お好み焼きに直接ソースを塗り付ける。

もうちょっと厚くてふっくらとした仕上がりにしたかった。

薄いよなぁこれ。

どうすればふっくらと焼けるんだろう。

ま、そのへんは今後の改善課題ということで。

２枚重ねて薄さをカバー。

ソースの甘い香りがたまらん。

マヨと青ノリをぶっかけるてラストスパート。

いや、久々に食べたな、お好み焼き。

さて、こちらは店内に飾られている大洗女子学園ウサギさんチームのパネル。

この写真を撮った時には気が付かなかったのだが、右下のフレームに入った写真ではウサギさんチームが『お好み焼き 道』で食事をしている。

劇中には登場しない場面だ。

なんだろうこれ、すごく気になる。

お好み焼き道の基本情報

お好み焼き道の場所はこちら

駐車場はお店のすぐ隣に４台。

大洗駅からは６００メートル、徒歩２分。

お好み焼き道の基本データ

お好み焼き道のメニュー

※ 価格は２０２１年のもの。

税込み価格です。