【鮨と旬菜処 須田】赤酢を使ったシャリがほろり。閖上産の赤貝がめちゃ美味し@茨城県日立市

私には2人の妹がいる。

1つ歳下と、14歳下の2人。

ふと気が付けば2021年になってからは、まだ妹たちと一度も顔を合わせていない。

すでに2月となり、今更ではあるけれども新年の初顔合わせをしようかなんてことを急に思いつき、妹2人を食事に誘ってみた。

するとさっそく上の妹は「めんどくさいから、アタシはイイや」と、兄妹愛に満ち満ちたコメントとともに不参加を表明

そこは嘘でも「仕事がある」とか言っておいたほうが良くない? とは思いつつも妹の意思を尊重することにする。

よって、新年の初顔合わせは、私と下の妹の二人きりでの開催となった。

 

やぁ諸君、ごきげんよう。

ぼっちメシ研究所のジャムだ。

鮨と旬菜処須田

では、どこでゴハンを食べようか?

妹(二女)は現在、笠間市に住んでいて、私はひたちなか市に住んでいる。

ならば、その中間地点である水戸市あたりのお店でランチはどうだろうかと、いくつかの店を提案してみたが、いずれも却下。

須田 プレート

その後、妹との話し合いがどう転がったのか、その顛末は覚えちゃいないが、とにかく食事の場所は日立市のお寿司屋さんということに決まった。

そのお店が、今回ご紹介する鮨と旬菜処 須田

須田

当日。

妹のクルマに乗って須田に到着。

ちなみに、このお店のプレートを撮影する際に、妹がなんども写真に映り込もうとして、とてもウザかった。

店内の様子

須田 店内

さっそく店内へ。

まずはホワイトボードのおすすめをチェック。

気になるのは、右上の赤いステッカーに書かれた閖上赤貝の文字。

なにせ宮城県の閖上(ゆりあげ)で獲れる赤貝日本一美味いことで有名だ。

それに、赤貝は冬から早い春の寒い時期に美味くなる。まさに今が旬

これを食べないって手はないだろう。

須田 店内

いつもなら、迷わずぼっち専用席であるカウンターに座るところだが、2人連れなのでテーブル席へ。

奥には座敷もあって意外と広い店内。

須田 店内

女将さんに「こちらへどうぞ」と案内されたのは、窓際の明るいテーブルだった。

新型コロナウイルス対策のため、白い大判のロールカーテンでテーブル間を区切っている。

須田 お茶

兄妹で食事をするときには、その飲食代金のすべてを私が支払うことにしている。

別に格好を付けているとか兄貴ぶっているってワケではなく、ただ単に食事の感想、つまり「美味しかった」「不味かった」ってことを率直に言いたいから。

仮に、もし割り勘にした場合、たとえその相手が妹であったとしても金を払った人を前にして「不味かった」とは言えない。

かといってウソをついてまで「美味かった」とも言いたくない。

だから、食事の際の会計はすべて私が支払ったうえで、言いたいことはすべてを言わせてもらう。

いってみれば「オレが金を払うんだから、オレはナニを言ってもイイよな?」という傲慢なスタンスだ。

だれもスポンサー様には文句も言えまい。

須田 メニュー

このようなシチュエーションではよくあるハナシだが、金を出す人間が先に安いメニューを注文しまうと、おごられる立場の人間はつい遠慮してしまって、それより高いメニューを注文しにくい

なので、そんな遠慮をさせないために、こういう時には金主が真っ先に一番高いメニューを頼むってのも、これまたよく聞くハナシ。

それを踏まえてさっそくメニューを拝見してみると、一番高いメニューはおまかせ寿司5,500円なり。

ご、5,500円!?

ちょちょちょちょっと、このお値段は想定外だ。

須田 メニュー

内心の動揺を妹に感づかれないように、震える手で慎重にメニューのページをめくる。

すると、そこにおすすめセットを発見。

なんとおすすめセットには、サラダ、茶碗蒸し、椀物、デザートが付いてくる。

これは、かなりお得じゃないか。

お値段のマックスは特上寿司セット3,850円

おまかせ寿司の5,500円を見た後だからなのか、この特上寿司セットの3,850円がなんだかお安く見えてしまう。

なのでついうっかり「これかなぁ・・・?」なんて独り言を漏らすと、妹はすかさず「アタシもそれッ!!」と便乗してきた。

須田 メニュー

ちょ、まさか、おま、おまえも3,850円特上寿司セットのを注文する気なの・・・か?

え、ちょ、いやマジで?

そりゃ確かにさっきは支払いは持つとか、遠慮をするなとかなんとか言った。言ってしまった。

そうは言ったけれども、それを真に受けるヤツがあるか!?

それはあくまで心意気とか気持ちとかの精神的な話であって、別にこちらとしてはどんどん遠慮してもらっても全然かまわない

いや、むしろ遠慮してほしい。遠慮ウエルカム。

だってだって、たとえ遠慮するなと言われても、それでもついつい遠慮しちゃう奥ゆかしさこそが、日本人の美徳ってもんなんじゃぁネーの!?

それにぶっちゃけ、妹の食べる寿司なんて、安ければ安いほどベター。

特上寿司をいただくのは私だけで充分だ。

とはいえ、妹に無理やり安いメニューを押し付けることでケチなアニキと思われるってのもよろしくない。

だからあくまでここは妹が自発的に安い寿司を選ぶように、なんとか自然な流れで安いメニューへと誘導したい

ところが、私がいくら必死にカッパ巻き(330円)や、かんぴょう巻き(330円)の素晴らしさ、そしてその美味さについて熱弁をふるってみても、妹はオーダーを特上寿司から変える気はないらしく、私の話には一向に耳を貸そうともしない。

なるほど、ならばしかたがない。

ここはじっくりと腰を据えて説得にあたるしかあるまいと、長期戦を覚悟したところへ「ご注文はお決まりですか?」と女将さんがやって来た。

すると妹は「特上寿司セットを2人前でお願いします」と、さっくりとオーダーを通してしまった。

ああ・・・ッ!

須田 お茶

お茶を飲みなら心を落ち着ける。

写真では色が薄く見えるけれど、香り高いお茶。

美味いお茶をいただき、なんとか平常心を保つ。

須田 赤酢

こちらのお店では、赤酢を使っているそうで、その特徴なんかを説明したプレートが置かれていた。

特上寿司

須田 特上寿司

10分ほど待つと「お待たせしましたぁ~!」と、特上にぎりセット2人前が運ばれてきた。

テーブルの上を、うまそうな料理の数々が埋め尽くしていく。

まさに壮観だ。

須田 特上寿司

それにしても、特上というだけあって、さすがに豪華

ビッカビカに輝いてた握りはすばらしい色ツヤ

赤白黄色が配置されているバランスも美しい。

じつにグッドルッキン。

めっちゃソソる。

須田 特上寿司

配膳されたお寿司の写真を撮るため、妹に「マテ」の号令をかける

妹はとても賢いのでマテと言われれば、ほんのわずかな時間だけ、食事に手をつけるのを我慢することができる。

身内をほめるなんて照れくさいが、うちの妹は、その辺のコオロギバッタなんかよりも、ずっとずっと賢いのだ。

須田 お味噌汁

味噌汁の具はアオサとネギ。

香りも良く、なにより出汁がとても美味い。

この出汁、カツオでも昆布でもないっぽい。なんだろう?

須田 オレンジ

デザートにはオレンジ。

須田 特上寿司

たっぷりとウニがのったウニ軍艦、同じくイクラ軍艦。

ああ、なんて勇ましくそして美しい艦隊なのだろう。

もし私が海軍兵士だったのなら、こんな軍艦に乗って勇敢に戦いたい。

須田 特上寿司

鉄火巻き。

なんか下側からハミ出てちゃっている。

まぁ、はみ出るほどたっぷりとマグロが詰まっている、ともいえる。

赤酢を使ったシャリは独特の色合い。

須田 特上寿司

ヒラメ、中トロ、カンパチ。

どれもネタが厚切りで、めっちゃ美味!

須田 特上寿司

ひとしきり写真を撮り終えて妹を見ると、すでにお寿司を食べ始めていた。

一言の感想も言わずに、もくもくと食べているのでまったく気が付かなかった。

どうやら、いつの間にか「マテ」の限界が来たらしい。

ちなみに妹は左利き。

そのせいか妹と一緒にいると、世の中の様々なものが右利き用か、または右利きが使いやすいように作られていることに気付かされる。

例えばお寿司もその中の一つで、右利きの人間が掴みやすく、かつ食べやすいように寿司の握りは、その頭を左側に傾けるように斜めに並べられている(時計の針でいえば10時20分を指す形)。

左利きには食べにくいはずのお寿司なのだが、妹はそんなことはお構いなしで、どえらいスピードでパクパクと乱暴なまでに寿司を口の中へと放り込んでいく。

身銭を切らない気安さなのだろう。

ああ、チクショウめ、もっと大事に食べやがれ。

須田 サラダ

セットのサラダ。

ドレッシングがピリ辛のサルサソースなんで驚いた。

寿司屋で出すサラダにサルサソースなんて、えらく攻めてんな。

サラダにまぶされた半透明の春雨のような麺状のものが、プチプチとしてとても楽しい食感を生み出す。

コレって何だろ?」

海藻じゃないの?」

「うん、海藻だよな?」

私も妹もこれがなんとなく海藻だとは感じているが、しかしこの春雨もどきの正体がいまいちわからない。

後日ネットで調べてみたところ、これはプチマリンとか海藻クリスタルとかいうもので、なんでも昆布や海藻を加工して作っているものなんだとか。

須田 特上寿司

ボタンエビは身が厚く、甘みが強い。

まろやかな赤酢のシャリと相性がとてもよかった。

ちょっと気取った言い方をするなら、シャリとエビが見事に互いを引き立てあっているってところか。

気取らない言い方をするなら「うはぁッ うんま~~~♪」。

須田 特上寿司

銀ダラの炙り寿司、初めて食べた。

白身で淡白なイメージがあったけれど、意外なほど脂がのっている。

しかし、脂はのっているものの、旨味の濃さという点ではそれなりかも。

そういえば銀ダラって、味噌漬けとか粕漬けとか、何かしらの味付けがされて出てくることが多いような。

たぶん、特にコレといった際立った個性は無い魚なのかもしれない。

好意的に解釈するなら、むやみに個性や主張を押し付けて来ない控えめでおしとやかなタイプってことなのかも。

そう思うと、なんだか急に銀ダラが可愛く思えてくる。

須田 特上寿司

プチプチとした食感と、そこから弾け出す濃厚な旨味こそがイクラのいいところ。

私はイクラが大の好物

妹はイクラが大の苦手

どうもその食感がダメらしい。

食の好みは人それぞれってやつなのだろうが、とにかく妹はイクラ嫌いなのだ。

だから、きっとイクラ軍艦をこちらにパスしてくるものと、淡い期待を抱いていた。

しかし妹は「ここのイクラは美味しい!」と予想外のリアクションを返してきた。

そのあげく「イクラ食べないの?」と、こちらのイクラ軍艦を強奪していった。

須田 オレンジ

妹は、私から一方的に強奪したイクラ軍艦の代わりとして、デザートのオレンジを投げるようにこちらの皿のよこす。

イクラ嫌いな妹にとって、オレンジイクラ価値は同じってことらしい。

恐ろしいことに、本気でこれがフェア・トレード(公平取引)だと思っているようで、悪びれるそぶりは一切見せない。

こちらとしては、とうてい承服しかねる条件での取引なのだが、何せ私のイクラ軍艦はすでに妹の胃の中で、今さどうすることもできない。

「ああコイツ、こんな調子で世間様とうまくやっていけるのだろうか?」と、少し心配しかけたのだが、よく考えてみると私自身が世間様とうまく付き合えていないことに気付く。

須田 茶碗蒸し

心の癒しを茶碗蒸しに求める。

三つ葉のいい香り。

須田 茶碗蒸し

具だくさんの茶碗蒸し。

たっぷりと出汁を含んだタマゴの優しい味わい。

須田 特上寿司

さてさて、こちらが閖上(ゆりあげ)産の赤貝

肉厚で見るからにブリっとしている。

その堂々たる姿は、なんとなく両の翼を広げた鳳凰を思わせる。

須田 特上寿司

赤酢がシャリにはっきりとした陰影をつけてくれて、米の形が分かりやすい。

米粒の1つ1つがしっかりと立っていて、かつ粒が潰れないように柔らかく握られている。

こういうお寿司は箸じゃなく、手掴みで食べたほうがきっとより美味しいんだろうな。

で、実際に食べてみると、赤貝は期待に違わぬ美味さ

ふんわりと握られたシャリは口の中でほどける。

貝類って、甘みだけじゃなく苦みがあるのがとても良い。

甘くて苦くてほんのり磯の香り

なんだか貝って、海の恵みそのものの味なんだよな。

須田 特上寿司

大トロ。艶やかな色ツヤ。

舌の上ですぅっっとトロけて、旨味をたっぷりと含んだ脂が広がる・・・

こりゃ、たまんねッス!

須田

ショウガの甘酢漬け(ガリ)も、赤酢を使っているのだろうか? 気持ち赤味が差して見えた。

追加のにぎり

須田 お箸

妹は、とっくに寿司を食べ終わってヒマそうにしている。

もう少し食べたいねってことでいくつか握りを追加することにした。

須田 追加にぎり

下からシメサバ、コハダ、シマアジ、イカ、マグロの赤身。

あと見切れちゃっているけど、玉子。

須田 ワサビ

私にとってはちょうど良いワサビの量だったのだが、どうやら妹には多すぎたようで、最初の特上寿司を食べているとき、たまに「カライ」と言いながら、目を赤くしていた。

「がっついて食べるからだろ」と思いつつも、それは口には出さなかった。

なので、にぎりを追加するときにワサビ少な目でお願いしたところ、握りをワサビ少な目にしたうえで、さらにわざわざワサビを別盛りにして出してくれた。

ありがたいお気遣い。なんだか申し訳ない。

須田 追加にぎり

ふと見ると、目の前には、隙あらば写真に写ろうとする謎の生物がいた。

我々人類に比べると、はるかに劣った知能しか持ち合わせていないことが、その姿から見て取れる。

カメラを向けるたびに必死になってフレームに収まろうとするその姿は哀れで、とても気の毒な気持ちになる。

それにしたって今どき写真なんてそんなに珍しいものでもないだろうに、なぜこの生物はそんなに写真に撮られたがるのだろう?

いや、もしかしたら写真に撮られたいわけではなく、その謎のジェスチャーを通して、我々人類に対して何らかのメッセージを送っているのかもしれない。

いずれにせよ、理解しがたい生き物・・・と思ったらだった。

須田 コハダ

コハダ。

他のお寿司屋さんよりも、酢がまろやかな感じがする。

でも、単なる先入観かもしれない。

須田 追加にぎり

シメサバ。

コハダとキャラがかぶったな。

須田 追加にぎり

こちらは妹が注文したカツオ。

カツオの握りって珍しい気がするが、妹が知っているくらいなのだから、わりと一般的なのか。

須田 玉子

大好きな玉子の握り。

いつも玉子を食べるたびに不思議に思うのだが、なぜ魚介類でもない玉子焼きが、お寿司のレギュラーポジションを獲得できたのだろう?

きっとその理由は美味しいからなんだろうな。

だからきっと、近い将来はコーンマヨ軍艦や、ツナマヨ軍艦とか炙りサーモンもレギュラーになるんじゃないだろうか?

だって美味しいもん。

須田 イカ

同じく大好きなイカ。

なんか今回は特上寿司なんてちょいと気張っちゃったけど、これくらいのネタが一番好き。

須田 追加にぎり

シマアジ。

なんだかやけにヒカリモノばかり頼んでしまった。

須田 日本酒

会計を済ませ、店を出る。

この日はこの後、妹が観葉植物が欲しいというので買い物に付き合った。

サザコーヒー本店でお茶をしてから自宅に戻り、ゲームをしながら人生の貴重な時間をただただ無駄に浪費する。

しばらくすると、妹が腹が減ったというので、近所のラーメン屋に行くことに。

しきりに寒い寒いというのでフリースのジャケットを貸したのだが、妹はそれを着たまま笠間へと帰ってしった。もう間もなく冬も終わろうかというのに、ジャケットはいまだに返してもらっていない。

鮨と旬菜処 須田

鮨と旬菜処 須田の場所はこちら

お店は日立おさかなセンターのすぐ隣。

駐車場もばっちり完備。

鮨と旬菜処 須田の基本データ

 鮨と旬菜処 須田の基本データ 

 住  所 

 〒319-1222 茨城県日立市久慈町4丁目6−1

 電 話 

 0294-53-9480

 営業時間 

 11時30分~13時30分
 17時00分~22時00分

 定 休 日 

 月曜日

鮨と旬菜処須田のメニュー

※ 価格は2021年のもの。

税込み価格です。

 鮨と旬菜処須田のメニュー 

 寿  司 

 並み寿司(寿司7カン、巻き物、お椀)
  1,380円
 上寿司(寿司8カン、巻き物、お椀)
  1,880円
 特上寿司(寿司8カン、巻き物、お椀)
  3,300円
 おまかせ寿司(本日のおすすめ)
  5,500円
 お子様寿司(ジュース、デザート付き)
  1,100円

 ちらし・丼もの 

 並ちらし
  1,380円
 上ちらし
  1,880円
 特上ちらし
  3,300円
 鉄火丼(赤身、中トロ)
  2,350円
 いくら丼
  2,500円
 うに・いくら丼
      時価

 ※ ご飯の大盛りはプラス150円

 おすすめセット 

 並寿司セット
  1,850円
 上寿司セット
  2,490円
 特上寿司セット
  3,850円

 ※ サラダ、茶碗蒸し、お椀、デザートが付きます。
 ※ ちらしへの変更もできます。

 巻き物 

 かんぴょう巻き
    330円
 かっぱ巻き
    330円
 納豆巻き
    330円
 梅しそ巻き
    330円
 お新香巻き
    330円
 鉄火巻き
    430円
 ひもきゅう巻き
    450円
 いくら巻き
    650円
 ネギトロ巻き
    920円

 ご予約・ご宴会 

  4,400円コース
  5,500円コース
  8,800円コース
 11,000円コース

 お飲み物 

 生ビール
    660円
 生ビール(小)
    440円
 瓶ビール

    660円
 ノンアルコールビール

    550円
 ハイボール
    550円
 ワイン(赤白ボトル)
  3,300円
 オレンジジュース
    280円
 ウーロン茶
    280円
 コーラ
    330円

 他、日本酒など多数。