裏磐梯の大自然に囲まれた絶好のロケーションと、とびきり気のいい兄ちゃんが管理するキャンプ場。
ほとりの遊び場キャンプ場。
ここ裏磐梯には多数のキャンプ場があるが、その多くはだいたいが10月いっぱいでその年の営業を終了する。
しかし、ここほとりの遊び場キャンプ場は、11月の下旬まで営業を続けている貴重なキャンプ場。
2020年10月31日から2泊3日で、ほとりの遊び場キャンプ場でお世話になった。
ほとりの遊び場キャンプ場
ロケーション
ほとりの遊び場キャンプ場は、曽原湖のほとりに位置する。
サイトのいい場所をとることができれば、磐梯山を望みながらの絶景キャンプを楽しむことができる。
この写真の正面のやや左にある2つの峯を持つ山が、会津地方のシンボル、磐梯山。
これは曽原湖を挟んでキャンプ場対岸からの写真。
曽原湖は「そはらこ」と読む。けっして「そばらこ」ではない。
テント・サイトはいわゆる「林間」とよばれるようなタイプで、ほぼ全面が木立に囲まれている。
秋は鮮やかに色着いた紅葉を間近で楽しむこともできるし、夏には涼しい木陰を提供してくれる。
サイトの広さは、20組くらいはテントを張れそうな感じ。
まぁ、そのへんは各グループが持ち込むテントの大きさや、タープの有無などによって変わる。
サイトのすぐ後ろはペンションが立っている。
寒い夜には、ペンションの窓から漏れる温かな光が、心の底から羨ましく思える。
それはさておき、青いクルマが停まっている向こう側にあるのが管理棟。
なにはなくとも、まずはここで受付を済ますべし。
設備
洗い場の蛇口は3つで、洗剤とスポンジが常備。
そのお隣にはトイレ。
ちゃんと男女が分かれている。
なんとウォシュレット付き。
こちらがゴミ捨て場。
ただし有料なのでご注意を。
受付け
こちらが管理棟。
管理棟の中には、薪や燃料なんかが販売されている。
それにオシャレなステッカーも。
有名なデザイナーさんのイラストなんだそうな。
滞在記録
1日目
さてさてキャンプ初日。
この日の日中は、会津若松で過ごしていて、キャンプ場に到着したのは夕方16:00ちかく。
サイトにはすでに10組以上のテントが設営されていて、磐梯山が見える絶景ポジションはすでに埋まっている。
とりあえず一番はじの不人気スペースが空いていたので、そこにテントを広げる。
テントを設営したら、大好きな「たばこ屋温泉旅館」へと向かい、天然温泉を堪能する。
ひと風呂浴びてサイトに戻ったら、いよいよ酒宴の開始だ。
「会津磐梯の名水仕込み 栄川(エイセン)」
普段は日本酒って飲まないのだが、この日はお秀茶屋で味噌田楽を食べたせいなのか、無性に日本酒が飲みたくなった。
こちらは昼間に見学した「会津武家屋敷」。
入場料はたしか850円。
幕末や、会津の郷土史に興味のある方におすすめ。
展示物や、貴重な資料が多く、非常に興味深い。
所用時間はおよそ1時間から2時間。
ただし、お子さんが喜ぶようなアミューズメント性は皆無なので、ファミリーには向かないかもしれない。
裏磐梯は、人口も人工物も少ない。
だから人間様の活動と、それにともなって排出されるガスや、光や、その他のもろもろがとても少ない。
つまり、なにが言いたいのかというと、空気がメチャ綺麗ってこと。
そのため空はとても澄んでいて、驚くほど星がよく見える。
この日も満天の星空を期待していたのだが、あいにく雲が出ていたため、まったく星は顔を出してくれない。
とりあえず対岸のキャンプ場の写真を撮ったり、ラジオを聞いたり、酔っぱらってすっ転んだり、そんで半ベソかいたりしながら、裏磐梯の秋の夜を満喫した。
2日目
んで、翌朝。
2日目のスタート。
とても静かな朝を迎えられるのも、このキャンプ場のいいところ。
早朝からバス釣りのボートのエンジン音で目を覚ますようなこともないし、クルマやバイクが近くを通ることもない。
さらに、目の前の曽原湖は小さくて、しかも林に囲まれているせいなのか、いつも凪いでいて、湖面がとても穏やか。
じつに気分のよく朝の時間を過ごすことができる
ただし、磐梯山からは距離があるので、ここから見える磐梯山はちょっとばかし迫力に欠ける。
ということで、間近で磐梯山を拝めるビュースポットまで朝の散歩。
ちなみに裏磐梯はツキノワグマの生息地なので、クマよけの鈴は必須だ。
それもできればアルミ製ではなく、ブラス(真鍮)製のものが良い。
なんせブラス製の鈴は、リィィィーン・・・リィィィーン・・・と美しく響き、なんとも言えない余韻を残す。
ま、美しく響いたところで、それがどれほどクマよけの効果に違いが出るのかは知らないが。
とにかく音が出るものを携帯しておいて損はないだろう。
ちなみに未だクマに出会ったことはないが、そのかわり野生のサルはあちこちで目にする。
んで、到着したのはこちらの中瀬沼(なかせぬま)。
中瀬沼は、磐梯山のビューポイント。
うまく説明できないが「なんか自然ってスゲぇ・・・」って思わせてくれる。
このあたりの地形についての説明が書かれた立札。
言っちまえば、山と沼と林ですわ。
なのに、ものすごい風景が作り出されている。
キャンプ場に戻ってみると、すでに何組かのキャンパーたちがチェックアウトしていて、サイトが広くなっていた。
サイトの端っこに設営したいたテントを、磐梯山がばっちり見える絶景ポジションへと移動する。
移動した先にのすぐ隣には小川が流れていて、その上には丸太を組み合わせた橋がかっている。
この橋の存在がちょっと困ったもので、川向うにテントを張っている皆さんが、トイレや洗い物をするためにこの橋を渡り、そして私のテントの前を通過する。
そのたびに、通行する人と私は、お互いが愛想笑いを浮かべて「あ、どーも」なんてやり取りが発生する。
それと同時に、なにか妙な感じの空気が流れる。
ちょっと場所が悪かった。
設営したばかりのテントをたたみ、橋から数メートル離れた場所に移動する。
まさか日に2回もテントを設営することになるとは。
カップルで来ているお客さんが多かった。
それ以外の客はみなソロ(ぼっち)キャンパー。
割合としてカップル7に対してソロが3くらい。
時期が時期だけにファミリー客や、ウェーイ系の若者グループは皆無。
そのためか、とても落ち着いた雰囲気のなかでキャンプが楽しめた。
そいえばバイク乗りのキャンパーを全く見なかった。
サイト内は駐車場も含めて全面が土なので、バイクを停める場所に苦労するのかも。
さて、テントの移動が済んだら腹が減った。
たばこ屋温泉旅館で朝風呂を浴びてから、しお〇(しおまる)へ山塩ラーメンを食べに向かった。
前日の夜がとびきり寒かったので、管理棟で焚火用の薪を購入した。
檜原湖沿いのコンビニへ会津山塩を買いに出かけた。
ついでにお酒とか食料とかも買い込む。
2日目は特にどこかに出かけたりはしないで、キャンプサイトでのんびりと過ごした。
夜はまたまた、たばこ屋温泉旅館へと出向き、温泉に入る。
キャンプ場からたばこ屋温泉まではクルマで20分ほどの距離。
もっと近くにも日帰り入浴できる温泉があるけれど、個人的にここの温泉が好きなのだ。
帰りには女将さんから煮物をいただいた。
かたじけない。
前日の夜と同じように、焚火にあたり、酒を飲みながら夜を過ごす。
前の晩と違うのは、すっ転ばなかったことくらい。
おかげでベソもかかずに済んだ。
というワケで、とくに何もしないまま、2日目の夜がすぎていく。
3日目
さて3日目の朝。
今日も曽原湖の湖面は鏡面仕立て。
お隣のソロキャンパー2組は、ソーシャル・ディスタンス広め。
そういえば、薪ストーブ持ち込み組が多かった。
薪ストーブはテント内を真夏に変えてくれる魔法のアイテム。
真冬でも、Tシャツ1枚で余裕で過ごせる。
しかし薪ストーブは意外とランニングコストがかかる。薪代がけっこう馬鹿にならない。
それに、一酸化炭素中毒にも十分に注意する必要がある。
小川を挟んでお隣のカップルはとても感じがよかった。
キャンプでは、よき隣人に恵まれるかどうかって、かなり需要なファクターなのよね。
日が高くなるにつれ、撤収するグループがチラホラ。
私もそろそろ撤収の準備をしなくては。
わたしが使用している寝袋は、モンベルのDown Hugger #0(FP650)。
通称タラコちゃん。
どんな美男美女でも、この寝袋にはいると、たちどころにタラコにしか見えなくなってしまうという、げに恐ろしきアイテム。
このタラコちゃんとは、かれこれ5年ほどのお付き合い。
見た目こそタラコそのものだけれども、真冬のキャンプでもぐっすりと安眠させてくれる温かくて頼もしいヤツ。
袋には、スペックが記載されている。
マイナス7度まではConfort、つまりは快適な睡眠を約束してくれる。
マイナス14度が「リミット」つまり限界ってことか。
マイナス34度が「エクストリーム」って、どういうことなんだろう?
そういえば、メーカーでは「寝袋の中で胡坐をかける」と謳っているが、どう考えてもそりゃムリってもんだ。
雲が出てきた。
雨が降り出す前にテントを撤収。
お茶を飲みながら、しばし磐梯山を眺める。
帰る前に、管理人の兄さんにご挨拶。
じつに気持ちのいい兄ちゃん。
少し話しただけで「あ、コイツ、いいやつだ」と誰でも気づくだろう。
なにかを尋ねれば、親切にいろいろと教えてくれる。なのに、あちらから無暗に話しかけてくるようなことはしない。
こころの距離感が適切なのね。
居心地のいいキャンプ場。
キャンプ場を後にして「たばこ屋温泉旅館」へ。
日帰り入浴は1回400円。
源泉かけ流しの新鮮なお湯のなか、足をのばせる湯船がたまらない。
とくにこの時期の朝風呂は天国そのものだ。
初日の夜、2日目の朝晩、最終日と合計4回利用させて頂いた。
前日いただいた煮物のお礼に、コンビニで買ったシュークリームを差し入れたところ、逆にワカサギのつくだ煮をお土産を渡された。
すまぬ。
さて、お昼には会津名物のソースカツ丼を食べる。
ここ、めちゃ美味いのでおすすめ。
【元祖煮込みソースカツ丼の店 なかじま】唯一無二のカツ丼はこの店でしか食べられない! 絶品の豚肉と酸味の効いたソースの組み合わせは中毒性が高すぎる@福島県会津若松市
帰る前に、鶴ヶ城を見学することにした。
雨の中、巨大な石垣に囲まれた通路をすすみ、鶴ヶ城を目指す。
それにしても、なんだかものすごいウィザードリィ感。
いつかグレーターデーモンとエンカウントするんじゃないかと、警戒しながら慎重に歩く。
*いしのなかにいる*
いしのなかにいたり、いなかったりしながら、なんとか鶴ヶ城に到着。
城の中にも入れるのだが、雨が強く降り出してきたのでここで引き返す。
なんせ11月の会津の雨はとても冷たい。
ということで、城内の見学はあきらめて、とっとと地元茨城県へと帰ることにする。
初日こそ天気に恵まれたが、だんだんと天気は悪くなり、最終日には雨に見舞われた。
初日に撮影した会津武家屋敷のもみじ。
一面が赤と黄色に染まる紅葉の季節って、なんだか煉獄さんっぽい色使いよね。
立ち寄った場所はこちら
ほとりの遊び場キャンプ場
住所:〒966-0400 福島県耶麻郡北塩原村檜原曽原山1096-235
電話:090-6682-7965
たしか、一泊2,500円だったと思う。