新型コロナウイルスによって、世界中が揺れに揺れた2021年もそろそろ終わり。
あらためてこの1年を振り返ってみれば、いろいろなことが有ったような、無かったような。
つまりは例年通り、特別なコトなんてな~んにも起きない平凡な1年間だった。
ま、そんな個人的な話さておいて。
年末年始の時期というのは、心がおどる楽しいイベントが目白押し。
クリスマス、除夜の鐘、初詣、お年玉、凧揚げ、初日の出暴走、などなどなど。
そのなかでも最大のお楽しみと言えば、やっぱり「年越しそば」だ。
手打蕎麦 ふじ庄
蕎麦好きとしては、1年を締めくくる「年越しそば」にはこだわりたいところ。
というわけで、今回ご紹介するのは茨城県那珂市にある『手打蕎麦 ふじ庄』だ。
やぁ諸君ごきげんよう。
ぼっちメシ研究所のジャムだ。
お店の外観
お店の場所は常磐自動車道の那珂I.Cのすぐ近く。
なので、遠方からもアクセスしやすい好立地。
こちらが外観。
建屋は新しいが、創業40年の老舗の蕎麦屋。
いかにも年末年始っぽい書き出しで始めてしまったが、実はお店に伺ったこの日は7月下旬。
季節は夏まっさかり。
お店の裏には青々とした田んぼが広がっていた。
さっそく辛子色の暖簾をくぐり店へと入る。
店内の様子
ニコニコと感じのいい女将さんに笑顔で出迎えられる。
和モダンな店内には4人掛けのテーブル席が4つと座敷がいくつか。
カウンター席は無し。
1人であることを伝えると、テーブル席へと案内される。
大きな窓の外はのどかな田園風景。
天井が高く開放感がある。
空調が効いていて心地よい。
夏の暑い日には冷たい蕎麦が食べたくなるね。
天ざる
メニューは『もり蕎麦(税込み740円)』や『ざる蕎麦(税込み800円)』などのベーシックなものに加え、『胡麻だれ』や『梅おろし』などのちょっとひねりを加えた蕎麦もラインナップ。
何を食べようかと少しばかり迷ったが、おすすめ印が付いた『天ざる』と『温泉卵』を注文することにした。
お茶。
熱々の緑茶もいいけれど、こんな暑い日にはやっぱり冷たいドリンクが飲みたい。
ということで『Frula(フルラ)』のライチ味を追加で注文。
ところで、このフルラってドリンクってご存じだろうか?
なんとこれ、ラムネ。
青いキャップ、瓶くびれ、ビー玉が、まぎれもないラムネの証し。
グラスの中でシュワシュワとはじける炭酸がじつに涼しげ。
それにしても、ずいぶんと洒落たラムネもあったもんだ。
ラムネを飲み飲み、蕎麦が運ばれてくるのを待つ。
まずは『温泉たまご』が運ばれてきた。
さっそくひと口。
おお、出し汁がめちゃ美味い! さすがは蕎麦屋だ。
て~ろてろっな温泉タマゴの上にはベイビーなカイワレのシャキっとした歯ごたえが映える。
続いて『天ざる』の登場。
天ぷらのタネは大葉、ゴーヤ、エビ、ナス、カボチャ、昆布、マイタケ。
蕎麦はかなり太め。というか幅広。
この太打ちの蕎麦こそが『ふじ庄』のアイデンティティー。
江戸前蕎麦のように「ちゃちゃと噛んで、のど越しを楽しむ」っていうタイプの真逆で、モグモグと嚙み応えのある食感を楽しみつつ、口の中に奔放に広がる蕎麦の風味を楽しむスタイル。
薬味のネギとワサビ。
こちらは「ちょこっと大和芋」
大和芋ってのはつまりはヤマイモ。
それにしても、こちらのお店は使われている器がステキだ。
この特徴的な色使いは、たぶん九谷焼かな?
蕎麦猪口もグっと来るものがある。
選ぶ器が自分の好みと合うってのは何気にポイント高い。
蕎麦汁は、太い蕎麦に合わせて塩気がやや濃いめ。
そしてカツオの風味も濃い。
太打ちの蕎麦は、よく田舎蕎麦なんて表現されることが多い。
しかしその言葉の裏には「蕎麦粉を練って雑に切っただけ」ってな乱暴なイメージが付きまとう。
いや、まぁ確かにそんな蕎麦を出す店も無いわけじゃなけれど。
でも『ふじ庄』が出す蕎麦は、そんな田舎蕎麦とはちょっとばかりわけが違う。
ちゃんと考えて、そして考えて、さらに考えた結果、この太い蕎麦にたどり着いたんだろうなって説得力にあふれている。
太い蕎麦はモチモチっとした粘りのある独特の食感で、それがなんだか新鮮。
この食感は、つなぎに何か特別な工夫がされているのかもしれない。
天ぷらは、サクっというよりもカリっとした仕上がり。
大和芋はものすっごい粘りで、まるで餅のよう。
箸でつまもうとすると山芋が丸ごとリフトできちゃって、なぜか思わず笑ってしまう。
しかし、この大和芋はどうやって食べるのが正解なのだろうか?
少々考えた後、たぶん「つけ汁をぶっかけるんだろう」と結論付けた。
出汁でといてズズズっとすすり上げると、これがまた山芋の風味が超濃ゆい。
カツオの出汁に負けない強さがある。
これは白メシ、いや麦飯にぶっかけて食べたい。
後半はワサビで変化を付ける。
残りわずかとなった蕎麦をすする。
蕎麦といえば忘れちゃいけない蕎麦湯。
蕎麦湯はサラサラ系。
まっさきに感じたのはほのかな甘み。
最後にデザートのアイスが運ばれてきた。
ブルー、ピンク、ベージュがランダムに混ざり合うマーブル模様。
ものすごくカワイイらしい。
ラクトアイスっぽいさっぱりとしたラムネ味。
夏には濃厚なプレミアム系のアイスよりも、こんなライトなラクトアイスのほうがいい。
なにせ乳脂肪分たっぷりのプレミアム系のアイスって、その濃厚な甘みのせいで喉が渇くから良くない。
あれは冬の寒い日にコタツに入って食べるものだ。
冷やしたぬき+ミニ天丼+手作りプリン+コーヒー
夏が終わるころ、ふたたび『ふじ庄』へ。
この日のオーダーは『冷やしたぬき』
具材は、刻み海苔、トマト、カイワレ、たっぷりと盛られた天かす。
それと『ミニ天丼』
天ネタは、シシトウ、昆布、ナス、カマボコ、エビ。
本来なら、麺がくたる前に『冷やしたぬき蕎麦』から食べるべきなのだろうが、しかし天丼の甘辛いタレの香りが、どうしようもないほど鼻をくすぐりやがる。
主役の蕎麦そっちのけで、ミニ天丼から箸をつけた。
蕎麦だけではちょっと物足りないかなぁ、なんて時に追加するのにぴったりサイズのミニ天丼。
しかし、サイズはミニといえども、その完成度はミニじゃない。
カツオの出汁が効いたタレが白メシに絡む。
それに、ちゃんとお漬物が付いてくるってあたりが素晴らしい。
ミニ天丼をやっつけて、本日のメイン『冷やしたぬき』の攻略にとっかかる。
太打ちの蕎麦は、ざる蕎麦のようなつけ汁スタイルで食べるよりも汁ぶっかけスタイルで食べ方の方が相性が良いんじゃないかなと思う。
なにせ太打ちの蕎麦ってのは、太いがゆえにつけ汁とのカラミが悪い。
たとえつけ汁の入った猪口にドップリと浸けたとしても、太い麺はイマイチつけ汁を拾ってはくれず、江戸前蕎麦のように「つけ汁に蕎麦の先をチョイと浸けて食べる」ってワケにはいかない。
だったらこの『冷やしたぬき』のように、あらかじめ蕎麦を汁に浸けておけば、すべてが具合よく収まるってなもんだ。
具材にミニトマトが使われいて、最初は「え・・・蕎麦にトマト?」とちょっと引いていたのだが、いざ食べてみるとこれがけっこう良い。
ミニトマトの酸味が天かすの油分を良い具合に中和してくれて、さっぱりと食べることができる。
蕎麦とトマト。意外と相性が良いのかもしれない。
デザートは『手作りプリン』
オーソドックスだけれども、だから良い。
梅おろし+タコ唐揚げ+半ライス
前回いただいた『冷やしたぬき』は、ミニトマトの酸味が思いのほか蕎麦にあっていた。
ということで、より酸味を楽しめるであろう『梅おろし』を注文することにした。
サイドメニューから『たこの唐揚げ』をチョイス。
いや、どうにも好きなんだよね、タコ唐。
あと『半ライス』も一緒に注文。
ラムネはマンゴー味。
ちゃんとラムネなのに、ちゃんとマンゴー味なのが不思議。
ラムネを飲みならが、蕎麦の茹で上がりを待つ。
まずは『たこの唐揚げ』
サクサクの軽い衣。
小皿にマヨネーズが添えられているが、唐揚げには下味がしっかりと付いているので、そのままパクパクいける。
鶏肉と違って脂感はないけれど、タコならではのギュギュっとした歯ごたえが楽しい。
マヨネーズも悪くないが、どちらかと言えばコショーが欲しい。もしくはタバスコ。
軽い目の盛りの半ライス。
タコ唐で飯が進む。
半ライスじゃなくって、普通盛りのご飯を注文するべきだったか。
半ライスにもお漬物が付く。
こちらが『梅おろし』
具材には刻み海苔、大根おろし、カツオ節、カイワレ、そしてマッシュした南高梅。
使われているの梅は南高梅。
かなりたっぷりで、おそらく梅2粒分が使われている。
梅って食べ物はそれほど風味が強い食べ物でもない。つまりは蕎麦の風味を邪魔しない。
塩辛くなり過ぎないのは太い麺のおかげだろうか。
それにカツオ出汁との相性もいい。そういえば梅干しにもカツオ梅ってのがあるもんな。
デザートに『蕎麦のアイス』を追加。
前に食べたラムネアイスがラクト系のさっぱりだったけど、これは濃厚系。
トッピングされた蕎麦の実がこうばしい。
何気なく添えられているのは蕎麦粉のクッキー。
蕎麦の香りも華やかな逸品。
鴨ざる+とろろ御飯
つけそばメニューの中から『鴨ざる』をチョイス。
ついでに『とろろ御飯』も合わせて注文。
すると女将さんから「ご飯は麦飯ではなく普通の白米ですが、よろしいでしょうか?」と尋ねられる。
なるほど、とろろと言えば麦飯。
麦とろって言うほどだもんな。
とくに麦飯に対するこだわり無いから白米でもぜんぜんOKです。
またラムネ。
店内のテレビでは上高地のライブカメラの映像が中継されていた。
こちらが『とろろ御飯』
思わぬ豪華な陣容に面喰らった。
なんだか期待していたとろろ御飯とだいぶ違う。
あらためてメニューを見てみる。
以前いただいた『ミニ天丼(720円)』の下に、今回の『とろろ御飯(880円)』が並んでいる。
同じ並びで書かれていたので「とろろ御飯」もきっとミニサイズのものが出てくるものだと思い込んでしまった。
そのせいで、しっかりばっちり一人前のとろろ定食が出てきたことに驚いた。
これは「とろろ御飯」と言うよりも「とろろ御膳」と表現したほうが正しいだろう。
メインのとろろ。
そして生卵。
さらに漬物、薬味、南高梅。
この大和芋の粘りの強さ。
箸でつまみ上げると、器ごと持ち上がってきそうな強力な粘着力。
この粘り強さを見習いたい。
醤油を注ぎほぐす。
小鉢はすり鉢状になっていて、箸で混ぜるとカラカラと軽い音を立て、これがなんとも心地よい。
御飯もしっかり一人前。
中央にポケットを作り、そこに山芋と卵を流し込む。
薬味のワサビとネギも投入。
山芋と卵のコンビネーションで、メシはズルズルと胃に流れ込んでいく。
最後に梅干し。
薄い皮の中に果肉がたっぷりと詰まっている南高梅。
ただ、ちょっと甘いタイプの梅干しだったので、自分の好みには合わなかった。
お次は『鴨ざる』
つけ汁をそのまま飲んでみると、鴨肉の脂がとびきりのコクを与えていて、これぞ鴨ってな味わい。
思いのほか塩気が強く、太い蕎麦に合わせた味付けがなされている。
そういえばここの蕎麦って水切りが絶妙。
蕎麦同士が引っ付くことなく、それでいてベチャつくこともない。
使われている鴨肉は3枚。
鴨肉はちょいと固め。
いや、肉質がしっかりしている、と言っておこうか。
それにしても、相変わらず器がステキだ。
蕎麦のアイスが美味しかったので追加で注文しようとすると、あいにくとこの日は品切れ。
なんでも前の日によくアイスが売れたそうで。
女将さんが申し訳なさそうに「マーブルならご用意できますが・・・」とおっしゃる。
んー、じゃそれでお願いします。
親子丼+月見そば+たこの唐揚げ
10月下旬。
すっかり肌寒くなったころ。
この日はずっと気になっていた『親子丼』
それと『たこの唐揚げ』を注文。
そういえばこのお店、曜日限定のメニューがあるのですよ。
こちらは金曜日限定の『南蛮カレーそば』
そして水曜日限定の『肉そば』
肉蕎麦って豚肉のイメージがあるけれど、こちらの肉蕎麦は牛肉を使っている。
興味深い。
お茶を飲みながら待つことしばし。
まずやって来たのは『たこの唐揚げ』
タコってのは役者だな、と思う。
役者というか、女優だろうか。
それもちょっと取っつきにくくて気難しいタイプの女優。
けっして「当代きっての売れっ子」ってわけでなはい。
一部のコアなファン層によって支えられていて、世間にはそれなりに認知されているものの、しかしその特徴的なルックスのせいもあってか、出演する映画や舞台がごく限られる。
そんなタイプの女優だ。
タコという女優は、与えられた役をそつなくこなすが、しかし仕事はかなり選ぶ。
さらにちょっとばかり難しい性格のため、共演NGもわりと多めだ。
タコと同時期にデビューした女優にはイカがいる。
2人はキャラクターが似ているせいもあってか何かと比較されることも多いが、しかしタコはそのことをあまり快く思ってはいない。
なにしろイカの方がより多彩に仕事をこなすから出番も多い。
たとえば「イカの姿焼き」や「イカスミのパスタ」のようにイカは自分が主役を演じることもあるし、また時には脇役として「八宝菜」などにも出演する。
なにしろタコよりも、イカのほうが演技の幅が広いのだ。
だからタコは、そんなイカの存在を少々疎ましく思っている。
タコの代表作は、なんと言っても「タコ焼き」に尽きる。
しかしタコ焼きにおけるタコは、小麦粉の厚い衣に覆われていて、さらにソース、マヨネーズ、カツオ節、青ノリと、厚化粧に厚化粧を重ねているため、女優の命ともいえる顔が表に出てこない。
せっかくの主演女優だというのに、タコは顔を見せることもなく裏方的なカメオ出演。
なによりもタコにとって気に食わないのは、自身の代表作がB級グルメのタコ焼きであることだ。
彼女はプライドも、そして上昇志向も人一倍強い。
自分にはB級グルメよりももっともっと高いステージこそがふさわしいと考えている。
そんなタコという女優にとって、新たな代表作となる可能性を秘めているのが「唐揚げ」だ。
たこフライでもたこの天ぷらでもなくあくまでたこの唐揚げという舞台だ。
彼女はたこの唐揚げという新しいステージに、自分の真の魅力を花開かせる可能性を感じている。
唐揚げの舞台は『鶏の唐揚げ』のバーター(代役)として急に回ってきた仕事。
本来であれば、唐揚げという舞台の主役は「鶏肉」が務めるはずだったのだ。
この主役となるはずであった鶏肉というのは、もとはお笑いコンビの片割れで、豊富なグルメ知識を活かした食レポなどでも有名。
昼の情報番組のMCなどにも起用されているマルチタレント。
しかしある日、そんな彼にスキャンダルが発覚する。
セクシー女優との不倫だ。
それも複数人との。
そして彼が不倫相手の女性たちとの密会に使った場所がまた良くなかった。
その場所とは、六本木ヒルズの多目的トイレ。
自身のスキャンダルがスクープされたと知るや否や鶏肉は、所属事務所を通して一方的に芸能活動の自粛を発表する。
おそらくは彼なりに世間からのバッシングをかわすための先手の行動だったのかもしれない。
彼はこれといった釈明をすることもなく、唐突に雲隠れを決め込み、気長にスキャンダルが風化することを待つことにした。
やがて半年ほど時が経ち、そろそろ世間のほとぼりも冷めたであろうと考えた鶏肉は、とある「年末の大型バラエティー番組」へのサプライズ出演でもって表舞台への復帰を企てる。
しかし、普段から鶏肉を快く思っていなかった番組制作スタッフや芸能界関係者が週刊誌へとその情報リークし、その目論見もあえなく失敗。
あわてて開いた釈明会見は明らかに準備不足。
会見場に現れた彼を取り囲んだ女性記者たちからの矢継ぎ早の質問に対してもアワアワとするばかりで、その応答は一向に要領を得ない。
当然のごとく厳しくツッコミまくられてフルボッコ。
涙を流して同情を引こうとしているのか、しきりに目を瞬かしても、肝心の涙はいっこうに出てくれない。
その結果、よりいっそう激しく世間からのひんしゅくを買う結果となり、復帰への道はかえって遠のいた。
そして現在も表舞台への復帰の目途は立たず、知り合いの紹介で始めた豊洲市場のバイトに精を出す日々を送っている。
以上ような顛末で鶏肉は唐揚げの主役を降板することとなり、代わって唐揚げの主役を務めることになったのがタコだった。
ん? なんの話だ。
さて『親子丼』が到着した。
しっかりととじたとき卵と、中央には生卵の二段構え。
なにはなくとも卵を崩す。
出汁にはシイタケが入っているのかな。
玉ネギの甘みと鶏肉の旨味、さらには卵のコクが加わってもうたまらない。
目立たないけれど、海苔がいい仕事している。
これまで気が付かなかったけれど、お漬物にはうま味調味料が振ってあった。
うま味調味料は嫌いじゃないが、個人的にお漬物にはうま味を求めていないので、ちょっとうるさく感じた。
スプーンというかレンゲで食べるので、汁だくの親子丼が最後まで食べやすい。
寒い日だったので、温かいお蕎麦が食べたくなり『月見そば』を追加した。
タマゴ沈み込まないよう海苔の座布団の上。
蕎麦がほど良く汁を吸っていい塩梅。
薬味のネギは別皿。
この田舎風太打ち蕎麦に良く合う。
食べているときは気が付かなかったけれど、こうして改めてみると『親子丼』と『月見そば』って卵が丸かぶりだった。
まぁ美味かったから良し。
月見そばってひさびさに食べた。
なにせ出汁が卵で濁るのが好きじゃなくて、なんとなく敬遠していた。
でもやっぱり美味いもんだ。
デザートは『手作りプリン』
つけけんちん+牡蛎天ざる
季節は巡り、すっかり冬。
季節限定メニュー『けんちん蕎麦(11月~3月)』が解禁となった。
こちらが『つけけんちん』
けんちん蕎麦は日本全国各地にあるそうだが、しかし「つけけんちん」という食べ方は茨城県独特のものらしい。
そのせいなのか「つけけんちん蕎麦」は茨城県の郷土料理ってことになっているそうだ。
20数年前に亡くなった祖父が無類の蕎麦好きで、気が向いたときにには自ら蕎麦を打ち、それを「けんちん蕎麦」にして家族や親せきに振る舞った。
そう書くと、いかにもけんちん蕎麦が思い出の料理っぽい感じになるけれど、実のところあまりいい思い出はない。
なにせ祖父が打つ蕎麦はいつでも雑で大雑把で不格好。
蕎麦のド素人が、おのれの感性だけを頼りにして、なんとなく蕎麦粉をただただ練って切ったもの。
しかも水回しなんて適当過ぎるほど適当なもんだから、茹で上げた蕎麦はボロッボロの小間切れになっちまう。
そんな蕎麦は、とてもじゃないが「啜る」なんて食べ方はできるわけもなく、だから箸でつまんでモソモソと食べることになる。
さらに悪いことに祖父は、汁物はとにかくグツグツに煮立たせないと気が済まない性分。
なもんだから、せっかくのけんちん汁はいつも野菜がクタクタで、さらに醤油の香りも、それに具材の風味もその一切合切が吹っ飛んだ謎汁に仕上がって出てくるのが常だった。
以上のような超個人的な理由によりけんちん蕎麦ってものにあまり良い印象はない。
だから蕎麦屋でけんちん蕎麦を食べようなんて思ったことは一度もない。
もしかしたら、蕎麦屋でけんちん蕎麦を食べるのは今回が初めてかもしれない。
で、蕎麦屋のけんちん蕎麦はどうだったか?
いや、これがべらぼうに美味い。
もっちりとした太打ち蕎麦がけんちん汁にばっちり合う。
根菜の旨味が溶け出したけんちん汁と蕎麦の組み合わせは、まさに大地の恵みって感じ。
けんちん蕎麦を見直した。
こんなにも美味いものだったのかよ。
今までけんちん蕎麦を避けてきたことをだいぶ後悔した。
そしてちょっとだけ懐かしい気持ちになった。
けんちん蕎麦をあっという間に食べ終えてしまい、ちょっと物足りなかったので『牡蛎天ざる』を追加。
5分ほど待つと『牡蛎天ざる』が運ばれてきた。
ざるだけど、海苔は無し。
ひょっとして乗せ忘れたのか?
それともこれがデフォの仕様なのだろうか?
カキの揚げ物と言えばやはりまっさきに頭に浮かぶのはカキフライ。
だからカキの天ぷらって珍しい気がする。
なるほど、カキの天ぷらってのも悪くない。
太打ちの蕎麦はつけよりもかけ。
そう思っていたけれど、やっぱりつけでもイケる。
デザートの『蕎麦のアイス』をいただいてフィニッシュ。
そういえば蕎麦つながりで、ふと思い出したことがある。
これまでの人生、何事においてもチャレンジや冒険を避けることを信条として生きてきたのだが、今年はペヤングの獄激辛やきそばシリーズにチャレンジしてみた。
夏のころ、たまたま入った近所のドラッグストアで獄激辛にんにくやきそばが販売されていたのがきっかけだ。
このシリーズは、異常なまでの辛さで有名で、YouTube界隈におけるリアクション芸のお供としてその名を轟かせている。
しかし、いくら辛いといっても大手メーカーが出す商品だから、そこまで極端に辛くはしないはずだと考えて、話のネタにと1つ買ってみることにした。
さっそく家へと持ち帰り、パッケージを開けてお湯を注いで3分。
湯切りをしてソースかけてみると、まるでペペロンチーノのようなニンニクが香りが広がり、なんだかけっこう美味そうだ。
さっそくズズズと食べてみると、なるほどなかなかの辛さ。
しかし「驚くほどの」ってレベルでもない。
ちょっと拍子抜け。
「そういえばペペロンチーノのカップ麺って、有りそうでなかったよな。これ、けっこう画期的じゃん」
なんてのんきに考えていると、突然、猛烈な辛さが襲ってきた。
よく言われることだが「辛さ」というものは味覚ではなく、痛覚で感じるもの。
獄激辛やきそばの味は「辛い」というよりも「痛い」
それもとてつもなく。
慌てて冷蔵庫から氷をとりだして口に含むと、痛みが多少はまぎれるが、それでもまだまだ痛い。
あまりの痛さに思考する能力を奪われ、何も考えることができない。
身もだえしながらひたすら耐えることしばし。
ようやく痛みが治まってくる。
これは危険な食べ物だ。
ではいったい獄激辛やきそばはどれくらい痛いのか?
その痛さを分かりやすくお伝えするために、まずは痛さというものを数値化しておきたい。
最初に基準となる値を決めてみよう。
たとえば口の中いっぱいに画鋲を含んだ状態で、全盛期のアントニオ猪木に思い切りビンタを喰らったとする。
口の中で画鋲が跳ねまわり、当然のことだが血だらけ。
ぐえっ・・・これはかなり痛い。想像しただけで鉄の味がする。
で、この痛さを100とすると、ペヤング獄激辛やきそばを食べたときの痛さはどれくらいだろうか?
その痛さはおよそ・・・
およそ・・・53万・・・ッ!!
いや、マジでそれくらい痛かった。
ちなみに写真は店の入り口に設置されている水槽の様子。
水槽にはマジック同好会メンバー募集のお知らせが張ってある。
ご興味のある方はぜひ。
夏には青々としていた田んぼも、今や丸坊主。
ふじ庄の情報
ふじ庄の場所はこちら
駐車場はお店の前に20台分くらい。
砂利敷きだけど、かなり広い。
住 所
〒311-0134 茨城県那珂市飯田1635−2
電 話
029-295-0473
営業時間
平 日 11時00分~14時00分
金土日 11時00分~19時30分
定 休 日
無し
Web
ふじ庄のメニュー
※ 価格は2021年のもの。
冷そば
とろろざる(大和芋)
1,100円
天ざる(ちょこっと大和芋とアイス付き)
1,800円
牡蛎天ざる
1,150円
冷やし天ぷらおろし
1,160円
なめこおろしざる
980円
自家製胡麻だれ
860円
もり
740円
ざる
800円
冷やしたぬき
970円
梅おろし
1,050円
温そば
天とじ
1,170円
天ぷら
1,120円
牡蛎天
1,150円
きのこ
1,120円
とろろ(大和芋)
1,100円
かしわ(鳥もも)
1,020円
玉子とじ
880円
たぬき
810円
月見
830円
かけ
740円
けんちん(11月~3月)
1,180円
肉そば(水曜日限定)
1,100円
南蛮カレーそば(金曜日限定)
1,100円
つけそば
鴨ざる
1,250円
きのこざる
1,120円
けんちんざる(11月~3月)
1,180円
天 婦 羅
ミニ天ぷら盛り
650円
天ぷら盛り合わせ
1,550円
まいたけ天盛り
780円
御飯もの
天重
1,380円
ミニ天丼
720円
とろろ御飯
880円
親子丼
950円
ライス
210円
半ライス
130円
肴・お飲物
玉子焼き
750円
板わさ
600円
揚げ出し豆腐
550円
山芋磯辺揚げ
620円
たこの唐揚げ
530円
牡蛎の天ぷら
650円
月見納豆
360円
月見とろろ
530円
冷ややっこ
360円
お漬物盛り
550円
生たまご
80円
大根おろし
110円
コーヒー
130円
蕎麦アイス
360円
手作りプリン
360円
ラムネ
260円
三ツ矢サイダー
140円
日本酒(一合)
460円
冷酒(菊水)
820円
蕎麦焼酎グラス
460円
蕎麦焼酎ボトル
2,400円
生ビール
600円
瓶ビール
550円
ノンアルコールビール
410円