今日は年一回の定期健康診断のため、茨城県日立市の病院へと行ってきた。これはそのレポートではない。
私の空腹を満たしてくれた一軒の寿司屋についてのレポートである。
やぁ諸君、ごきげんよう。
ぼっちメシ研究所のジャムだ。
おかめ鮨
ダイエットを始めてかれこれ2年ほどになる。医者のすすめで始めた。
私はダイエットに取り組むにあたって、その結果を焦って求めたりはしない。
なぜなら、ダイエットにおいて真に大切なこと、それは食生活と運動、つまり日々の生活習慣の改善が一番に肝要であるということを十分に理解しているからだ。
その甲斐あってか、去年の健康診断の体重測定では10Kgの減量に成功した。
なかなか悪くはない数字だ。そして今日はその前回の健康診断から実に一年ぶりの体重測定。やや緊張しながら体重に乗る。
そして一年ぶりとなる軽量の結果、私の体重は去年より3Kgほど増えていた。
しかし、この1年で体重が3Kg増という事実は私にとってなんら驚くに値しない。概ね予想していた通りの結果だ。
ダイエットとは長期的な視点に立ち俯瞰して見て考える必要がある。大事なのはマクロな視点だ。
我々が住むこの地球が誕生してから45億年。そのタイムスパンで考えれば、1年というのは極ごく短い時間だ。
そんなものは無と言っても良い。その無の期間で増えた3Kgなど単なる誤差でありノイズに過ぎない。
無かったコトにするのが妥当だろう。
つまるところ、私のダイエットは順調そのものだ。
よってこの結果は「お鮨をたらふく堪能したい」という私の欲求に対して、なんの障害ともならない。
今日のランチは日立市内のおかめ鮨に行くとすでに心を決めている。
おかめ鮨に到着。
海に近いロケーション。しかしこの店の駐車場が見当たらない。
私は、駐車場の場所を確認するため、いったん車を路上に停めて店に入った。
jam「こんちわー」
カウンターの向こうにいる60代と思しき大将はランニング姿だ。
他に客は居ないとはいえ、なんぼなんでも油断しすぎだろう。
jam「あの、車止めるとこありますか?」
裸の大将「あー、店の前の空き地に停めて大丈夫だよ」
jam「あ、あと、写真とってもいいですか?」
裸の大将「あー、構わないよー」
いったん店を出てから、再び車に乗り込み、大将ご指定の空き地に車を停める。
あらためて暖簾をくぐりお店に入る。そこには、先ほどの半裸の大将の姿はない。白い割烹着に身を包んだ老練な板前の姿があった。
小上がりは3卓。
カウンター6席。
他の客が来ないうちに店内の様子を撮影していると、上品な女将がお茶を運んで来てくれる。しかも写真のフレーム内に入らないように気を使って待っていてくれた。
ご挨拶すると、
女将「へぇー、何に使うんですかぁ?写真なんてぇ?」と
jam「あ、あ、あの、ブログに・・」
女将「へぇー、最近のインターネット?そういうのって、私たち分からないからぁ(笑)」
明るい方だ。
さっそく運ばれてきたお茶を頂くと、茶の香りが濃くて美味い。朝から何も飲み食いしていない胃に緑茶がしみ込む。
思い切って特上寿司をオーダー
繰り返しになるが、今日の健康診断のために前日の晩から何も食べていない。それに加え、中華料理屋の不義理により無駄に時間を浪費して、めっぽう腹が減っている。ここは特上寿司だ。2600円也。いったれ。
ここのご主人はとても話好きだ。ぼっちな私を相手に色々と話しを振ってきてくれる。私としても、せっかく大将が振ってくれた話題なのだが、ナチュラル・ボーン・コミュ障な私は上手く話しを広げられない。そしてその結果、大将のトークは話題を転々とする。おかげで寿司が出てくるまでの間を飽きずに過ごせた。
そういえば、税率が10%になってからこれが初めての外食だ。今日から食事の代金には価格の1割の金額が上乗せされ、それはやがて国庫に納まる。くれぐれもムダ遣いしないように。
おかめ鮨の特上握り。
ウニ。
箱ウニ独特の苦さが口に残った。この苦さはミョウバンによるものだと思い込んでいたが、そうではないらしい。
イクラ。
カニ。
海老と数の子。
イクラと数の子はやや塩気が強い。
この鉄火巻きの色は何に由来するのだろうか?
味は悪くない、と言うか美味しいのだけれど。
これ、おそらくマグロのヅケのかも。タレがシャリに滲まないようにこの海苔の巻き方になっているんだと想像する。たぶん。
特に説明もされなかったのだが、未だに気になる。とっても。
本日の白眉。
こちらのマグロは見慣れた色合い。
江戸時代、マグロは醤油に漬け込んだ所謂ヅケにして保存し食されていた。
しかし赤身にくらべて脂が多いのがトロ。醤油に漬け込むにも脂が醤油をはじき、馴染まない。そのためトロは価値が低い部位と見なされていた。そんなトロに付いた呼び名は猫またぎ。トロは猫もまたいで避けて行く。江戸時代のトロは猫もシカトするシロモノだった。
もちろん、現代に生きる私はこの猫またぎを美味しく頂いた。
おかめ鮨の感想というか雑感
私は寿司ネタではイカとタマゴが一番好きだ。しかし誰かと寿司屋に行ったときなどにイカとタマゴばかりを熱心に食べ続けていると、周りから変に勘ぐられてしまうことが実に多い。
例えば、会社の上役と寿司屋に行き、イカとタマゴばかりを食べていると「こいつ、遠慮してるのかな?」と思われる。
例えば、会社の後輩と寿司屋に行き、イカとタマゴばかりを食べていると「jam所長、お金ないのかな?」と思われる。
私はそのどちらにも思われたくない。そんな気持ちから生まれる不可思議な見栄のせいで、つい意中にはないネタを頼んでしまう。
本当はイカとタマゴをたらふく食べたいにもかかわらず。
おかめ鮨の握りにも、イカと玉子は無かった。だって分不相応な特上握りを頼んじゃったもんだから安いネタはなくても当然。
オーダーした私が100%間違っている。それにつけてもイカとタマゴが食べたかった。
先にも述べたが、ここのご主人は話好き。それに負けず劣らず女将も話好き。おかめ鮨は文字通りにアットホーム。実家に帰ったかのような心地の良さ。なごむ。
お店の価値とは必ずしも味だけで決まるわけではないのかもしれない。そのお店の空間や、居心地がよければまた通いたくなる。なんてこともあるのかもしれないな、と思ったりした健康診断の日だった。
おかめ鮨の場所はこちら
小さな小路沿いに見えるがそれは間違い。
信号のある通り沿いにお店はあります。
おかめ鮨の基本情報
営業時間
11:00 ~ 22:00
定休日
なし
住所
〒319-1413 茨城県日立市小木津町5丁目3−7
電話
0294-42-3353
定休日無しってマジか?大将働きすぎだろ。たまにはお休みになってください。