トンカツといえば、まっさきに思い出すのは『美味しんぼ』に登場するあの有名なセリフ。
いいかい学生さん
トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ
それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ
引用:美味しんぼ 11巻 「トンカツ慕情」
とんかつ一筋 かつ吉
やぁ諸君、ごきげんよう。
ぼっちメシ研究所のジャムだ。
すでにだいぶ昔のことだけど、冒頭のセリフをはじめて読んだとき、これがやたらと心に響いた。
そして気が付けば、私もすっかり「えら過ぎない人間」になっていた。
それに、ちょっとばかり無理をすれば、月に1回か2回くらいは「トンカツをいつでも食える」。
だから、先の美味しんぼの名セリフ「人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこ」の、ちょっと下あたりの人間にはなれたんじゃないかと思う。
というわけでトンカツを食べにとんかつ一筋 かつ吉へ。
この店は、何度もメディアに取り上げられていて、地元ではちょっとしたトンカツの有名店だ。
駐車場は砂利敷きで、白線などは引かれていないが、10~12台くらいは余裕をもって停められそうな十分な広さ。
とりあえず、端のほうにソレっぽくクルマを停めて、店内へと向かう。
いるものように、カウンターのすみっこに腰を下ろす。
ぼっちの指定席。
後からファミリーのお客さんが来店して、奥の方へと案内されていく。
店内はしっかりと掃除が行き届いていて、とても清潔だ。
さっそくお冷、おしぼり、それとドレッシングが届く。
キンっと冷えたおしぼりが気持ちいい。
メニューを開くと、まずはランチのラインナップが目に入る。
とんかつ定食が1,000円ってな、かなり良心的なお値段設定。
価格はすべて税込みなので、1、000円ポッキリでとんかつ定食が食べられちゃうってのは実にありがたい。
グランドメニューも見てみる。
せいぜいトンカツの中・上・特上があるくらいだろうな、なんて思っていたら、思いのほかメニューが多い。
ちょっと見ただけでも梅おろしかつ、水戸風かつ、梅祭りかつなどなどなど。
工夫をこらした変わりダネのトンカツが並ぶ。
とくに興味がひかれたのが、茨城県民である私にとっては、まったく馴染みがないみそかつだった。
味噌カツと言えば名古屋。
いぜん仕事で名古屋に行く機会がり、そのときに1度だけ本場の味噌カツを食べる機会に恵まれた。
ところが、入った店が良くなかった。
その店で提供された味噌カツは、カミソリの刃よりも薄いトンカツに、八丁味噌をただ塗りたくっただけのような料理だった。
「なにコレ? 味噌の味しかしない・・・」
期待が大きかっただけに、とてもガッカリした。
今こそ、あの日のリベンジだ。
奥には窓際に面したこじんまりとしたテーブル席。
陽当りが良すぎて、夏にはキツイかも。
奥には座敷があるようだが、カウンターからは見えない。
カウンターの隅には、可愛らしいの人形が飾られている。
笑みを浮かべるウサギさんと、カバさん。
そしてその背後には、口元をへの字にむすび、妙に冷めた目付きでウサギとカバを見おろす、巨大なまねき猫。
こうして改めて見てみると、まねき猫って真顔なんだな。
上みそかつ定食+エビフライのトッピング
10分ほどで、みそかつ定食がやってきた。
トンカツの一面に、景気よくブっかけられた味噌ダレ。
こいつがまたイイ匂いしていやがる。
さっそく一切れを食べてみる。
前歯がトンカツの衣がザックっと崩すと、中からロース肉ならではの脂の旨味。
そこに甘辛い味噌ソースに混ざりながら、舌の上を滑るように広がっていき、やがて喉の奥へスルリと落ちる。
うん、いい。
すごくいい。
ずっとずっとこんな味噌カツが食べたかったんだよ。
ご飯は普通盛りで注文した。
コシヒカリらしい、ふっくらとした炊きあがり。
お味噌汁。
写真では隠れちゃっているが、具材に豆腐とワカメが使われている。
カラシとレモン。
トンカツといえば、これがなくっちゃだ。
トッピングで海老フライを追加した。
黒っぽい味噌のソース
中華料理の豆豉(トウチ=黒豆を発酵させた味噌)のような風味がある。
甘みが強くて、発酵食品ならではの豊かな風味。
これは問答無用でメシが進む。
トンカツの半分も食べないうちに、茶碗はすっかり空になってしまう。
豚肉と米って、えらく凶暴な組み合わせ。
いくら白飯があっても、ぜんぜん足りない。
というわけで、ごはんお代わり。
もちろん、大盛りで。
山のように盛られたご飯が届く。
まるで日本昔話のようなご飯。
白飯の援軍とともに、ふたたび味噌カツとの後半戦に挑む。
小鉢の松前漬けで、口を引き締める。
ちょっと味に変化が欲しくなる。
ということで、カラシを召喚する。
満を持して登場したカラシ。
ところが、甘めの味噌とは、いまいち相性が良くない。
きっとカラシって、ソースや醤油があってこそなんだな。
この甘めの味噌ダレには、どっちかといえば一味唐辛子のほうが合うような気がする。
普段であれば、トンカツのキャベツはソースをかけて食べている。
だけど、たまにはドレッシングってのもいいものだ。
追加したエビフライ用に、ちゃんとタルタルソースが付いてくる。
フライのコロモは薄くて、けっこうデカくて良いエビが使っている。
ビンと背筋を伸ばしたエビ。美味しい。
手の込んだお漬物、ってワケではない。
だけど、脂っぽくなった舌をリセットするには十分。
お肉はとても柔らかい。
しかし、厚みはない。
個人的には「厚切りトンカツ」が好み。
しかし、厚切りトンカツを食べようと思えば、どこの店でも2、000円は軽くオーバーしてしまう。
それに比べ、この上みそかつ定食は、1,600円。
これで十分満足だ。
あっという間に最後の一切れ。
茶碗蒸しは海苔と梅のジャム。
大将が「よろしかったら」と、粒あんがギッシリと詰まった揚げパンを持ってきてくれた。
チーズかつ定食
前掛けが飾られている。
ご主人が趣味で集めているそうだ。
なんとなく、カウンターではなく、奥の小さなテーブル席に座った。
チーズかつ定食を注文。
カウンター席は、新型コロナウイルス対策のため、椅子がひとつ間引かれて、座席の間隔が広くとられている。
こちらは座敷席。
10分ほどで、チーズかつが配膳される。
甘い香り。
なにかの目印なのか、小さなスライス・チーズが一切れのっている。
今回、ごはんは最初から大盛りで注文した。
トンカツ屋って、米が美味いかどうかは大きなファクター。
味噌汁は豆腐、ワカメ、ナス。
トンカツに箸を入れると、中からチーズがトロ~っと、ならない。
そういう絵ヅラを期待していたが、チーズは案外トロっとはしてくれない。
いや、十分にトロトロではあるのだけれど。
期待していたのは、ピザのCMのように、のびーるチーズの絵が欲しかった。
「CMのようなの びーるチーズ の写真をとるためには、なにかコツがあるのではないか?」
そう思って、後日ネットで調べてみた。
そうして知ったのは「CMで使われているチーズは、ボンドや糊を混ぜることで、のびーるチーズを演出している」ということだった。
なんだって? そんなの反則じゃないか!
CMでよく見かけるあののびーるチーズ、てっきり普通のチーズなんだと思い込んでいた。
前回のみそかつとは、また違ったタイプの味噌っぽい甘めのソース。
このソースがまた美味い。
主役のチーズ以上に、ごはんの消費に貢献してくれる。
このチーズかつも、前回のみそかつも、あらかじめトンカツにソースが塗られた状態で提供される。
なので、自分で味の濃淡や、変化を付けることができない。
味が濃くて、脂っぽくて、味が均一な料理ってのは、たいてい飽きが来るのが早い。
ウリのお漬物。
こいつで口をリフレッシュ。
トンカツのキャベツには、やっぱソースが合うのよ。
チーズカツって、ひょっとして、ロースよりもヒレのほうが合うんじゃないだろうか?
松前漬け。
切り干し大根入りとはちょっと珍しい。
なんて思ったら、もともと松前漬けには切り干し大根が入っているのがデフォらしい。
発酵しているのか、少しばかり酸味がつよめ。
さいごに茶碗蒸しを食べると、かなりお腹がパンパンになる。
会計のためにレジに立つと、大将が出てきた。
「あの、お時間あれば、揚げパンはいかがですか?」
ありがたいお申し出だったが、すっかり満腹。
なので、失礼にならないように丁寧にお断りして、店を出た。
満腹定食(300g)
三度、かつ吉へ。
変わり種トンカツが続いたので、ここらでノーマルなトンカツを食べたくなった。
気になっていた満腹定食。
これ、100g単位で注文できて、最大で2Kgまで対応可能だと。
「心ゆくまでトンカツ食べたい」って人には、まさにうってつけのメニュー。
で、わたしも心ゆくまでトンカツ食べたいのだ。
通常メニューの「上ロース」は200gだという。
とりあえず100gアップの300gを注文した。
にしても、2kgのトンカツって、いったいどんなだ。
とんかつ一筋43年。
2グループが来店し、座敷に上がっていった。
300gのトンカツが登場。
さすがに、大きい。
しかし、お皿も大きいから、このトンカツの大きさうまく伝えられない。
豚肉って、脂たっぷりのロースがいちばん美味しいんじゃないか、と思うわけであります。
さてソースの出番。
手前がソースで、奥は醤油。
味噌カツもチーズかつも悪くはない。
悪くは無いんだけれど。
だけど、やっぱソースだよ、トンカツは。
豚肉を何グラムにするかってコトばかりに気を取られて、ご飯を大盛りにするのを忘れていた。
300gだけど、肉は厚切りではない。
厚切りの豚肉を期待していたけど。
でも、トンカツって、たぶん、これくらいの肉の厚さがベストなバランスなんだと思う。
それに美味しんぼの山岡さんだって「厚切りトンカツが美味いなんて、そんなものは日本が貧しかったころの幻想だ」的なことを言っていた。
ついでに「ベストな肉の厚さは5ミリ」とも。
いや、さすがに5ミリってのは、なんぼなんでも薄すぎるだろ。
醤油とカラシ。
ずっとトンカツにはソース派だったけれど、最近は醤油で食べるのもイイもんだと思えるようになった。
キャベツはドレッシングで。
またまた醤油で。
ぜひ塩でも食べてみたいところだが、残念ながら塩は置いていない。
とっくにご飯を食べてしまったが、まだトンカツが残っている。
さすが豚肉300g。
すこしお腹が苦しくなってきた。
いまからご飯をおかわりしたとしても、食べきる自信が無い。
なので、トンカツのみをワシワシと食べる。
やっと茶碗蒸しにたどり着いて、ちょっとホッとする。
すっかりお腹はパンパンだけれども、甘味となれば話は別。
甘いところをいただいて、お会計をして店を出た。
すっかり満腹だ。
とんかつ一筋かつ吉の基本情報
とんかつ一筋かつ吉の場所はこちら
駐車場はたぶん10台程度は停められそう。
とんかつ一筋 かつ吉の基本データ
住 所
〒311-0133 茨城県那珂市鴻巣483
電 話
029-298-0149
営業時間
11時00分~20時30分
定 休 日
月曜日
とんかつ一筋 かつ吉メニュー
※ 価格は2020年のもの。
ランチメニュー
チキンかつ定食
980円
とんかつ定食
1,000円
マグロかつ定食
1,300円
かつカレー
1,200円
かつカレー大盛り
1,350円
レディースセット
1,000円
ソースカツ
とんかつ定食
1,100円
上かつ定食
1,500円
ひれかつ定食
1,500円
特ひれかつ定食
1,800円
チキンかつ定食
1,100円
マグロかつ定食
1,350円
チーズ納豆かつ
上チーズ納豆かつ定食
2,000円
ひれチーズ納豆かつ定食
2,000円
特ひれチーズ納豆かつ定食
2,200円
チーズかつ
チーズかつ定食
1,700円
チーズひれかつ定食
1,700円
特チーズひれかつ定食
2,000円
納豆かつ
納豆かつ定食
1,450円
上納豆かつ定食
1,700円
納豆ひれかつ定食
1,700円
梅おろしかつ
梅おろしかつ定食
1,450円
上梅おろしかつ定食
1,700円
梅おろしひれかつ定食
1,700円
特梅おろしひれかつ定食
2,000円
水戸風かつ
水戸風かつ定食
1,900円
水戸風ひれかつ定食
1,900円
特水戸風ひれかつ定食
2,200円
梅祭りかつ
梅祭りかつ定食
1,950円
梅祭りひれかつ定食
1,950円
特梅祭りひれかつ定食
2,250円
エビフライ、カキフライ
エビフライ定食
1,350円
上エビフライ定食
1,650円
ジャンボエビフライ定食
2,400円
カキフライ定食
1,500円
みそかつ
みそかつ定食
1,350円
上みそかつ定食
1,600円
みそひれかつ定食
1,600円
特みそひれかつ定食
1,900円
おろしかつ
おろしかつ定食
1,350円
上おろしかつ定食
1,600円
おろしひれかつ定食
1,600円
特おろしひれかつ定食
1,900円
三色かつ
三色かつ定食
1,400円
上三色かつ定食
1,650円
三色ひれかつ定食
1,650円
特三色ひれかつ定食
1,950円
満腹定食
300g
2,400円
400g
3,150円
500g
3,900円
600g
4,650円
※ 2kgまで承ります。
カレー、どんぶりメニュー
かつカレー
1,300円
上かつカレー
1,700円
ひれかつカレー
1,700円
ロースかつ丼
1,100円
上ロースかつ丼
1,700円
ひれかつ丼
1,500円
エビフライ丼
1,500円
カグロかつ丼
1,500円
※ 大盛りは150円プラス
セットメニュー
レディースセット
(プチサイズのおろしかつ、みそかつ、エビフライ、アイスクリームのデザート付き)
1,100円
那珂吉定食A
(プチひれかつにみそ、納豆、梅おろしがトッピング、アイスクリームのデザート付き)
1,600円
那珂吉定食B
(プチひれかつにエビフライ、納豆、梅おろしがトッピング、アイスクリームのデザート付き)
1,600円
ライス
大盛り
100円
おかわり 並盛
180円
おかわり 半ライス
100円
おつまみ他
お新香
400円
なめこおろし
350円
冷奴
300円
梅茶碗蒸し
250円
えだまめ
360円
やきとり(5本)
550円
かきフライ
1,400円
ごはん
180円
半ライス
100円
みそ汁
180円
なめこ汁
280円
アイスクリーム
250円
ソフトドリンク
ホットコーヒー
380円
ウーロン茶
260円
オレンジジュース
260円
コーラ
260円
サイダー
260円
ファンタグレープ
260円
おみやげに
揚げパン
380円
かつサンド
1,000円
飲み物
焼酎(ロック、水割り、お湯割り
グラス
410円 ~
ボトル
2,600円 ~
ウーロンハイ
500円
ハイボール
500円
レモンサワー
500円
日本酒
430円
日本酒(菊盛)
460円
生酒
800円
ビール(中)
620円
生ビール(夏季のみ)
620円
ノンアルコールビール
420円