今回ご紹介するのは『梅カフェWAON』。
お店のウェブサイトによると ”日本初の梅専門カフェ” なのだとか。
へぇ日本初とはそりゃスゲェな! そんじゃ2番目の梅カフェどこにあるのよ?
なんて問われても、それは分からない。
それが存在するのかどうかも、分からない。
無粋なことを聞くもんじゃない。
梅カフェ WAON
大事なのは茨城県には梅カフェがあるという事実だ。
これがいかにありがたいコトなのか、それをよく考えてみてほしい。
たとえば、おフランスはパリあたりの有閑マダムが「今日はお洒落なカフェで、ミルクたぷりのカフェオレと、それにド酸っぱい梅干しなんかを楽しみたいザマスわ」と思ったとしても、まことに残念ながらマダムのその願いは決して叶うことはないだろう。
何故ならおフランスには梅干しも無ければ梅カフェも無いからだ。
ああ、なんて気の毒なマダム。
さてその一方、我々が住んでいるここ日本の場合はどうだろうか?
ありがたいことに日本には『梅カフェWAON』がある。
だから思い立てばいつでも梅カフェへとおもむき、そして飛びっきりにスイートなドリンクとド酸っぱい梅干しを心おきなく堪能することができる。
これってば、なんてステキなことだろう。
あの哀れなフレンチマダムが叶えられなかった夢を、我々は今すぐにでも現実のものとすることができるのだ!
やぁ諸君ごきげんよう。
ぼっちメシ研究所のジャムだ。
お店の外観
こちらが『梅カフェWAON』。
店の外観は白を中心にまとめられていて暖簾は白地に赤丸と、まるで日の丸弁当のようなルックス。
入口の両脇のスペースにはウッドデッキが張られ、4人掛けのテーブルが2卓が設置されている。
気候のいい時期に食事をしたらさぞ気分がよいことだろう。
店内の様子
入店すると「いらっしゃいませー」とご挨拶をいただく。
女性スタッフ2名体制。
「お食事でのご利用でしょうか?」と尋ねられ、ハイと答えると「そちらの空いているお席へどうぞ」と促される。
そう勧められた飲食スペースは、ぶっちゃけ狭い。
白い壁で空間的な広がりを演出するものの、物理的に狭いのはどうしようもない。
先客のファミリー客が、壁に寄せたベンチテーブルで食事をされていた。
飲食スペースの反対側は物販用のスペース。
梅干しや、梅を使った食品を販売している。
まずはメニューを拝見。
『梅カフェWAON』にはスイーツやドリンクだけでなく、いくつかの軽食メニューも用意されている。
そのどれもが梅を使ったお料理。
さすがは梅にこだわった梅カフェといったところだ。
興味を引いたのは『トシさんが作る常陸乃梅コンフィチュール入りまろやかカレーライス ポーク or 茄子とキノコ』700円。
カレーと梅の組み合わせって、いったいどんなだ?
それにトシさんとは?
とても気になる。
メインの具材をポークか茄子とキノコのどちらかから選ぶシステムで、注文を取りに来た可愛らしい女性スタッフさんに「ポークとキノコ、どちらがオススメですか?」と尋ねると「茄子とキノコです!!」と即答。
じゃ、それでお願いします。
ランチセットは+800円で食事にスイーツとドリンクを付けることができる。
スイーツは『2色の梅コンフィチュールの常陸乃梅ロールケーキ』500円を選択。
合わせるドリンクは『梅ソーダの露茜(つゆあかね)』300円。
ドリンク300円とロールケーキ500円で合計は800円。
せっかくランチセット(+800円)で注文したのに、単品で注文してもその合計金額は一緒だった。
この『利き梅干しセット』500円にも心ひかれたが、これはスルー。
ちなみに選べる梅干しは9タイプ。
料理ができるまでの間、物販コーナーを見学。
サクマ梅ドロップ。
レトロチックなルックスに物欲が掻き立てられる。
ここ『梅カフェWAON』はそのツールを辿ると、なんと1830年にまでさかのぼる。
もちろんその当時にカフェを始めたわけではない。それに茶屋でもない。
もともとは漬物の製造販売を行う『吉田屋浅吉商店』として創業されたのが始まりだ。
現在は8代目が事業を引き継ぎ、梅をフィーチャーしたカフェをオープンさせた。
200年の歴史ある老舗のわりにはフットワークが軽いのね。
この辺のフレキシブルさが200年もの長きに渡って事業を継続させるヒケツなのかも。
アレコレ見ていると「カレーおまたせしましたー」と声をかけられる。
カレーとロールケーキ
お、カレーだ。
見た目は普通。
ごく普通のカレーだ。
「茄子とキノコのカレー」だけど、それ以外にも野菜がいろいろと入っている。
タマネギなどの食材は細かくカットされていて、ルーの粘度も高い感じ。
付け合わせはもちろん福神漬け。それにラッキョウ。
ご飯は粒立ちと目鼻立ちがハッキリとしたかなり男前な仕上がり。
カレーをはじめとして、煮込み料理って歯ごたえが単調になりがち。
だけど、具材のシメジがキュッキュッとした弾力を残していて、食感に気持ちのいいリズムを生み出している。
その歯ごたえから察するに、キノコはカレーのルーとは別に茹でて後から混ぜているようだ。
いや、つーか美味いぞ、このカレー。
スパイス感は控えめだけれども、かといって甘口ってほどでもなく、ほどよい辛みが有りつつもマイルドな仕上がり。
つまりは誰もが美味しく頂けるカレーに仕上がっている。
なにも大洗に来てまでカレーを食べなくても・・・とも思ったのだが、なんだかカレーが食べたくなっちゃったんだよなぁ。
で、米がまた美味い。これは良い米使っているな。
それはさておき、このカレー「常陸乃梅コンフィチュール入り」のはずなのだが、コレといって梅の風味は感じない。
さすがにカレーのスパイスには勝てなかったのだろうか。
なんなら、もうちょっと梅感を押し出してもイイかも。
それにカレーって酸味があるほうが美味しいんだよね。トマトとか入れたりすると美味しくなるし。
2つ添えられているラッキョウの1つを食べてみると、これがまた美味い。
さすがはさすがの老舗の漬物屋。
きっと素材が良いんだな。
家庭的なカレーだがクオリティも満足度も高い。
でもしかし、しまったな。
せっかく梅カフェに来たのだから、もっと梅を全面に押し出した料理を注文するべきだったか。
カレーを食べ終わると、間を置かずに『2色の梅コンフィチュールの常陸乃梅ロールケーキ』と『梅ソーダの露茜』が届けられた。
露茜のゼリーはクラッシュドなタイプ。
淡いピンクがなんとも涼しげー。
スポンジとクリームの間にある黒っぽい層が梅のジャム。
ロールケーキは2切れが提供され、それぞれ露茜を使ったものと青梅を使ったものとなっている。
ゼリーを載せてパクっといく。と、おお! これはまさに梅だ!
ふかふかのスポンジケーキとクリームの甘い組みあせに対して、キレのある梅の酸味が見事なカウンターを決めている。
梅のソーダもかなり酸味が効いている。
これに使われいてる露茜(つゆあかね)という梅は、梅とスモモをかけ合わせて作られた品種なんだとか。
グラスの底には赤い球状のものが沈んでいる。
これも梅を使った何かなのかと思い、ドリンクに溶けるように一生懸命にグルグルとかき混ぜた。
しかし、赤い球は一向に溶けない。
よく見ると赤い球は、単なるマドラーの先端に取り付けられたガラス製の飾りだった。
なるほど、そりゃ溶けねぇワケだわ。
柔らかいスポンジケーキの中に混じる梅の皮のクニュっとした食感が楽しい
梅って意外なほどスイーツに良く合うんだな。
梅をあしらったコースターが可愛らしい。
コンビーフ丼とアップルパイ
ふたたび梅カフェへ。
食事は『梅醤油で食べるコンビーフ丼』900円を注文。
デザートには『常陸乃梅シロップで煮込んだ茨城県大子産りんごのサクサクアップルパイ』600円。
大洗町なので、店内には当然のごとくガルパンのキャラクターグッズがディスプレイ。
こちらのお店は『武部沙織』推しっすね。
洗女子学園アンコウチームの通信手。
眉毛が特徴的。
さて『コンビーフ丼』がやって来た。
ドンブリっていうよりも、大きめのお茶碗といった雰囲気。
懐の深い器でご飯の量は十分。
左側に見切れちゃっているのは『梅しょうゆ』。
醤油のなかに梅干しが丸ごと1個が丸でドボンと入っている。
この丼ぶりには味噌汁とか漬物が付いてこないんだな。
まぁカフェでガツガツ食べるのもナンだしね。
とはいえ、やっぱりちょっと寂しげなビジュアル。
常陸牛の入ったコンビーフがたっぷり。
このコンビーフは水戸市にある『手作りハムとソーセージの店 メツゲライタモン』のものを使用しているそうで。
ご飯の熱で温められたコンビーフから脂が溶け出し、お米の表面をうっすらとコーティングしていて、これがビックリするほど美味い。
脂の上品でいてジャンクな味わい。
そのコンセプトは、素材にこだわってハンバーガーを作っているモスバーガーを思い出させる。
コンビーフの塩気だけでも十分美味しいが、せっかくなので梅しょうゆを使ってみることにした。
卵に箸を入れると、これがけっこう粘る粘る。ものすごい粘り。
この卵もきっとイイもの使っているんだろうな。
黄身は旨味がえらく濃くて、なんなら主役の座をコンビーフから奪いかねない。というか奪っている。
なんだかもうコンビーフはすっかりわき役だぞ。
コンビーフに加工されているとはいえ、常陸牛は茨城県を代表するブランド牛。
それに力負けしない旨味を持っているこの卵って、いったい何者なんだろう?
にしても、卵を割るタイミングがちょいと早すぎだったかな。
もっとコンビーフと白メシの組み合わせを楽しんでから、それから卵を割ればよかった。
このコンビーフ丼、言葉を選ばずに乱暴な言い方をさせてもらえば、ようするに茨城県産の「ちょっとイイ食材」を丼ぶりの上に乗せただけってなシロモノ。
だけどもこれがメチャ美味い。
もし市販のコンビーフでもこの味が再現できるのなら家でもマネしたいところだ。
それにしても、やっぱり味噌汁が無いのは少々寂しい。それに何かしらのお漬物、できれば梅干しを付けてくれると嬉しいのだが。
コンビーフ丼の後にはデザート。
パイ生地からはこうばしい香りが立ち昇る
もしかしてこのパイって焼き立てなのだろうか。
それにバターの香りがたまらなく鼻をくすぐる。
おおコレ、めっちゃサクサクじゃないか!
あれ?
そういえばデザートって何を注文したんだっけ?
あ、アップルパイか。
え、これアップルパイなの?
あらめて見るとアップル。
それにカスタードクリーム。
なるほど、たしかにアップルパイの要素だ。
つまりこのアップルパイはセパレート式なのか。
自分でパイにアップルとカスタードクリームをのせて食べるってことなのね。
うん、なるほど。
おお、これはアップルがダイレクトに楽しめる。
甘いアップルパイに、梅ドリンクがじつに良く合う。
アップルパイも美味いもんだなぁ。
レジの前に飾られている武部沙織フィギュア。
特徴的な眉毛は前髪に隠れて、見慣れたさおりんとは雰囲気が異なる。
帰り道、味のある郵便ポストを発見して謎にテンション上がる。
シラス丼とチーズケーキ
さて梅カフェもこれで3回目。
食事は『9種類の梅干しから選べる大洗のシラス丼(しじみ汁添え)』800円を注文。
選べる梅は『三年梅』をチョイス。
説明文の「長年愛され続ける、リピーター続出の看板ブランド 三年梅」ってのに魅かれた。
梅は大分県産南高梅で塩分は10%。
スイーツは『常陸乃梅露茜シロップの濃厚チーズケーキ』を注文。
さおりんのパネルを眺めながら料理の到着を待つ。
しばらくしてシラス丼が到着。
たっぷりのシラスと、その中央に卵の黄身が乗る。
ちなみに注文時には卵を「黄身だけ」にするか「全卵」にするかを尋ねられる。
このときは何となく黄身だけでお願いした。
お箸とスプーンが付いてくる。
涸沼産のシジミ汁。
やはり味噌汁の存在はありがたい。
梅カフェ3回目の食事にしてやっと初登場となった梅干し。
かなりデカイ。
大洗産シラスの下には鰹節と海苔。
シラスにはネギと白ごまが振り掛けられている。
さらに中央には卵と、これはけっこう最強な布陣ではなかろうか。
しかも海苔は刻み海苔ではなく手もみ海苔。手間を掛けて作っているのがよく分かる。
お米はツヤツヤして粒立ちが良く、シラスとの相性もばっちり。
食材選びに対する相当なこだわりをアチコチから感じる。
それでいて全メニューが1,000円以下に抑えられているってのがスゴイ。
アッパレ。
前回のコンビーフ丼の時と同様に凄まじい旨味を発揮する卵。
シラス丼を卵かけご飯へと変貌させる。
もはやシラスは卵かけご飯のトッピングに過ぎない。
この強烈な卵、いったい何者なのか?
その正体を知りたくてスタッフさんに尋ねてみると、茨城県行方市(なめがたし)で生産されている『アスタの恵み』という卵なんだとか。
いよいよ梅干しを食べてみる。
大粒の梅干しの皮は極限まで薄く、もはや皮というよりも薄い膜。
そして果肉の部分がとても多い。というかこの梅干しはほぼ丸ごと果肉といってもいいくらいだ。
ただこの梅干し、ステビアが入っている。
ちょっと苦手なんだよなぁ。
などと思いつつしっかり完食。
これ以上にない完璧なタイミングで、デザートの『常陸乃梅露茜シロップの濃厚チーズケーキ』が到着。
猿島紅茶の独特の味わい、好きやわー。
こちらは梅シロップ。
スタッフさんの話によると「紅茶に入れるとレモンティーのような味わいをお楽しみ頂けますよぉ」とのことなので、梅シロップを一気にグラスに投入。
おお、たしかに猿島紅茶のレモンティーっぽくなったぞ。
しかし、よくよく考えてみるとこの梅シロップって本来はチーズケーキに掛けるためのモノだったのではないだろうか?
なんつっても『常陸乃梅露茜シロップの濃厚チーズケーキ』だもんな。
でもシロップは全部紅茶の中に入れちゃったぞ。
『常陸乃梅露茜シロップの濃厚チーズケーキ』を梅シロップ抜きで食べる。なんだかツウっぽい。
このケーキもしっかりと濃厚で美味い。
コクのあるチーズケーキには酸味のあるフルーツが良く合う。
とうことなのか、ケーキの両サイドにはたっぷりのベリー類が添えられている。
甘酸っぱいベリー類が梅の不在をしっかりカバー。
うーん美味い。
きっとチーズもイイものを使っているのだろうな。
自宅用に梅干しを購入することにした。
ステビアが入っていないものを慎重に探す。
で選んだのがコレ。その名もズバリ『八代目』。
塩だけで漬け込んだ梅干し。
これ、めちゃ美味かったのです。
おまけ
ガルパンファンの間では一番有名な旅館『肴屋本店』。
劇中では戦車が追突して全壊している。それも2回も。
さて目的はここ『年宝菓子店』。
いや、別に何か特別にお目当てがあるわけでもないけれど、なんだか急に甘い物が食べたくなったので。
いやホント、別に何かお目当てがあるわけじゃないんだけどね。
まぁせっかくなんでなにか買ってかえろうかなと。
で、飴を買ったら偶然にも秋山殿の缶バッチが付いてきたんだよね。
えへへ。
梅カフェWAONの基本情報
梅カフェWAONの場所はこちら
駐車場は道を挟んで反対側に2台分。店舗裏に2台分。
大洗駅からは1.5Kmで、徒歩でおよそ20分ほど。
住 所
〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町624
電 話
029-229-1223
営業時間
10時00分 ~ 17時00分
定 休 日
水曜日
梅カフェWAONのメニュー
※ 価格は2021年のもの。
お食事
9種類の梅干から選べる梅干しおにぎりプレート(涸沼のしじみ汁、漬物添え)
1個プレート
500円
2個プレート
700円
9種類の梅干から選べるしらす入り焼きおにぎり梅茶漬け(漬物添え)
500円
梅しょうゆで食べるコンビーフ丼
900円
9種類の梅干から選べる大洗のしらす丼(しじみ汁添え)
800円
9種類の梅干から選べる梅しらすゆばパスタ
800円
トシさんが作る常陸乃梅コンフィチュール入りまろやかカレーライス(ポーク or 茄子とキノコ)
700円
3種類の梅干しを選べる利き梅干しセット(土浦の桑茶付き)
500円
WAON 梅ランチセット
お好みのお食事と、お好みのスイーツ&ドリンクセット
お食事の価格に+800円
スイーツ
2色の梅コンフィチュールの常陸乃梅ロールケーキ(露茜梅ゼリー添え)
500円
常陸乃梅露茜シロップの濃厚チーズケーキ
600円
常陸乃梅シロップで煮込んだ茨城県大子産リンゴのサクサクアップルパイ
600円
ドリンク
梅ジュース(COLD/HOT)
青梅
250円
露茜
300円
梅ソーダ
青梅
300円
露茜
350円
ノンアルコール梅酢カクテル
青梅
350円
露茜
400円
スイート梅まるごと梅ソーダ
500円
プルプルゼリー梅ソーダ
500円
コーヒー(COLD/HOT)
400円
猿島紅茶(COLD/HOT)
400円
カプチーノ
400円
土浦の桑茶(COLD/HOT)
300円
梅酒八代(ロック)
青梅
300円
露茜
350円